たんてい
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…」
階段の底に着いた。
「ザート」
ベルの手に現れた錫杖が光を放つ。
「ティオネやティオナが当日に調べてくれてはおるんやけど、モンスターだけ追っとったら見落としとる物もあるかもしれへん」
「頭の足りねぇアマゾネス共だったら見落とし放題だろ」
水路に出た。
淡い光を放つ柵が、水路の中心をガイドビーコンのように等間隔に措かれている。
「あれは何ですか?」
「浄化装置。この下水道が繋がってる気水湖を汚さねぇためのな」
「………綺麗な下水……か」
「ベル?」
呟いたベルに、ロキが尋ねる。
「オラリオは、眩しい街だね」
ロキはキョトンとした顔をした後で、クツクツと笑い始めた。
「僕、おかしな事言ったかな?」
「いーや。ベルの言うとおりや。さ、行こか」
ロキがベルの背を軽く押す。
灯りを持つベルが先頭だ。
途中跳ねてきたレイダーフィッシュをベルがザートで叩き落とした以外は、特に何の障害も無かった。
「ん? なんやあれ」
ロキが指差す方には、鉄の扉があった。
ちょうどロキ達がいる対岸だ。
「ラヴィアス」
ベルがザートを持っていない手に破邪の尖角を握る。
穂先で水面を叩くと、対岸まで氷の橋ができた。
「お、ありがとなベル」
ロキは橋を渡ると、扉の検分を始めた。
「旧下水道やな。新しい水路が出来て放棄されたんやろ」
ベート、とロキが呼ぶと、ベートは面倒臭そうにしながら、錠前を引きちぎった。
「わ、すごい…」
「ベルも懐中時計の鎖くらいなら切れるはずやでぇ」
ベートが鉄扉を押し開ける。
「水浸しじゃねぇか…」
水路の水は溢れ、通路まで昇っていた。
「わー………なぁベート、おんぶしてくれへん?」
「ふざけんな自分で歩け」
「ベルぅー。おんぶー!」
「うわ重っ…。胸無いのになんでこんな重……」
「いてもうたろか?」
「はいはい…ラヴィアス」
ベルが再び穂先で地面を叩く。
「これでいいでしょ。一応、通路から水面までは凍らせたよ。でも、水路の上は薄くなっていくから、落ちないでね」
カツ…カツ…カツ…カツ…カツ…カツ…
「人の匂いがのこってやがるな…水でほとんど消えかけてるが…」
さらに進むと、それはあった。
穴。大きな穴だ。
「これは当たりか…?」
大穴は幾つもの水路を貫通しており、追っていくと、幾本もの水路を横切る事になった。
そして、終点。
「貯水槽…か?」
ベートの呟きと同時、ザートの灯りが内部を照らす。
緑の茎。醜悪な花。
「ロキ! 下がって!」
ベルがロキ
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