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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第四章 異能バトル
4-6 決着
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た。
目を手で覆う。
「おれは……こんなやつを……」
足下に雫が落ちていた。
「ありがとう……!」
********************
夜が深まり、月明かりだけが頼りになる暗闇のなか、空に二人の影が浮かんでいた。
ひとりは精霊、ひとりは人間だった。
「そこまでしてやる義理なくね?」
「まあ、おれ寿来のこと気に入ってるし。尻拭いくらいしてやろうってな」
砂川とやらを乗せたバイクはなぜかスリップし続け曲がり角で大破していた。
「まあ、死にやしねーだろ」
「ふーん、じゃ、あいつらは?」
ひとりがもうひとりの肩を組んで支えて高校から去っていく二人組が見えた。
「……まあ、あっちはいいだろ。寿来が逃がしたみてーだしな。それで? あれが不正した精霊か?」
「ふ、不正? なんのことやら」
目の前ではオレンジのスーツに眼鏡の精霊が狼狽えていた。
「とぼけんなよ。許可されていない情報を収集して担当プレイヤーに流す。おまけに戦闘中に支援魔法まで。ルールブックは読まなかったのか?」
「おいおい、精霊はあくまで円滑な戦いの為のサポートで介入なんて以ての外のはずだろ?」
「違う! そんなことはしていません!」
「欲に目が眩んだか。当然委員会には通達済みだ。すぐに判決が言い渡されるだろう」
「ま、待ってくださいリーティアさん! 取引しましょう!」
直後、フォクシーの周りに黒い靄が発生した。
「あたしに言っても意味ねーだろ。ほら、お達しだ」
「嫌だ! わたくしはまだ……」
続きを言う暇を与えられず、フォクシーは闇に飲まれるように消えていった。
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