「銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)」の感想


 
良い点
 かつてなかった「美しいトリューニヒト」が、最後まで真っ白なまま終わりを迎えるとは。どこかで私利私欲のため同盟を売り渡そうと動くのではと思っていたのだが、このキャラを発明しただけで面白さが保障できたといえるだろう。もうひとり、大転換を遂げたネグロポンティにも一票!
 
悪い点
 上記の点を差し引いても、ヤンがあまり活躍できなかった。せめて帝国軍侵攻後、原作のバーミリオン星域会戦とまではいかなくても、ヴァレンシュタインと知力を尽くして戦うシーンがほしかったと思う。もっとも無駄な犠牲を嫌うヴァレンシュタインが、バーミリオンを起こさせまいと知恵を絞った結果ではあるが……。
 
コメント
 作者はこのあと、どこまで書くつもりなのか。ヴァレンシュタインが新銀河帝国の創設者となるまではともかく、彼の死まで書けるのか。亡命編や海賊編のように一応のラストが設定できるのならともかく、ラインハルトのような最後を迎えるのでないのなら、そろそろ着地点を模索すべきではなかろうか。