「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想

tukiyomi
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コメント
更新お疲れ様です。ご本復お祝い申し上げます。

流石はメルカッツ提督。原作でもロイエンタールが「自分に勝てる事の出来る数少ない指揮官」と評しただけのことはあります。
これの何が凄いかって、駐留艦隊と増援艦隊は相互運用できるだけの訓練はされていないし、駐留艦隊はヤンがいること前提の運用、増援艦隊は練度不足という部隊単位でも問題を抱えている状況。(キャゼルヌが「ヤンがいること前提の防衛体制」ということ前面に押し出していましたが、これ自ら「防衛計画に弱点あります」と公言しているのに等しいです)
こうした悪条件で、且つどちらの艦隊もまともに指揮したことないのに、あれほど見事に勝っている訳ですから、これ称賛されない方がおかしいです。
必然的にメルカッツ登用を全面的に支援したエリヤの株もあがることになるでしょうねえ。指揮官として最善の決定をした訳ですから。

それにしてもヤン一派、特にキャゼルヌの政治音痴ぶりは見ていて「本当にシトレ派の重鎮だったの?」と言いたくなるくらい酷いですね。
現状のイゼルローンが寄り合い所帯であり、一歩間違えると意思疎通ができずに内部崩壊しかねない状況であるにもかかわらず、そのことが本当に理解できているのか。
今回のメルカッツ登用の一件も、トリューニヒト派も中間派も納得できるだけの材料をエリヤが提示しているにもかかわらず、不快感を隠そうともしない。
どれだけ正しくても、多数が納得できる論理でないと受け入れられないというのは、グリーンヒルのクーデターで学んでいるにも関わらずです。
これ、第三者が見れば「ヤン一派は、メルカッツ提督登用に不満があるのか」と見られてもおかしくない状況なのですが、そういった危険性は無視している。

何というか優先順位間違えているんじゃないのかこいつらはという気分ですな。
ヤン一派という以上、ヤンも彼らと同じようなアイデンティティである可能性が高い訳ですけど、エリヤの論理に不満があるんだったら、せめてエリヤがフォローするよりも前に、メルカッツ登用を全体に納得できる題材用意しておけって感じですわな。

まあ「かなり気を使っていた」とありますので「ヤンが登用したので文句は言わないがどう扱っていいのかわからなかった」なんでしょうねえ。
部外者のエリヤの方が、何のわだかまりもなく使っているという時点で、それが何を意味しているのか理解しろよとも思う訳ですけど。