第17話 そして、一時帰郷へ・・・
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い人材がいればスカウトしよう。
いろいろと考え事をしているうちに、両親が城から帰ってきた。
我が家での夕食での会話はいつも、ソフィアが俺に質問する形で行われていた。
俺が冒険に出発してからは、ソフィアの最初の質問はいつも、パーティの所持金や装備品の価格についてのことだった。
父親のロイズは黙々と食事を続けていた。
「ロマリアはどうだったの?」
「おじいさんは、亡くなっていたよ」
「そう」
俺の答えを予想していたのか、ソフィアは自分の父親の訃報にも表情を変えることはなかった。
「毎年のように、冒険者を通じて手紙が来ていたけど、5年前からいっさい送ってこなかったからね。覚悟はしていたわ」
それでも、昔の事を思い出したのかどこか遠くを見るような目をしていた。
俺は話題を変えるため、勇者の事を質問する。
「呪文の効果はどうだった」
「ばっちりよ」
「それはよかった」
俺はソフィアにある呪文の作成を依頼していた。
「おもいだす」に「おおごえ」の呪文を組み合わせた内容である。
とりあえず「しゃべりだす」という呪文名(仮称)を俺と母親はつけていた。
これにより、勇者が深く心に刻んだ言葉をしゃべる事ができるようになった。
厳密に言えば、再生機のスピーカーのようなものだが。
これにより、「勇者はしゃべれない」ことを隠すことが可能となった。
当然、しゃべれる言葉の数は限られてしまうが、効果的に使うことができるだろう。
「アーベルにお願いがあるの」
「なに?」
「勇者があなたの声を使いたいそうよ」
「・・・、わかった」
今後、俺も交渉の場に出る予定だったのでどうかと思ったが、兄弟などは声が似ていることもある。
問題ないと判断し、勇者の出発までに何を覚えさせるか考えることにした。
「しゃべりだす」の呪文で覚える言葉は、なるべく少ない方がいいだろう。
32個まで覚えることができるが、父親であるオルテガの言葉を忘れさせる訳にはいかないだろう。
翌日、ルイーダの酒場で3人が集まった。
魔法の玉の量産化についてのキセノンへの話は、キセノンの娘であるテルルに任せている。
俺が直接キセノンにあっていたら、いろいろと頼まれごとをされそうで困ると判断したからだ。
借りていた10,000G(装備代を含む)を返すまでは、頼まれごとを断りにくい状況もあるからだ。
もともと俺は小心者なので、借りた金を返さないままというのは心情的によくないのだ。
俺たちはキメラの翼で、アッサラームへ移動する。
アッサラームの西にあるイシスの城下町を目指して。
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