「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想

紅蝉
紅蝉
 
コメント
アーレ・ハイネセン主義者のヤンとアーレ・ハイネセン否定主義者のトリューニヒトは水と油、決して混じり合う事も互いに理解しあうのも不可能。
そして本来仲立ちの役目を担うはずのエリヤもアーレ・ハイネセン懐疑主義者、そのエリヤが仲立ちを志願してもヤンの方で胡散臭く思い上手くいかないでしょう。
しかもヤンは本能的にそれを嗅ぎ取る嗅覚を持っているから始末が負えない。もしかしたらヤンは知っているんじゃないのかね。エリヤが前に一度アーレ・ハイネセンを否定した発言をした事があるのを。
だからヤンはクーデターの時にエリヤの味方を出来なかった。
それに今のヤンには進歩党との間にきちんとしたパイプがあるようだ。シトレの置き土産なのか、今回必要に迫られて急いでジョアン・レベロやホアン・ルイとの繋ぎを作ったのかははっきりとはしないけど。
どうやらまだ一波乱二波乱がありそうだ。


キルヒアイスが生きていたらどうなったの話しだが、確か御大が言うには、最終的にヤンとキルヒアイスが手を組んでラインハルトと戦う事態になるから、さっさとキルヒアイスを退場させたと言っていたような・・・・
(まあラインハルトに勝ち目が無くなるだろうなぁ、だからキルヒアイスをさっさと退場させたんだろうなあきっと)
帝国宰相リヒテンラーデ公爵がキルヒアイスを元帥に昇進させたのは間違っておらず、キルヒアイスが挙げた武勲から言っても妥当だと言える。だからこそ厄介な事態に為った。元帥昇進に相応しい武勲を挙げた者を元帥に昇進させなければ、逆に帝国の鼎が問われてしまうから。
ラインハルトにはかなりしっかりとした政策ブレーンがいる要だから、その政策ブレーンが何らかの解決策を見いだすのではなかろうか。
妥協策としてキルヒアイスに軍を退役させ、政策ブレーンのチームに加わうか国務省次官に就任して貰いラインハルトの内政改革に尽力して貰う。
こういった妥協策もあるさ。


もうそろそろ帝国からメルカッツ提督を始めとする門閥貴族連合軍の残党が同盟に亡命して来る頃のはず。
順調に行けばエリヤがイゼルローン要塞に赴いて亡命者の一団をハイネセンに連れて行く事になりそうですが、その席でヤンとヤンファミリーとの間に一悶着が起きるのは確実ですかねえ。
三度の飯よりも物騒な火遊びが好きの面子が揃っていますからねイゼルローン要塞には。 
作者からの返信
作者からの返信
 
ヤンとトリューニヒトの争いは、自由主義と全体主義の争い。民主政治と専制政治の争いよりずっと尖鋭的な争いです。エリヤが対クーデター戦で用いた手法もヤンには面白く無いでしょう。

キルヒアイスの命を縮めたのは、ラインハルトのような気がします。他の提督と同列にしておけば、あそこまでこじれずに済んだような気も。