「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想


 
コメント
 こっちのドーソン氏は、一言で言えば、「部下には欲しいけど、上司には持ちたくないタイプ」だったわけですね。

 物事を他人任せにしない。小さなこともおろそかにしない。いい加減なことは絶対にしない。
 これで言う事・やる事が的外れだったら、単なる『無能な働き者』だけど、ドーソンの場合、言う事もやる事も的確。
 組織には一人は居てくれないと困るタイプで、こういう人物が居ると、組織機能は大幅に強化される。

 ガタガタになった組織の立て直し役としては最適で、だからこそ第一艦隊再建のため、司令部に送り込まれたんでしょうねえ。

 しかしこういう人物は、周囲からは高く評価される反面、大いに煙たがられる。
 部下に持つと自分の負担が減る代わり、上司に持つとしなくても良い仕事を次から次へとする羽目になるから、上記のような結果となるわけです。

 一方のエリヤ君、ドーソン参謀長から高く評価されていたことは、疑いありませんね。
 副官としても、ドーソンに似た役目を期待されているのでしょう。

 将官の副官なんて、「上司のために細かい気配りをすること」が、仕事みたいなもの。
 彼を憲兵司令の副官として欲しがった人物は、「あのドーソンが高く評価する人材なら、そういう方面に優秀だろう」と考えたのでしょうね。
 
作者からの返信
作者からの返信
 
ドーソンみたいなタイプが厄介なのは有能だからでしょう。なまじ発言力を持ってしまって、みんなが苦労させられてしまいます。