猫娘と入学編
NO.002 猫娘
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声も高くなってしまっているではないか。
「な、なぁぁぁぁああああ!!!!????」
その大きすぎる変化に出久は思わず女性の様な大声を上げて叫んでしまった。
だけどすぐに意識を別の物に置き換えて即座にとある部分を触ってみた。
「……な、ない……」
そう、男の大事なものが消えてしまっていたのだ。
それにはさすがのMtレディも気の毒そうな表情をしながらも、
「個性の開花とともに性別まで反転してしまったのね……可哀想に」
気が遠くなるような気持ちでそのまま出久は警察ではなく病院へと連行された。
そして診断結果は、
「……ふむ。緑谷出久君の個性は『雌猫』だね」
「め、雌猫……」
その診断結果に出久はシュンッ……と猫耳が垂れ下がってしまっていた。
そして、今回は突発的な個性の発動という事で警察沙汰にはならずに釈放された。
出久は半ば放心状態のまま家までの帰り道を歩いていた。
だけど背後から聞こえてくる「おいっ!!」という怒声。
見ればそこには少し息が上がっている爆豪の姿があった。
「かっちゃん……待っててくれたの?」
「ふざけんなクソナードが! 俺は言いたい事があっただけだ!」
そう言ってデクの胸倉を掴みながら、
「運よく個性が発動したからってな! 調子に乗んなよ! てめぇは昔も今もクソナードに変わりはねぇんだ! それに誰がてめぇなんかに助けを求めたよ!?」
それから一方的に愚痴を零しまくる爆豪に、でも出久は別の思いを抱いていた。
「ありがとう、かっちゃん……」
「あぁん!!?」
「こんなに見た目が変わっちゃったのに今までと変わらず僕に接してくれて……」
「クソデクはクソデクだ! 男だろうが女だろうがてめぇはてめぇだろうが!!」
「うん……」
それだけで出久はどこか救われる気持ちになった。
「あぁ、ったく……調子が狂うぜ。いいか!? 個性が発動したからって所詮は訓練もろくにしてねぇ付け焼刃なんだから雄英なんざ受けるんじゃねーぞ!? それだけ言いたかったんだ。じゃあな」
最後まで爆豪は爆豪のままだった。そのまま帰っていく彼を見ながらも、だけど、出久はそれで思い至った。
「そうだ…………個性が出たって事は、僕はヒーローを目指せるって事?」
―――その通りだ緑谷少年!
それに反応が返ってきて振り向けばそこにはオールマイトの姿があった。
「オールマイト!?」
「うむ。それよりありがとう緑谷少年。いや、今は少女か? まぁいい。君の身の上と示した行動がなければ私は惨めなニセ筋になるところだったよ」
「それって……でも、僕は個性が発動するまではただの無個性だった……ヒーロー達の邪魔をしてしまって……」
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