第一章 幽々子オブイエスタデイ
第6話 努力のあり方
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「じゃあ、始めるとしますか!」
そう言って魔理沙は自前の箒を取り出し……それに跨ったのだ。
「何をするつもりかしら?」
訝って依姫が聞いた。
「まあ、見てなって」
続いて魔理沙は、魔力を箒へと込める。そして、彼女は箒諸共宙へと浮かび上がったのだった。
「まあ」
これには依姫は素直に驚いた。
「この決闘方法では、空を飛んでもよろしいのですか?」
「ああそうだぜ、寧ろ飛びながら戦う者が多いぜ」
感心する依姫に対して、魔理沙は得意気に説明してみせた。飛ぶのは彼女の専売特許ではないが、月へ来て幻想郷のルールで戦えるとは思っていなかっただろうからそれで心が躍るのだろう。
「では行くぜ!」
◇ ◇ ◇
「先手必勝! 【魔符「スターダストレヴァリエ」】」
魔理沙は既に弾幕を展開していた。大量の漫画で描かれるような星型の弾が帯のように列をなして幻想的である。
それに加えて魔法陣型のエネルギーも魔理沙から放たれ、丸のこぎりのように辺りを飛び交った。更にカード型の弾も飛び、見た目が非常に鮮やかで派手なものとなっていた。
これが魔理沙のモットーとする『弾幕はパワー』の理論を体現したものであった。
その弾の数々は玉兎や霊夢と、彼女と依姫の戦いを観戦するもの全員にまで飛び交ってしまっていたのだ。魔理沙の大雑把な性格の現われと言えるかも知れない。
激しい猛攻と言えよう。だが……。
「月の都で見える星は瞬いていないらしいな」
魔理沙は思わずため息をついていた。何故なら彼女の目の前には腕を交差させて星の弾幕の動きをどういう原理か、彼女の周りで止めていたからだ。
「星が瞬いて見えるのは、大気の揺らぎなのです。大気の少ない月の都では、星はほとんど瞬かない」
そう言いながら依姫は、宙で止まっている星の弾の一つを掴み……何と食べたのだ。カリっという音が切なげに鳴った。
(甘……)
そしてそれをポイっと捨ててしまった。
「瞬かない星の軌道は、完全な直線です。等速度の攻撃は加速度系において止まっているに等しい」
難解な理論を並べながら、依姫は弾幕をひょいひょいといとも簡単にかわす。止まっているから造作もないだろう。
「止まっている弾幕なら、誰にでも避けられるでしょう?」
「よく解らんが確かにお前の周りは止まっているな。じゃあ」
自分の弾幕の流れをせき止められ苦笑いしていた魔理沙は、心機一転し表情を変える。
「これならどうだ?」
魔理沙は右手に魔力を溜めると、それを振り上げた。
「【黒魔「イベントホライズン」】!」
魔理沙が新たにスペルカード宣言をすると、大量の星の弾が宙に飛んだ魔理沙から壊れた蛇口から吹き出す水の如く放出されたのだ。
容赦なく星弾の滝は依姫へと襲い掛かる。
だが、依姫は動
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