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少女は 見えない糸だけをたよりに
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 次の日の朝は、お澄ましのお雑煮と鰆の西京漬けだった。お父様だけ数の子の小鉢も。今日は、独りでお酒を飲んでいた。

「今日は 出掛けないんか」

「別に 予定ないけど・・」と、燿さんが

「じゃあ 八坂さんに行って、帰りに菊水でタンシチューでも食べようぞ」

「お父様 どうして そんなに 出掛けたがるのー」

「うーん せっかく だからな 香波の着物見たいし もっとな 連れて、歩きたいんじゃ みんなが振り返るからのー」

「なんか 私の時とは 全然違うね 香波だから?」

「そんなことはありません 燿は ワシなんか、相手してくれなかったじゃぁないかー 今でも」

「そうだっけなー まっ いいかー でも、私は、中華の雰囲気なんだけど・・」

 そして、又、着物を着て、タクシーで神社まで行った。そして、お詣りの後、橋の袂の古いビルの中華料理屋さんに入った。その間、私は、ずーとお父さんの腕に掴まって腕を組んで歩いていた。人も多かったから。

「お父様 そんなに頼んだって 食べきれないわよー」

「いいさ 余れば、持ち帰ればいいよ いろんなものを香波に食べさせてやりたいんじゃ」

「もうー お父様 香波 香波ってー 香波 いっぱい 召し上がれ 着物じゃぁ無い方がよかったのにねー お腹 苦しいでしょう」

 その後、お父様が、私に靴を買うからと、デパートに入って行った。燿さんの薦めもあって、ベージュのパンプスを買ってもらった。そして

「燿 香波にネックレスも買っていいか?」と、お父様が

「どうして そんなこと私に聞くの? どうぞ お好きになさってくださいな どうせ、香波はお父様のお気に入りなんでしょうからね! 香波 大きなダイヤついたの 買ってもらいなさい」

「燿 怒っているのか? わかった じゃぁ 特別にお揃いでどうだ 高いものはだめだぞー」

 燿さんは、ゴールドのシンプルなチェーンだけのものをお揃いで選んでいた。「これっくらいの方が、上品なのよ」と、言って居た。地下に降りていって晩御飯のお惣菜も買って帰ったのだ。

 御夕飯の時、お父様はお酒を、燿さんはビールを飲んで、お母さんと私は冷たい日本茶を飲んでいたんだけど、お父様が

「なぁ 香波は独りでアパート暮しなんだろー 不用心じゃぁないのか?」

「ええ 私も、最近 心配になってきてるの まぁ 女子学生もそんな人も居るけどね」

「ここで 一緒に 住めばいいじやぁないか どうなんだ? アパート代だって大変なんだろう」

「お父様にそう言ってもらえると 助かります でも・・香波は どうかな?」

「・・お父さん ありがとうございます・・・でも・・少し、考えさしていただけますでしょうか」

「そうね 少し、考えた方
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