第二章
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「本当に住みにくい星だよ、けれどな」
「けれど?」
「けれどっていうと?」
「生態系は面白いな」
こちらは興味深いというのだ。
「かなりな」
「そうだな、確かに」
「そちらはね」
仲間達も彼のその意見には同意だった。
「面白いな」
「ジャングルはそもそも豊富な生態系だが」
「その中でもこの星はな」
「かなりのものね」
「そうだろ、その中でも特に」
ハジャカはさらに言った。
「昆虫が面白いだろ、その中でも蝶がな」
「ああ、蝶がな」
「種類も数も多くて」
「奇麗な蝶も多くて」
「凄いわよね」
「俺元々昆虫学者だからな」
ハジャカは仲間達にこのことも話した。
「その中でも特に」
「蝶か」
「蝶の研究をしてるからか」
「それでか」
「余計にっていうのね」
「興味が湧くな」
この星の生態系、昆虫のそれの中でもとりわけというのだ。
「本当に、だからよく調べたいな」
「そうか、そういえばな」
ここでだ、調査隊の中で一人だけ赤毛の男がハジャカに言って来た。
「この星の蝶で生態系がわかっていない蝶がいてな」
「どんな蝶だい?」
「まず色はライトブルーを基軸にして」
赤毛の男はハジャカにさらに話した。
「赤や黄色の配色のアゲハがいてな」
「その配色でか」
「ああ、アゲハがいてな」
「そのアゲハの生態系がか」
「わかっていないんだよ」
「名前もか」
「それもまだだよ」
決まっていないというのだ。
「生態系もよくわかっていなくてな」
「じゃあその蝶の生態系を調べて」
「それでだな」
「その蝶の名前を付けるか」
ハジャカはここで学者ならば当然として手に入れたいと願うその野心も口にした。
「俺がその蝶の名付け親になってな」
「歴史に名を残せよ」
「ああ、昆虫学のな」
その赤毛の同僚ににやりと笑って返した言葉だった。
「そうさせてもらうな」
「頑張れよ」
「じゃあまた明日だな」
ここまで話してだ、そしてだった。
ハジャカは一同にだ、こうも言った。
「それじゃあ今日はな」
「ああ、夜も遅いし」
「明日も朝から調査だしな」
「今日はこれ位にして」
「寝ましょうか」
「そうしようか」
こう話してだ、そうしてだった。
調査隊の面々はこの日はゆっくりと休んだ、そしてだった。
一行はこの日も星の調査をした、その中で。
ハジャカはそのライトブルーを基調として赤と黄色の配色をしているアゲハを探した、だがそのアゲハはというと。
中々見つからない、それでだった。
彼は同僚達にだ、難しい顔で言った。
「あの蝶はな」
「ああ、中々な」
「いざ探すとなると」
「どうもな」
「見つからないわね」
「世の中ってこうだよな」
ハジャ
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