本編
第二話
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あまりの豹変ぶりに呆気に取られていたが、ふと自分が仕える家のご息女に槍を向けてしまったことに気が付いて顔を青くしていた。
「ああ、ちょっと待って」
執事長に連れられ屋敷に入っていくルイズだが、ふと門番の前で足を止めた。門番として槍を向けたその本人に目の前に立たれたことで処刑台に立たせれたかのような絶望感を覚えた彼だったが、ルイズの口から出た言葉は断罪の言葉では無かった。
「なんだか怯えているようだから言っておくけど、あなたは門番として当然の仕事をしたわ、それは誇りに思うことであって私があなたを処罰しようなんてことはないから安心なさい。 むしろその愚直な仕事ぶりは褒められるところ、お父様にボーナスでも出してもらえるように言っておいてあげるわ」
それだけ言うとルイズは屋敷の中へ入っていった。門番である彼にはボーナスという言葉の意味はよく分からなったが、ルイズの言い方からして悪いものではないことは分かった。
その後、ルイズの帰還に狂喜乱舞していたヴァリエール家当主から、一介の門番が貰うには破格にも程がある特別手当を貰った彼は、門番として誇りに思えといったルイズに尊敬の念を覚え、どこかで仕事だと割り切ってやっていたが、この件を契機にヴァリエール家、ひいてはルイズに生涯の忠誠を誓ったのだった。彼が鉄壁の門番と呼ばれるほどに活躍することになるのはまた別の話。
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