浄化
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「サバタ……先程無線では“転移で脱出”すると仰っていたのに、まさかロケット型シャトルを奪ってくるとは、この私を以てしても想定外だったわ」
「色々妨害があったんでな、脱出の手段となるものを現地調達しただけだ。ところでラプラスは次元航行艦なのか、エレン?」
「そうね。それも管理局より数世代も先を行く技術で作られた、オーバーテクノロジーが満載の機体。きっとイモータルが世紀末世界と次元世界を自由に行き来するために建造されたものだと思うわ」
「という事はラプラスを使えば、俺達も世紀末世界に帰れるのか?」
「それはどうでしょうね……。ざっと調査してみたけど、いくつか機能にロックがかかっているみたい。人間が使ったら機能制限がかかるようにプログラムされているようね。ロキなら解除ぐらい出来ると思うけど、イモータルは私達の言う事を聞くような存在ではないから……」
「そう簡単には行かないってことか。まぁいいさ。別に世紀末世界に戻れなくとも、“ムーンライト”と同様に次元航行が可能なら使い道はいくらでもある」
それに一人乗りのバイクより、ラプラスを使った方が安心して大人数を運べるしな。シャマルに話をする際、はやて達も付いてくる可能性が高いから、このシャトルを使った方が都合がいい。
「とりあえずオーバーテクノロジーに群がる腹黒い連中が余計な真似をしてくる前に、ラプラスはあなたが所有する個人用次元航行艦として登録しておくわ。そうすれば管理局の人間だろうと迂闊に手出しはしてこなくなるはずだから」
「すまんな、手間をかけさせる。ところで潜入任務が終わったら、途端に口調が耳慣れたものに戻っているが?」
「仕事や作戦の間は丁寧に装うけど、今はサバタが近くにいて安心したせいか素が戻ってるの。要するに仕事スイッチが入ってない状態って事よ」
「なるほど……確かに気の入れ所と抜き所を把握しておかないと、エレンの今いる場所は中々大変そうだしな。組織に属した事が無い俺にはよくわからんが」
「私としてはそもそも、サバタがどこかの組織に入るような時は十中八九来ないと思うわね。あなたは誰かの命令で動くような人じゃないし、自分の意思で動いてなんぼの精神の持ち主だもの」
「フッ……おまえも中々言う様になったじゃないか」
そう言うとエレンは苦笑して俺の額を軽く小突いてきた。やはり昔馴染みで気心が知れた相手だからか、互いに遠慮なく話せる。同じ世紀末世界出身という事もあって、向こうの話もしやすい。はやて達と過ごしていた時はあまり気にしなかったが、実際に同郷の士と会えると自分でも意外な程の安らぎを感じた。
さて……施設を脱出した後、俺達はエレン達と無線で合流ポイントを指定し、ラプラスをそこに向かわせた。ミッドチルダ北部の森林地帯で、ここなら人
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