改正版 後悔先に立たず、後に立つべし
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35話
通信を聞き、ウプウアウトの元に急ぎました。
テレポートすれば早いのですが、マサキも連れてテレポートするのはコクチョウ内では難しく、私だけテレポートすれば、確実にマサキが迷ってしまうのでするわけにはいけません。
しかし、私達という存在が居る事から変化が出てくることはわかっていましたが、ヴァルシオンに他の部隊が付いているのは悪夢としか思えません。
ヴァルシオン自体が防御フィールドである歪曲場フィールドを持ち防御力も高く、攻撃もクロスマッシャーにメガ・グラビトンウェーブという射程兵器を持ち、接近戦ではディバインアームを持つ究極ロボという異名に負けない強力な機動兵器です。
それに、他の部隊が居るのはどう考えてもハードモードを超えています。
確かに、こちらも戦力は増強されていますが、そのパイロットは実戦経験が少なく、機体性能の差で補うことが出来るか不安があります。
ただ救いがあるとすれば、ビアン・ゾルダークが異星人からの侵攻を防ぐために中核となる者達を鍛えていると思われる事が、今までの情報から読み取れるのでいきなりヴァルシオンが突っ込んでくることが無いと思われる事です。
そんな事を考えながら走っていると格納庫に着きます。
すでに、他のメンバーはそれぞれの機体に乗り込む寸前でした。
そして、マサキもサイバスターに向かい走り出していました。
私はウプウアウトに乗り込み、すでに乗り込んでいたアーニャに声を掛けます。
「状況はどうなっていますか。」
「進行上にある島の付近に高エネルギー反応のある機体を中心にして部隊が展開されている。」
「そうですか、今さら進路を変えるわけにも行きませんからね。下手に迂回して挟撃されるのは避けたいですから。戦闘の回避は不可能ですか。」
「ハガネからも罠が無いかを警戒して、突破するって言ってた。」
「わかりました。ウプウアウト発進します。」
通信を開いて、ウプウアウトを発進させることをブリッジに伝えます。
『戒君、くれぐれも気を付けてね。敵の規模が多いだけでなく、謎の機動兵器もいるから。』
「わかってます。アーニャ行きますよ。」
「うん。」
ウプウアウトを発進させて、コクチョウに並走させます。
他の機体も続々発信していき、サイバスターが近づいて来ます。
「なにかようですか、マサキ。」
『用ってほどでもねぇよ。さっきした話だが自分で確かめる事にした。オレはシュウを認めていたんだ心のどこかで、それがあんな事になって裏切られたという気持ちが強い反発になっていたんだと思う。
お前の予測を聞いて、あいつの歪さに気が付いていた。いや、もともと、歪だと思っていたんだ。その思いにふたをしていた。だから、確かめる。オレはそうしないと進めない。』
「それでいいのではないですか。真実とは人に言われて納得するよりも自分で探し出したモノの方が納得できるものだと思いますよ。ただ、どうします。私が言った事が事実だとすれば。」
『その場合はオレが命を掛けてでも止める。オレが認めているシュウはヴォル何とか何かに操られるのをよしとするわけがねぇ。例え、シュウの命を奪う事になってもな。これは、魔装機神操者としての選択じゃねぇ。マサキ・アンドーとしての選択だ。サイバスターに乗れなくなったとしても、必ず自分の意思で果たす。これが、オレの決意だ。』
「あなたの決意はサイバスターも、いいえ、その機体に宿っているサイフィスも認めてくれますよ。あとヴォルクルスですよ。」
『よし、そうと決まればとっととこんな場所突破してやるぜ!』
(そう簡単にはいけないでしょうが、相手はヴァルシオンですから。)
そんな事を考えていると戦場となる島に到着しました。
前方にはヴァルシオンだと思われる赤い特機を中心として、トロイエ隊だと思われる青いリオンの部隊、黒いガーリオンを中心とした部隊がいます。
その他にも、レーダーにより水中にキラーホエールを中心としたシーリオンの部隊が居ます。
間違いなく、厳しい戦いになるでしょう。
そして、赤い特機から通信が入ります。
『我が名はビアン・ゾルダーク!この機体はヴァルシオンだ!』
「敵の大将のお出ましですか。(やはり、ヴァルシオンですか。)」
「戒、あいつがDCのトップなの。」
「ええ、そうですよ。」
「そうなら、あいつ倒したらこの戦争は終わりなの。」
「そうなんですが、そう簡単にはいかないでしょう。」
「どうして。」
「彼はEOTI機関のトップでした。そのうえ、彼は自他とも認める天才です。その彼が作った機体が普通のモノと一緒のはずがありません。手強い相手でしょう。」
アーニャとそんな話をしているとダイテツ艦長との会話が終了し、戦闘が始まります。
『青いリオンには気を付けろ!あれは、コロニー統合のエース部隊トロイエ隊だ!』
「ライ、具体的にはどれくらいの腕前なのですか?」
『そうだな。全員がこの部隊で言えば、ラトゥーニランクの腕前だと思ってくれていい。』
「そうですか。(昨日、合流した私達にはわかりにくい例えですね。しかし、訂正している暇はありません。部隊が動き始めました。)」
私の目にはエルザムが乗っているであろう黒いガーリオンを捉えています。
「ヴァルシオンは動いていません。私は昨日と同じように黒いガーリオンを抑えます。」
『昨日の戦闘のデータを見せて貰った。技量では圧倒的に相手が上だが、機体の性能では十分に抑えることが出来るだろう。任せたぞ。』
「ありがとうございます、オノデラ大尉。行きますよ、アーニャ!」
そう言って、黒いガーリオンに突撃します。
黒いガーリオンはライの乗るヒュッケバイン009に向かっており、他の機体が私の突撃を防ごうと立ちはだかります。
「アーニャ!」
「わかってる、戒!」
アーニャは今までチャージしていたターミナスキャノンを拡散モードにして、進行上にいるリオンの部隊に放ちます。
その一撃はリオンを1体のみ撃ち落とす事しかできませんでしたが、相手の陣形を崩すことが出来ました。
そのまま、更にウプウアウトを加速させます。
「Z・Oソード生成!」
そのままの速度でZ・Oソードを生成し、陣形が崩れたリオンの部隊に切り掛かります。
偵察を使用して、進路上のリオン5体をZ・Oソードで切り裂いていき、ヴァリスを構えて黒いガーリオンを狙い直感を使い、ヴァリスを放ちます。
直感自体を使用する事は初めてなので効力は解っていないのですが、必中の効果があるので当たるはずです。
そう思っていたのですが、あろうことか黒いガーリオンは振り返り、ディバイン・アームで弾道を反らしてしまいました。
昨日も感じましたが、操縦が神がかっていますね。
「昨日の借りは返させて貰います!」
「リベンジ!」
『君の相手をするのも良いのだが、今日は弟に用があるのだが。』
「そう言わずに付き合ってください。」
「勝ち逃げは許さない。」
ディバイン・アームとZ・Oソードが切り結び火花が散ります。
必中の効果が続いている為か、昨日とは違いまともに切り結べていますが、それだけに必中の効果が切れた時が心配です。
『弟と話し合いたいのだが、ただでは通してくれない様だ。』
「だから言ったでしょう。昨日の借りを返さない限り放しませんよ。」
『それは、困った。私も弟に用がある様にあの方も君に用がるのだが、お互いこのままでは用を果たせない。』
「あの方って!」
「戒、危ない!」
誰ですかと聞こうとした瞬間、アーニャの声と共に念動力で嫌な予感を感じ、体が勝手に動いて黒いガーリオンから離れます。
その瞬間に、赤い大きな機体が通り過ぎます。
「ヴァルシオン!いきなりですか!」
「危なかった!」
『ほう、今のを躱すか。』
そんな声を聴いた瞬間、ヴァリスを構えて放ちます。
ですが、その弾丸はヴァルシオンに当たる瞬間に目に見えない何かによって防がれます。
「バリア!」
「しかも、かなり強力なモノの様です。」
『戒君、あのバリアは空間そのものを歪める効果があるようなの。生半可な攻撃では拡散させられてしまうわ。』
「つまり、拡散できないほどの威力がある武器で攻撃するしかないわけですか。」
『もしくは、バリアそのものを突破する事が出来る性質のものを使用するしかないわ。』
その性質があるのはグラビティ・レールガンか、T-LINK・Z・Oソードぐらいです。
威力的にはZ・Oソードか、集束タイプのターミナスキャノンくらいでしょうか。
そんな事を考えているとヴァルシオンから青と赤の螺旋状のビームが放たれます。
そのビームを躱すとその位置を予測したヴァルシオンがディバイン・アームを構えて突撃してきます。
私はそれに対して、ブラックホール・エンジンとT・Eエンジンの出力を最大にし、スラスターを全開にして突撃します。
何とかヴァルシオンのディバイン・アームをZ・Oソードを交叉して受け止めます。
『フッ、エルザム。ここは任せて、お前は用事を果たすがいい。』
『わかりました、総師。生きていたらまた会おう。』
そう言って、エルザムの乗る黒いガーリオンは離れていきますが、私には追撃する余裕はなくなります。
鍔迫り合いをしたままどうしたものかを考えているとビアンから接触通信が繋がれます。
『平行世界から来た強欲な癒し手よ。』
次の瞬間、心臓をわしずかみにされたような感覚を覚えます。
いったい誰がと思った瞬間にビアンが答えてくれました。
『ガジェットを調べさせてもらうと特殊コードがあってな。君の事や色々なデータが入っていた。その様子では知らなかったようだな。』
「ジェイルは何をやっているんですか!」
『フハハハハハハハハハハハハ!なかなかの愉快犯の様だな。シラカワと一緒に楽しませて貰たぞ。特に君に関するデータなどな。』
「私はシュウ・シラカワにまで目を付けられたのですか?」
『もちろんだ。そして、私にもな。それと安心してくれていいぞ。解析できた私とシラカワ以外は知らんからな。どうだ、こちらにつかないか?』
「あなたが本当に勝つ気があったのならよかったのですが、その気はないようなのでやめておきます。それにすでに色々とこちらにつながりが出来てしまいましたから。」
『フッ、仕方がない。諦めよう。ただし、DCの遺産を受け継いでもらうとしよう。正と負両方ともな!』
そう言うと相手が出力を上げたのか、こちらが押され始めます。
それを何とか反らして、受け流し左手で持ったロッシュセイバーを振るいますが、歪曲場フィールドに防がれます。
「それはいったいなんですか。」
『今は言えん!』
そうして、ヴァルシオンが右手を構えてクロスマッシャーを私に放ってきます。
それを何とか回避して距離をとり、そこでにらみ合いに移行しましたが、劣勢である事には変わりありません。
偵察を使用して周りの状況を確認しますが、ラトゥーニの乗るビルトラプターは空中戦に成れていないリュウセイの援護に回っています。
トロイエ隊の猛攻にコクチョウはビルトラプター・アスカとユキヤの乗る量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを援護の為に前に出ています。
サイバスターもコクチョウの援護に回っており、グルンガストとグルンガストGは水中戦をしています。
また、ヒュッケバイン009も黒いガーリオンと激しい戦闘をしており、他の地上部隊もハガネの援護に忙しくこちらに向ける余裕はないようです。
確認したところどうやらこちらの援護は期待できないようです。
「アーニャ、私達だけでヴァルシオンと戦い続けなければいけないようです!」
「うん、周りにそんな余裕はない!」
『どうした、この程度なのか。そんな事では守り続ける事など夢のまた夢だ!』
そう言って、ヴァルシオンが突撃してきます。
ヴァルシオンを横によけて躱して、スラッシュハーケンを放ちます。
スラッシュハーケンはやはり、歪曲場フィールドに防がれ、硬直した瞬間にヴァルシオンがディバイン・アームを振り下ろしてきます。
それを何とか、Z・Oソードをクロスして受け止めたのですが、じりじりと下に押されます。
「特機でその機動性は反則でしょう!」
『当然だ!このヴァルシオンに死角などない!』
急激に何か念動力による嫌な予感がしてきます。
「戒、ヴァルシオンに急激なエネルギー上昇が!」
その言葉の後に、ヴァルシオンに引き寄せられる感覚がします。
この感覚はメガ・グラビトンウェーブしか考えられません。
(早く離れないと。)
今まで出力を最大にして耐えていたのを最小にして、スラスターも止めてヴァルシオンより下に吹き飛ばされます。
そして、ヴァルシオンより背を向けたところでスラスターを全て全開にして海に逃れます。
「全フィールド全開、Z・Oオーラ全開!」
次の瞬間、激しい衝撃に襲われます。
海の中で体勢を整えることが出来ずに激しい衝撃にさらされます。
しばらくして、衝撃が収まりましたが、その衝撃の為に意識が朦朧とします。
1分ほどして私の意識がしっかりしましたが、アーニャはまだ朦朧としているようでした。
(しかし、よく私は海に叩き落されますね。)
そんな事を考えているとアーニャも意識がはっきりしたようです。
「アーニャ、機体の状態は。」
「特に問題ない。」
「そうですか。」
このまま出て行ってもウプウアウトだけでは対抗できると思えません。
せめて、ウプウアウトを昨日の状態にする必要があるでしょう。
「やるしかないようです。よくわかっていない状態のモノは使いたくなかったのですが、そんな事を言っている場合ではありませんね。アーニャ、昨日の状態にします。もしもの時はフォローをお願いします。T-LINKフルコンタクト、目覚めなさいウプウアウト。私達が生き残る為に。そして、ヤツを倒すために。」
次の瞬間にウプウアウトが緑の燐光に包まれ、そのまま、海から飛び出します。
『ほう、それがエルザムの言っていた状態か。来るがいい!』
そう言って、ディバイン・アームを構えます。
それに対して、私はこの状態の維持に意識を向けつつ、ヴァルシオンにスラスターを全開にして突撃しました。
後書き
名前:天王寺 戒
LV:15
PP:130
格闘:186
射撃:154
技量:159
防御:186
回避:199
命中:200
SP:136
性格:冷静(超強気)
エースボーナス:???
成長タイプ:格闘・特殊
空:A
陸:A
海:B
宇:A
精神:偵察 1~
幸運 40
直感 20
??
??
??
スキル:※エヴォリュダー(勇者LV9&底力LV9&戦意高揚)
※サイコドライバーLV3(念動力LV10&SP回復&予知)
※完全記憶能力
精神耐性
???
???
GP:169800
秘密基地(197/201)
撃墜数:20
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