第2章 反逆の少女たち
第12話 アイテム屋で大ダメージ
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とまぁ、前回はかなり他人のふりをしたかったユーリだったのだが、今は知らない間柄でもなく、同じギルド所属と言う事で、そうはいかなかった。
とりあえず、2人と合流し カスタムの酒場へと3人で移動をした。
この時……ガイゼルの血圧が異常に上がったのは言うまでも無いだろう。あの後も、ずっとチサを狙っていたからだ。
「同じギルドだし、同じ冒険者だ。この辺りを拠点にしていればまた会うだろうとは思ってたが、……ここまで早いとは思ってなかった」
「ふん! このオレ様が 男に再会するなど嬉しくもなんとも無いわ」
「ユーリさん、以前はお世話になりました」
「いやいや、オレの方も助かってたよ。お互い様だ」
ランスはふんぞり返っているのだが、シィルは すっと頭を下げていた。例によって、ランスは金欠だからこの場はユーリの奢りである。
……この時の金銭額の差は、かなり離れているようだ。
そして、これも恒例だと思われるが ユーリと話しているシィルを見てすかさずランスは拳骨。『ひんひん……』と泣いてしまっているシィルと、苦笑いをしているユーリだった。
そして、話はランスの金銭事情に。
「……あの依頼額の6割以上を、オレはお前さんに渡した筈だがな」
「あの程度のはした金など、即効で使い果たしたわ。金などは、一気にぱっ! っと 使うのも、男の甲斐性と言うものだ! がはは! 天下の回りものだ!」
「別に、自慢にならんって、それ……」
「すみません……。以前も奢っていただいたのに、また、奢っていただいて……」
「礼などいいぞ、シィル。コイツは下僕1号なのだからな!」
「だから、誰が下僕だ! ……まぁ、たかが酒場の食事だ。気にする事は無いよ。シィルちゃんもしっかりと食べてくれ。……今回の相手も一筋縄では行かなさそうだ」
「はい。いただきます」
「がははは! たんまりと喰って溜めておけシィル! 他人の金で食う飯は上手いんだぞ!?」
頭を下げつつ、シィルは箸を手に取り ランスは笑いながら、ガツガツっと食べていた。やっぱり、ランスはへんでろぱは、シィルが作るのが美味いみたいだ。
しきりに、箸を伸ばすが、酷評を続けていた。
「はは……、オレもシィルちゃんのへんでろぱ、食べてみたくなったな」
「あ、はい。私が作るのでよろしければ……」
「む! 何を言うか! 馬鹿者。シィルが作る物は全部オレ様のだ!」
「はいはい……。解ってるよ」
ユーリは軽くランスを見て、ニヤリと笑いながら酒を口へと運んでいた。ランスは、言わされたのだと、若干気づきすぐさま口を噤む。そして、意味も無くシィルの頭をぐりぐり〜っと拳ではさんでいた。
「ひんひん……痛いです。ランス様……」
「うるさい!」
「やれやれ……」
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