第22話
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は・・・まだ・・あんたにお礼を・・・・いってな・・い。」
後半からは声が小さくなりよく聞こえなかったが、とりあえずお礼が言いたいのだろうと麻生は適当に考え頭をかきながら言った。
「そこまで気にする事じゃない。
俺は俺に助けを求める人は絶対に助けると、決めてそれを実行したに過ぎない。
俺は自分の為に戦ったのだからな。」
麻生はそう言って病院を後にした。
後ろでは美琴はまだ納得のいかない顔をしていたが、それでも前とは違い少しだけ笑みを浮かべていた。
その数日後、上条が退院して自分の部屋に戻った。
すると、麻生が珍しく上条の部屋を訪ねてきた。
そして開口一番に言った。
「ご飯を作ってやるよ。」
は?、と上条は呆けてしまったがそれに構わず部屋に入り台所借りるぞ、と適当に言って調理を始める。
ようやく正気に戻った上条はいきなりの展開についていけてないようだ。
「一体どうしたんだ。
何があったんだ!?」
「うるさいな。
今日は作りたい気分だったから、ついでに作ってやろうと思っただけだ。」
ぶつぶつ言いながら買ってきた食材をだし調理にかかる。
インデックスは麻生の料理を楽しみしているのか、すでに机に陣取りフォークとナイフを持ってスタンバイしていた。
麻生の突然の行動について考えた上条は、何かを思いついたのか麻生に尋ねる。
「もしかして、一生来ないと思っていたデレ期なのか?」
ピタッ、と麻生の手が止まる。
そして何も言わず部屋を出ていこうする。
「申し訳ございません、恭介様!!!
何とぞ、踏みと止まってください!!!
私達においしい食事を作ってください!!!」
目にも止まらぬ速さで麻生の前で土下座する。
麻生は大きくため息を吐くと台所に引き返していく。
調理を開始していると何だかおいしいそうな匂いがするぞ!!、とこれは麻生の飯の匂いだにゃ〜!、とどこかの聞き覚えのある声が廊下から聞こえた。
おそらく舞夏と土御門だろうと考えた麻生。
二つの足音はこちらに向かって来ている。
ため息を吐いた麻生はもう二人分のご飯を作る準備を開始した。
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