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SAO─戦士達の物語の感想一覧
「SAO─戦士達の物語」の感想
迷い猫
2018年 05月 22日 03時 27分
コメント
どうも、迷い猫です。
悪ふざけばかりしている私ですが、今回は真面目に感想をば。
分断トラップでの組分けは特殊な会話をする上では必要不可欠でしたね。 前半部はまだしも後半部に関しては2人きりだからこそできた会話でしょうし、そういう意味ではこのダンジョンの構造はベストマッチなのでしょう。 いや、きっとダンジョンの構造が先にあって、そこから「分断されるなら……」と構想したんでしょうが。
パーティーみんなでワイワイガヤガヤも楽しいけど、こう言う『少人数の』加えて『限定した組み合わせ』でのみ発生する会話はなんでしょう、テイルズシリーズのスキットを思い出しました。 特殊条件下での会話って今まで積み上げてきた関係とか物語が露骨に出てくるから私的には大好物です。
では前半部の組み合わせの感想ですね。
リョウコウくんとシリカの組み合わせ。 ええ、実を言えば接点は結構あるし付き合いも長くて複数人では割と喋ってるのに個人で話してることは少ないな、と思っていた組み合わせです。 まあリョウコウくんの周りには人がいっぱいいるから多くのキャラがそのポジションですけど。 と言うか、この辺り、彼は意図的にやってるんじゃなかろうかと睨んでいますが、さてはて……。 いつでもいなくなれる準備をしている感じがある気もして非常に、こう、ね……ちょっと興奮します。
気を取直しまして……この2人、完全に近所に住むお兄さんと女の子の会話ですよねw からかわれてあしらわれて褒められてからかわれる。 安心感と安定感があって好きです。 後、今回もノルマの食べ物やってましたね。 読んでて不覚にも笑ってしまいました。
と、ここまでは言い方が悪いけど前哨戦の肩慣らし。 私にとっての本番は後半部に集約されてました。 ええ、話には聞いていたけど、この組み合わせは最高でした、はい。
そうですよね、この組み合わせ、なにが凄いかって珍しいどころか初なんですよね、黒猫団壊滅以来。 作中でも語ってるし鳩麦さんも言ってましたが、そりゃお互い意図的に2人きりは避けるでしょう。 思い出したくないとかじゃなくて『思い出させたくない』からっぽいのがなんとも堪らないです。
色々あって、なんて言葉にしたら簡単だけど、どちらにとっても色々じゃ済まない事件に巻き込まれたりした激動の3年間。 その中でサチは良くも悪くも人の気持ちに寄り添おうとすることができるようになったし、キリトは周りが見れるようになってきたかなーって。 この辺りが黒猫団時代との最大の差異に思います。 レベルとかスキルとかアバターとか年齢とか、そんな要素じゃない、人間としての変化が今回のサチの提案に繋がったのでしょう、きっと。 あの頃のままだったら絶対に提案できなかったし、縦しんば提案したとてキリトは断ったでしょうし、そう言う意味ではタイミングがちょうど良かったんだなと。
うーん、ここで色々書いたらネタバレになりかねないし、ここの話はネタバレなしで読んで欲しいから詳しく書けないジレンマ……
そんな感じで今日はこの辺で。
ではでは、迷い猫でしたー
作者からの返信
2018年 06月 07日 15時 45分
感想ありがとうございます!
お、真面目な感想とあらば、私も悪ふざけせずに真面目に返答しなければなりませんなw
このダンジョンのアイデアをなべさん先生からいただいた時、真っ先に「これは使える」と思った部分がこれでした。この時期のSAOの物語で弱点になりやすいのが、主要な日常シーンは殆どの場合、メインヒロインとの1on1か、仲間達との触れ合いが主で、なかなかサブヒロインクラスやサブキャラ同士での一対一のシーンが少ないんですよね(特にキャリバー、MR辺りは顕著に思います)けど物語を書いていると当然その辺りも書きたくなってくる。そう言う意味で、今回このダンジョンの仕組みはとても助かりました。テイルズシリーズのスキットに似てるなってのは、実の所私もプロット書いてるときにそう思ったのは内緒です。
さて、シリカとリョウの組み合わせですね。実はこの作品中では一応貴重なリョウのサブヒロイン扱いの彼女、え?全然それっぽくない?うんまぁ実際の所今のところ作中はメインヒロインであるとある少女の一強なので、そう言う意味では仕方がないのです。
だからこそと言いますか、傍から見ていても恋人になる気配はない、完全に憧れのお兄さんと可愛い妹分の会話にしました。本人たちの間でも、恋愛感情になる感覚はお互いに一切ないので……
さて、と言う訳で前哨戦終わり。
と言う訳で作中では初、ひょっとするとここまで時間をおいてからのしっかりとした話し合いはSAO二次の中でもそうそう例が無いんじゃないか、と、ちょっとだけ自惚れてみたいなと思ってしまうようなシーンです。思い出させたくはない、そう、お互いにとって思い出す事その物は自分の中でどうしようもない、と言うより「忘れてはいけない事」である事もあって、2人はそもそも顔を合わせていなくても勝手に自分の中で思い出していたんですよね。ただ自分の存在自体が相手にとってそれらを想起させるトリガーなのは分かっているので、不自然で無い範囲で距離を置いていたと、そう言う話になっています。
お互いに優しいタイプなので、態々相手に嫌な事思い出させたくないんですよね。
ただそう言う部分を若干無理矢理今回のダンジョンの仕組みを利用して飲み込ませて、その上で、少しばかり成長した二人の表現として使わせてもらいました。今にして読んでみても、黒猫団の事件の時の二人は少し子供過ぎる所がありましたし、同時に最近のMRやキャリバーのキリトを見ていると、「こいつ本当に気を遣えるようになってきたな」と感心する部分が沢山有ったので……何やかんや、そう言うシーンが一度もなくて、けれど彼にはその責任があるだろうと思ったのも理由の一端ですね。
ネタバレではないのですが、余計な事を言うと、私は今も、あの時のキリトの人間的な未熟さを恨めしく思いますし、彼はある意味でその未熟さその犠牲になって、それでも彼を今の彼へと一命を使ってつないでくれたサチを絶対に忘れてはならないし忘れないだろうと思っています。けど同時にその先に繋がれたキリトが大好きなので……何だかんだ、今回の話で一番背中を押してやりたかったキャラは、キリトだったのかもしれません。
ではっ!
2018年 05月 22日 03時 27分