「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想

ななん
ななん
 
コメント
トリューニヒト氏も文民統制を間違えているような気がします。

ナポレオン戦争時のクライゼヴィッツ曰く「戦争は、政治によらない政治の形態」であり、国家総力戦が生まれた第一次大戦以降は国民生活や後方の生産の国家戦略を含めての戦争なので、単なる一行政機関である軍(実戦担当)だけが戦争指導なんて有害です。戦争目的の策定や戦争の終結は政治の領分ですので、戦争指導は政治家の仕事となります。
これは孫子の兵法にも似たことが描かれているので、太古の昔から軍事は政治の下に置かれているのは自明の理です。

また、政治的野心が少ない軍人が戦争指導を行う制度にしたら、その後継者の政治的野心の有無の保障は何処にあるのでしょ?政治的野心を剥き出しにした瞬間、それを止める者は居ません。銀英伝の世界では、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムと言う前例がある以上、軍人に国家指導は同盟では禁忌中の禁忌でしょう。