第八話 これが歴史です
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そうです」
「なるほど、深いですな」
全くだ、深すぎて俺にはさっぱり分からん。何処までを運に任せれば良いんだ? 俺に分かるのは丸投げは拙い、そのくらいだ。
「爺さんは親っさんらしいと言ってますぜ。小さくは張らない、デカく張ってデカく儲ける。親っさんらしい博打だと」
「私は博打はしませんよ」
「まあそうですけどね」
決断力が無いな、俺は。悩んでばかりで先に進めない。いきなりドアが開いて“親っさん、大変だ”と叫びながらキアが飛び込んできた。八って呼びたくなるな。
「馬鹿野郎! ノックぐらいしねえか!」
「すみません、副頭領。大変な事が」
「チッ、何が有った」
「ヴェスターラントで反乱が、シャイド男爵が殺されたって」
「殺された?」
「はい、シャイド男爵はブラウンシュバイク公の甥だそうです」
アンシュッツが俺を見ている。原作より明らかに早い、そして過激になっている。俺の所為だ、あの映像の所為だろう。ブラウンシュバイク公が、ラインハルトがどう出るかは分からない。しかし、俺は俺に出来る事をすべきだ。
「出ますよ、ヴェスターラントに行きます。準備を」
俺の言葉にキアが“分かりました”と叫んで部屋を出て行った。
「副頭領、ヴィルヘルム・カーンに伝えてください。八月二十日、作戦を開始せよと」
「分かりました」
アンシュッツが一礼して出て行く。やってみよう、辺境を守るためだ。自分の運を信じてみよう……。
帝国暦 488年 8月31日 ガイエスブルク要塞 カルステン・キア
なんかあっという間だったな。あっという間に貴族連合は潰れちまった。まるでアイスが溶けるみたいに無くなっちまったんだ。キフォイザー星域の会戦が有ったのが七月の二十日。その二日後にはリッテンハイム侯が捕虜になった。それから一ヶ月ちょっとで今度はブラウンシュバイク公が死んだ。あっけないもんだな。
やっぱりあれが効いたな。ブラウンシュバイク公の甥、シャイド男爵がヴェスターラントの住民に殺された時、ブラウンシュバイク公はヴェスターラントに核攻撃を加えようとしたんだ。それを親っさんが食い止めた、攻撃しようとしていた艦を捕獲すると乗組員にブラウンシュバイク公にヴェスターラントを核攻撃するように命じられた事を供述させた。そしてそれを映像に録り放送した。
いやあ、スゲエ騒ぎだったぜ。いろんな奴が親っさんに連絡を入れてきた。貴族連合軍の兵士もいれば討伐軍の兵士もいた。ヴェスターラントの住民からも有った。住民からは何度も何度も有難うと礼を言われたよ。素直に嬉しかったな、良い事をしたんだって実感できた。そして金髪……。
金髪の奴、ホッとした様な顔をしていたな。何時も親っさんに突っかか
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