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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第四章 異能バトル
4-6 決着
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撃たれる前にやるしか勝機はない。
反射的に出た行動は長年続けていたボクシングの動きだった。
左のジャブからの右ストレート。
自分の中で決まったという感覚がした。
しかしジャブは当たらず、ストレートは顔の前で左手で掴まれた。
「……」
あまりのことに信じられず声も出なかった。
「アンタはここぞって言う時はボクシングの癖が出るからな。KO狙うなら顔だろうと思った」
「……」
左腕の溜めが終わると同時に山崎は押し返された。
態勢が崩れた所で黒い拳が視界いっぱいに広がった。
「ちくしょう……」
視界が急激に変化し、黒い拳が遠ざかっていった。
********************
山崎は尋常じゃないスピードで転がっていった。
倒れ伏している。さすがにもう立ち上がれないだろう。
あたし達はその間彩弓さんの治療を受けていた。
安藤はすかさず木村を攻める。
安藤は茎を異能の両腕で掴んだ。
すると茎を半ばでちぎり、木村へ投げ飛ばした。
丸太ぐらいはありそうな重さの茎をだ。
「すごいパワー……!」
「ひいぃ!」
木村は叫びつつもなんとか避けた。
安藤は止まらない。
茎が通用しないと判断したのか、木村は蔓を伸ばした。
「けど、それじゃあ……」
ふつーにちぎられていた。
もはや歩いて近づく安藤に木村は腰を抜かし、巨大な手のチョップで気絶させられた。
「ふー。こんなもんか」
「どうやら終わったようですね」
四人の元に安藤が戻ってきた。
「鳩子の怪我はどうです?」
「問題ないでしょう。強めの打撲ですが跡は残らないはずです」
「じゃあ、これで……」
鳩子が言いかけた時、安藤以外が驚きの表情を浮かべる。
遅れて安藤も後ろを見ると、なんと山崎が立ち上がろうとしていた。
「ハア、……ハア、……」
でも、山崎は疲労とダメージで立ち上がるのがやっとなのが見て分かった。
「木村っ……!」
どうやら今気付いたらしい。
「くそ……! 砂川さんっ」
山崎は後ろを振り返った。
しかしそこには誰もいなかった。
「……すながわ……さん……?」
状況を理解出来ずに呆然とした山崎。
「後ろのやつと精霊ならお前が倒れたのと同時に逃げたぜ」
「……」
山崎と木村は見捨てられていた。
そこで諦めるかと思いきや、山崎は構えた。
その目はまだ敗北を認めていなか
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