「ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐」の感想

Cor Leonis
Cor Leonis
 
良い点
 相変わらずの文章力と構成力。原作並みに緻密な設定を、原作との矛盾なしに詰め込みつつ物語を展開させているあたり、さすがの一言です。
 
コメント
 お久しぶりです。最近は読もう読もうと思いつつも後回しになっていたのですが、先ほど一気読みしてきたので感想をば。第二章の最初から一気読みしたので時系列がめちゃくちゃになるかもしれませんが、ご容赦くださいませ。

 まず、悪い点、というほどではないのですが、少し気になったところを幾つか。

 《果海の離宮》に出現するモンスターのレベルですが、二層で14は少し高すぎる気がします。(私の知る限り)唯一明言されているモンスターのレベルは原作一巻冒頭のリザードマンロードですが、七十四層という高階層、しかも層の中でもかなり難易度は高いであろう迷宮区に出現した場合でレベルが82ですから、作中で言われている安全マージンや適性レベルのことも併せて考えると、最序盤の二層時点でのエネミーレベルは階層数と殆ど変わらないのではないでしょうか。

 そして、ピニオラさんが使用した《意識撹乱》。凄く面白かったのですが、デメリットが大きすぎるな、とも感じました。PK以外の使い道としては、撤退時のヘイト押し付けや、一斉攻撃、または逆に体勢の立て直しのための時間稼ぎがパッと思い浮かんだのですが、それで周囲のモンスターを山ほど引き寄せていたら本末転倒ですし。でも凄くマイナーなスキルらしいですし、そういうものなんでしょうか。

 もう一つ(こんなことばかりですみません)、ティルネルさんが記憶を思い出したシーン。「夢を見た」という台詞と、その前文が戦闘の終わりを匂わせる表現だったこと、またティルネルさんと燐ちゃんとの掛け合いが静かな雰囲気で行われていたので、てっきり戦闘はそこで終わっているものだと勘違いしてしまい、直後に再び戦闘が始まったときは少し混乱しました。……まあ、これは私の読解力が低すぎるせいだと思いますが……。


 ……なんだか重箱の隅をつつくようなことをネチネチと、申し訳ございません。凄く見当違いのことばかり言っているような気がしますが、それはこの作品が面白くて、考察のしがいがあるからだということで納得していただけると……。

 さて、ここからは普通の(?)感想です(笑)
 燐ちゃんがベータテスト時代に出会ったという大樹の妖精さん、ポッと出のモブキャラの割りにめちゃくちゃキャラが濃かったですね(笑)まあそんなのが現実にいれば嫌でしょうけど、デスゲームになったSAOなら、「誰でもいいから傍にいてほしい」という人も多いでしょうし、割と需要(?)はある気がします。今がチャンスだよ! 頑張って!
 ……あと、最後テイムモンスターになるって、それちょっとSM的要素が(殴)

 もう一つ思ったのは、ティルネルさんの今後……というか、大分気の早い話ですが、SAOクリア後ですね。NPCであるティルネルさんに、燐ちゃんとヒヨリさんはどのように説明するのか。そして、ティルネルさんはどのような選択をするのか。ALO以降に連れて行くのは、ユイ……はまあちょっと特殊だとしても、ピナの例もありますし、SAOのデータでキャラを作れば可能なんじゃないかとは思いますが、それはあれだけ慕っていたキズメルさんとの別れを意味するわけで。その時の葛藤を考えると、今からワクワクしますね!(ゲス顔)
 また、某ネットゲームで「素晴らしく運がないな君はwwwww」と現在進行形で煽られまくっている私としては、ヒヨリさんの運は羨ましい限り……などなど、まだまだ言いたいことは山ほどありますが、さすがに文字数がヤバいことになるのでこのあたりで。

 下のほうで出ていたコラボとかいう単語に反応しつつ、次話を楽しみにしています。執筆、頑張ってください! 
作者からの返信
作者からの返信
 
 Cor Leonisさん、感想ありがとうございます!


 ご指摘の箇所ですが、見直してみると背筋から変な汗が止まらなくなりそうでした。
 というのも、第二章はいつも以上に見切り発車感の強い章でして、途中からネタが切れて長期間更新が出来なくなったり、早く書き終わらせなくてはと焦ってしまったり、《行き詰まり》と《失踪》の苦しみが付き纏う思い出深い章だったのです。その為、設定が甘い所も予測していたのですが、自分の目では見抜くことも出来なかったという背景がございます。


 この度指摘して頂いた箇所ですが、整合性を保つために加筆修正させていただくことで対応させていただきました。


 隠しダンジョンの出現モンスターの平均レベルを減少させましたが、高レベルダンジョンということでそれでも高めな設定とさせていただきました。
 これは第一層の隠しダンジョンの情報が第二層のNPCから得られるという描写を第一章でしましたが、隠しダンジョン自体が更に上層で具体的な所在や名称の情報を得られるということから、《層の適正レベル以上で挑戦することが前提》となっております。当然、所在する層でも情報は無いわけではないのですが、そこはキャラ紹介における燐ちゃんの《嗅覚》で察して下さればと思います。


 次に、ピニオラの用いたPKの手口ですが、これは完全に違和感の塊でしたね。プログレッシブでは投擲物に敵を引き付ける為のModであると判断できる描写があるのですが、彼女がやったのは《ターゲットの周囲にモンスターを引き寄せる》というModの特性を利用した応用ですね。
 しかし蓋を開けてみれば、石を投剣スキルで投げれば《無音動作》が解除されるし、ヘナチョコスローの射程距離を考えればターゲットと心中するし、とんでもない自爆技だったんですね。我ながら矛盾を見ていて怖くなってしまいました。
 これについては、大きな古樹の茂る霧の深い森という地形を活かして、枝の上などの高所にいてもらうことにしました。霧で視界が塞がれば枝の上は死角になるし、そもそもプログレッシブではモンスターの大半が地表にいるみたいですし、仮に飛べるモンスターがいてもアルゴの索敵スキルを擦り抜ける隠蔽スキルの持ち主ですし、これで《モンスターに襲われず近距離でMPKを可能とする》構図が完成したと思われます。これはかなり改良できたような気がします。


 そして最後にティルネルの「夢を見た」シーンですが、過去形でしたねあれ。宜しくないのでバッサリ訂正しました。現在進行形と期待でカバーです。


 ………そしてまさかの行き遅れ妖精。第二層のメインキャラになりかけた暴走お姉さんですが、いつか番外編でも書ければ登場させたいと思っていたキャラクターでした。しかも武器は鞭ですからね。テイムの関係が逆転するとかありえそうです。SM的な意味で(キリッ


 ティルネルの今後に至っては………うん、バッドエンドだけは避けます。儚くなっても鬱にはさせないように頑張ろうと思います………(震え声)



 というわけで、数か月続いたモヤモヤが解消されました。本当にありがとうございます。
 それにしてもCor Leonisさんがコラボに反応して下さるのは嬉しい限りです。いつかご一緒出来れば嬉しいのですが、その為にも自分は更新を続けなければいけませんね。未だにストーリーは第四層ですし。


 これからも『黒の幻影』をよろしくお願いします。


 ではまたノシ