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それぞれの旅記
作者:因幡の公使

精霊は唄う。
道標を探す者に幸らんことを。
海神は唄う。
目的へ向かう者の成功を。
地霊は唄う。
限りなく続く大地を探求する者に
賛美の唄を。

西暦1xx1年12月4日
私が旅を始め早1年が過ぎる。
今まで色々な事があった。
橋の下に居る裸の少年少女…
生きる為に悪に手を染める者
全うに生きようとする者
皆何を思って生きているのだろうか?
とか言う私は宛も無く、旅を続けている
変わり者の三十路さ
仕方ない皆が皆自分で決めて生きる世だから
戦争が始まり全て一変した。
橋の下に裸の少年少女なんて居なかった
生きる為に人を殺める人も今ほど多くはなかった
私は旅を続けて居られるのは家柄が良く、
戦争の被害が少ないからだ
橋の下の人をあわれみ食を与え、
悪に染まろうとする人を引き留めとする…
だけど、ダメだった
食だけで生きて生けない。
自分の価値観と信念を貫き人を殺める
私が人に与えたのは迷いではないか?

1xx1年12月4日の記し。

短編全 1話
▼ジャンル / キーワード

価値観と疑念
▼最終掲載日時:
2013/12/10 09:24

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