「転生とらぶる」の感想

一十
一十
 
コメント
誠にながら、勝手な解釈を書かせて貰いますが・・

「完全なる世界」の魔法による人の救済の計画は、最終的には失敗すると思うんですよ。

「完全なる世界」の魔法は、その人にとって最良の世界へ導くという一見、理想的な環境が整った
世界といえますが、その中に入る人という者は、ベーオウルフに純粋な生命体にはなり得ないと
酷評される程「不完全な生命体」であり、故に進化することを求め、先へと進もうとする人類は深い欲を
持ち続け、自らの業を背負うとする存在な訳で、そのため人類という存在は自らの進化しようとする意志や
行動が、全て満たされた「完全なる世界」の枠の中でも納まる所を知らず、与えられた世界に満足して
自己完結だけに至らずにその結果、置いた世界と置かれた自分自身の間に矛盾と齟齬が生じるようになり、
その双方が瓦解するかも知れません。

そういった関連では、もう既にOG世界での地球の文明と人類の行動を監察して危険と判断し、人類を
管理、又は抑止しようとしたインスペクターやゲストそして、同じく危険と判断し、人類を排除して
自らが新たな生命体として成り代わろうとした、地球と人類の「監視者」の役割を持つアインストが
証明しています。

まあ、上手く人類を管理、抑止したとしても、人の精神、つまり心の進化は周りの環境に比例せず、
尚且つ人類の精神は未熟過ぎている訳であり、その進化の過程で何千、何万という種を僅かな期間で絶滅に
追いやり、己の欲望のままに力を使い、知識を貪り、争いを繰り返し、淘汰と成長を繰り返し、そうやって
版図を広げ、そして加速度を増して最終的には人類自らの手で自らの世界と宇宙を壊すに至る所まで
来るので、本当にどうにかすべきなのは、人に構成される世界では無く、世界を構成する人そのものに
あるんですね。
火星で起こる戦争もある意味必然といえるかも知れません。

それでアインストの場合、人間が無意味な争いを際限なく続ける様を目の当たりにしたことで、アインストは
人類を生命体として不適切な存在であると判断、地球と全生物をアインスト空間で取り込み、
ものを考えず、対にならず、互いに争わぬ植物型の生命体になることで「静寂なる世界」に
しようとしていました。

かつて「永遠の闘争が日常の世界」を掲げたシャドウミラーで戦ってきたアクセルが「完全なる世界」を
見たら、与えられたぬるま湯の世界で先へ進むことを止め、怠惰を促すだけの進化を妨げる檻のような
世界だと感じるでしょうね。 
作者からの返信
作者からの返信
 
実は、ネギまで完全なる世界というのを知った時にふと思いついたのが富士見ファンタジア文庫から発売していた「ザンヤルマの剣士」という小説でした。
簡単に説明すると、大昔に栄えた古代文明が自分一人が満足する世界(空間)に引き籠もってそれが原因でその古代文明が滅びたというバックボーンのある話なのですが、その辺良く似てるなーと。