第一章〜囚われの少女〜
第五幕『隠された部屋』
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た。
――そして従者は、道の行き止まりが見えたところで、止まった。「私めはここより失礼いたします」その先には、鉄の、重たそうな扉があった。
「皆様に気づかれないよう時間を稼いでおります。姫様も速やかに、ご自分のお部屋へお戻りになりますよう」女従者はそう言い残し、足音を消して元の場所へと戻っていった。自分がここにいることは、誰にも悟られてはならないようだ。
姫はやや焦る気持ちで、自分の持っていたランプを扉に近づけていった。ランプの光はその扉の鍵の部分を照らし出す……
――その鍵は、鎖で厳重に固められているとわかった。
(この先には行ってはいけないのね……? ここは……部屋?)一体、どんな恐ろしい物があるのだろうか。または恐ろしい人物がいるのだろうか――そこまで厳重にする必要があるのかどうかは全く見当もつかない。
ふと、姫は扉から少し左の方へ目動かす。目の高さ程の場所に、鉄格子のはめられた小窓があるのに気付く。(ここから向こう側が見えるかも)
姫はすぅー、と息をのみ、恐怖と焦りと不安に苛まれながらも、思い切って向こう側を覗き込む決心をした。
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