「銀河英雄伝説~悪夢編」の感想

雑兵I-13
雑兵I-13
 
良い点
グリンメルスハウゼンの渋さが良く出ていた。
生き残るには老人二人の手拍子に合わせ踊り続けるしかない事を自覚したエーリッヒの不快さも良く出ていました。

 
悪い点
姉薔薇は、もう少し夫婦の会話を増やすべき
 
コメント
辺境開発が焦土戦術の恩賞になった。
辺境は自分達を守らず真っ先に逃げ、生殺与奪を同盟に握らせた事に対する中央への反発は有るでしょう。従うのは不愉快だが、逆らって開発を白紙にされるよりはマシと辺境はエーリッヒ陣営に付くとは思います。辺境開発を超える旨みを貴族陣営が用意すれば状況は引っ繰り返るでしょうが、原作を考えるとそんな事をやる頭は貴族にはない。辺境が貴族側に付く可能性は辺境開発が履行される限りは皆無。同盟は折角の機会を敗戦責任の押し付け合いで棒に振りそうです。
しかし、リップシュタットでエーリッヒがどこまで捨てるのか辺境で話題になりそうです。実はエーリッヒは辺境を貴族からも同盟からも寸土たりとも侵させる事は出来ない背水の陣です。
リップシュタットは山名、細川を無能にして将軍家を強化した応仁の乱に近い。
ここで中央にいるのは、帝国騎士の軍の信頼が厚く、不満を隠せない寵妃の弟ではなく、老人介護で階級を稼ぎ、爵位の辞退、下賜した寵妃の荘園、爵位を返還させた反抗的な面があるが身の程を弁えている平民の男。リッテンハイム、ブラウンシェバイクの帝位が見えている連中はともかく、天下を取れば滅ぼすと解り切っているラインハルトとは違うのと、ラインハルト程の敵愾心をエーリッヒは恐らく貴族から買っていない。それがどのような悪夢になって響くのか。

ラインハルトは義兄と姉が上手くいっていないのは、身分制度に出世が阻まれている所為だと勘違いしていそう。
自分では業腹なグリンメスハウンゼンのお守を続けながら手柄を立てて来た義兄をラインハルトはそれなりに認めているでしょう。皇帝の所為(寵妃の争い)で障害を負い、その事で恨み言を言う事も許されないと帝国への反発を勝手に強くしている感じがします。