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銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)
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銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)の感想一覧
「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想
tukiyomi
2014年 09月 04日 00時 18分
コメント
更新お疲れ様です。
英雄視されることに困惑するエリヤですけど、第三者の視点から彼の経歴見てみると「民主主義体制下における理想的な軍人」そのものなんですよねえ。
二等兵の時に自らの意思で市民と命運を共にする為にエル・ファシルに残り、敢えて狭き門である士官への道を目指して見事合格。
エル・ファシルでは義勇兵を率いて激戦を生き残り、ドーソンの元で軍官僚としての才能を花開かせ、ヴァンフリートでは自らの負傷と引き換えにセレブレッセ中将を生き残らせ、第三次ティアマト会戦では、あわや第11艦隊崩壊寸前の所を、ドーソン中将を補佐してそれを推し止める。
エル・ファシルでの騒乱では壊滅した部隊を纏めて海賊の跳梁を抑え込み、アムリッツアでは負傷しながらも全軍の殿を務めあげる。
そしてクーデター事件では、首都の部隊をまとめ上げて最小の損害で6日で事件解決。
どんだけチートな軍人ですかこの人は・・・
市民からすれば、エル・ファシルで関わったすべての事件と今回のクーデター騒ぎから「フィリップス提督は市民のために体を張る提督だ」という印象が強いでしょうし、更に部隊内部の綱紀粛正を図ると共に、待遇改善や部下への叙勲などへも熱心に行っていることから、兵卒からの人気も相当高いでしょうし。
仮にヤンがエリヤを嫌うとするならば、それはエリヤがトリューニヒト派のプリンスであるというよりは、「人々が「こうあるべき」と期待する存在となることに、嫌悪感を抱かずに努力して答えようとする姿勢」にあるのかもしれませんねえ。
トリューニヒトと同様「得体のしれない顔のない化物的な何か」として。
しかし、トリューニヒト派は本当にエリヤの活躍なかったらどうなっていたことやら。「英雄エリヤ」という存在が、トリューニヒト派の失点を最小限に抑え込み、逆に英雄を作り出せなかった旧シトレ派は、現時点において、イゼルローン方面以外での存在感を一気に下落させることになりましたし。
後、アラルコン少将たちは、本当に貧乏籤を引いたとしか。
あれだけの活躍をしたというのに、これだけの冷遇を受けたという事は、アラルコンたちの功績を役立てることができる手腕を持つ政治家がほとんどいなかった(いても極少数だった)と言える訳で。
まあ直接的には、反戦派やマスコミに反感が向くでしょうけど、それでも積極的に擁護する姿勢を見せ無かったトリューニヒト達への蟠りはあるでしょうねえ。
しかし彼が中将になった訳ですが、彼の次の役職って本当に難しいですね。
一番いいのはドーソンの補佐役なのですが、ドーソン自身が「本部長代理」ですので、下手に中将待遇の役職に就けてドーソンを補佐させると、ドーソンを本部長の後釜にすることが明白になる欠点があります。
今回の一件でも失態を犯したドーソンを本部長にするには感情的な反発でますからねえ。掃討戦で失点を返しはしましたが。
と・・・なると、読者の感情的には第11艦隊司令官でしょうが、事務処理能力と政権への忠誠心、それに市民からの圧倒的な信頼感を考えると、国防委員会に出向や、軍再編の為の部署につくのが適当でしょうか。本当に英雄を遇するのって大変なんですよねえ。
作者からの返信
2014年 09月 06日 02時 01分
エリヤという人物は「良い軍人」であって、「良い戦士」ではありません。軍人は組織の中で生きますが、戦士は戦場で生きます。これはわりと重要なテーマです。
ヤンとエリヤの違いは、前者はどこにいても同じですが、後者は居場所によってコロコロ変わります。
戦後処理でトリューニヒト派が巻き返しましたね。国家救済戦線派は現職の高官がいないのが響いたのでしょう。
エリヤの待遇は難しいですよね。功績が巨大すぎて、なかなか居場所が見つかりません。
2014年 09月 04日 00時 18分