第一章〜囚われの少女〜
第九幕『演劇団』
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んをゲットだぜ!)などと思っているに違いない。
「まぁ、その、アンタたちの本領を存分に発揮できるってわけね」その言葉にはさまざまな意味が込められているが、本人は至って真面目だ。
女嫌いのジャックは、その中でも全く表情を変えずに話が終わるのを待っていた。
(あ、オカマに戻った……って、そんなことはどうでもいいから早く終らないか)
「とにかく、アタシたちは盗賊団『マスカレード』だ。其処んところは得意分野ってわけね」
その理由は、団員のそれぞれが個々の仮面を持っている事からだ。仕事の時、その仮面をつける事がトレードマークとなっている。それが団の名前の所以でもある。
「音楽担当、舞台・俳優、姫の誘拐役、余裕があれば金品・財宝を狙う係。大体いつもと同じだから、ここの説明はいいわね」
いつも大体、観客やターゲットを惹き付ける役、仕事をこなす役と大まかには決まっている。
「ただ」団長は今までより一層深刻な、だが挑戦するといった表情をする。「今回は俳優、姫の誘拐をどちらもしてもらわなくちゃいけない団員がいる」
静まる団員たち。一番の大仕事は、誰に任されるのか予想したのだろう。
「それはアンタよ」
意外な人物の名に、団員たちの目は一瞬にして一点に集められることとなる。
「ジャック」
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