「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(新版)」の感想

tukiyomi
tukiyomi
 
コメント
更新お疲れ様です。

確かにエリヤにとってはショックですよねえ。
親しいと思っていた知人が、実は自分への憎悪をたぎらせていたなんて、そりゃショックを受けない方がおかしいですし。
ただ「必要な犠牲」と正当化しない分、まともな指揮官であることは間違いないですが。

ヤンはまあ御愁傷様としか。
エル・ファシルでの避難民警備については誰からも文句は言えないものでしたが、今回はコクランの述懐通り、対外戦争のような足し算引き算の世界とは違うわけですから。ただまあ、駐留軍の優位を認めるのはともかく、「その直後に椅子の背もたれを倒し、ベレー帽を顔に乗せて昼寝を始めた」話が本当なら、エル・ファシル軍の中には激怒する者もいるんだろうなあ。「めんどくさい事、興味のない事はやりたくない」と捉われても仕方がない訳で。

原作のヤンは、戦術能力も凄いのですが、それ以上に旗下部隊の戦意を維持する能力こそ魔術的(ロイエンタールが激賞するレベル)な印象があるのですが、よくよく考えていれば、前作でも「トリューニヒトが送った人材で、合わないと見るや叩き出している」こと考えると、そこら辺の見極めが異様に早いと言えるかもしれないです。

そして義眼とフェルナーコンビ登場。
こりゃまた随分と派手なことやらかしちゃったようで。
義眼って、とにかく性急にかたを付けようとする。人の感情を理解できないわけでもなさそうなのに、あえて無視する傾向があるんですが、超一流の謀略家として必要な「待つこと」が苦手だったんじゃあと。
それだけゴールデンバウム王朝と同盟に対する憎悪が強かったと言えばそれまでですが。 
作者からの返信
作者からの返信
 
感想ありがとうございます。

ヤンの強さは割り切りの良さ。白黒付けやすい問題ではこの上なく強いのですが、灰色の問題になるとそうもいかなくなります。本人もたぶん自分の限界は知ってたと思います。

案外ヤンとオーベルシュタインは、案外似た思考方式かもしれません。