アラガミになった訳だが……どうしよう
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原作が始まった訳だが……どうしよう
24話
前書き
つぶやきでアイデア募集をしているので、よければ見て下さいm(_ _)m
あれから二週間後、日本に帰国するなりイザナミに捕まって、俺の普段住んでいる廃ビルに連れ込まれた。
ついでに言うなら手足を腕に縛られて、丸一日抱き締められ体中の骨を砕かれたと言う事も付け加えておこう。
で、イザナミが満足して解放されて、今に至る。いや、解放はされてないな、抱きつかれたままであって、ただ単に力が緩んでいるだけだ。
「ごめんごめん、二週間も我慢してたからさ、体がマキナを求めて仕方がなかったんだよ」
だからって骨を折るな、骨を。
もうお前のそのアプローチを止めるのは諦めたんだが、その度の体を壊されるのは困るぞ?
欠損がないから治すのは比較的楽なんだが、手間には変わらないんだからな。
「うーん、じゃあお詫びに私のオラクル細胞を分けてあげよっか?口移しで、さ」
結構だ、だから顔を近づけるな。さっさと離れろ、お前の腕力で体を寄せられると治りかけたところがまた壊れかねん。
で、一体何の用だ?
流石にこれだけの為にわざわざここまで連れ込んだ訳じゃないだろうし、他に何か用事があるんだろ?
「あ、うん。大事な要件とどうでもいい要件、どっちが先に知りたい?」
……大事な要件からで。
「わかった、大事な要件だけど、将来子供は何人くらい欲しい?」
どうでもいい要件は?
「無視しないでよ」
はぁ……あのな、子供もなにもアラガミに子供なんて出来ないだろ?
俺はそんな話聞いたことないぞ?
「出来るよ?マキナのオラクル細胞を貰ってコアを作って、私のオラクル細胞で体を作ればできるよ?」
……マジで?
「うん、今からする?」
勘弁してくれ。こら、服を脱ごうとするな。
そして、俺の服を脱がせようとするな、破こうとするな。
それにコアを作っても、その子供は俺達みたいになるのか?むしろ、ただのアラガミになりそうな気がするんだが?
「うーん、私たちだけじゃ無理だけど。手は無いわけじゃないからさ」
その手ってなんだ?
「ひーみーつ、で、何人くらいほしい?」
結婚もしてないの相手になんそんな要望せにゃならんのだ?
「えー私達夫婦でしょ?」
違う!!
この話題はここで終わりだ、残りの要件ってなんだ?この手の話だったら聞かないぞ。
「ちぇ、もう一個は神薙ユウは入隊したよ」
へぇ……原作開始ってことか。それをどうでもいいとか、ある意味で凄いよお前。あ、褒めてないからな。
「おお、私の言葉を先に予想して先手を打つなんて、心が通じ合ってる証拠だね」
はいはい、今はどのくらい進んだ?
そろそろアリサがここに来るってのは聞いたんだ、もうそろそろあのイベントが起こるんじゃないのか?
「そうだね、多分半月くらいじゃないかな?昨日実地演習が終わったらしいから、あと一週間は隊員の下で研修ってところだからね」
つまり、ソーマやらとの初任務をこなしてる辺りか……アリサの到着が来週って話だから、イベントまで半月程度って読みはあってるか。
ふむ……そろそろシオの居場所やらを調べた方がいいか?下手に放っておけばノヴァのところまで、勝手にいってしまう可能性があるな。
「あ、それは心配しなくていいよ」
ん?それはどういうことだ?
「もう、捕まえてあの古寺で暮らさせてるから、心配無用!!」
こいつ……いつの間に見つけたんだ?
「五年前にロシアで見つけて、こっそり日本に連れてきたんだよ。ああ、あの人間にはバレないように、シオのオラクル細胞から作った偽物のコアを幾つかばら撒いたから、本物のシオに辿り着くのは当分先だね。
それにシオには私のオラクル細胞で作ったフェンリルの旗を着せてるから、あの辺りを探してもシオの反応は別のアラガミとしか認識されないよ」
偽装工作までやってたのかよ……本当に底が知れないな。そして、人を騙すことのなんの躊躇もないんだな、こいつは。
本当にこいつと本気の潰し合いをしなくていい事は幸運だな、イザナミに本気で敵意を向けられたら勝てる気がしない。
「私はいつだってマキナの為の動いてるんだから、敵意なんて向けるわけないでしょ!!でも、そんな風に私を評価してくれるのは嬉しいな」
じゃあ、その喜びついでに終末捕食をやめてくれないか?
「それは駄目、マキナを苦しめるものは無くさなきゃいけないんだよ?」
だよな……これさえなきゃな。
「え?これさえなきゃなんなの?」
秘密だ、俺だって全部をお前に教えてやる気はないんでな。
その後、イザナミの執拗な追求を逃れてから、土産を渡すために台場家に立ち寄ろうと居住区を歩いていると、今から任務に向かうであろうゴッドイーター達とすれ違った。
ふむ……リンドウといるのが主人公神薙ユウか?
む、こちらに気が付いたようだな、彼は軽く会釈してそのまま車に乗り込んでいった。どうやら性別は男のようだが……なんというか気怠げな雰囲気だな。
いや、どちらかと言えば世捨て人か?
何というか、そういった妙な雰囲気を纏った奴だった。
まぁ、どの道この一年が終われば話す機会などいくらでもあるんだ、今は関わらない方がいいだろう。
「あれ?マキナさん?」
家に着く前に任務帰りなのだろうか、神機を持ったカノンと出会った。
「やあ、帰りか?」
「はい、さっき終わったばかりです。マキナさんも帰ってらしたんですね、行ってくれれば迎えに行ったのに……」
「それはありがたいんだが……どの道、イザナミに無理やり連れて行かれたから、多分会えなかっただろうよ」
イザナミという名前に一瞬カノンの顔が引きつったが、やはりカノンとイザナミは仲が悪いな。いや、カノンが一方的に嫌って、イザナミが遊んでいると言うのが実際か。
まぁ、俺から言えるのは慣れろという言葉しかないんだがな。
「じゃあ、お前の家で待っているから、そこでロシアの土産を渡そう。早く戻ってこいよ」
「はい!!」
カノンを見送ってから、台場家を訪ねた俺はコトハにアンティークの食器を、残業明けのカナメにはちみつ酒を渡した。
カノンの妹のコトミには、全寮制の学校に通っているらしいので良さげなデザインの万年筆を贈っておいた。
どうにも彼女とは縁がないらしく、赤ん坊の時に二、三回会って以来、顔を合わせる機会がない。
もっとも、フェンリルの学校にいるのだ命の心配はそこまでないだろうし、生きていれば会えるだろう。
カノンが帰ってくる間、コトハと話していたのだが、どうにも新型神機のデータ取りや調整やらにもカナメは駆り出されたらしく、最近はかなりの重労働らしい。
この世界がもう少し安全なら良さげな旅行でも紹介して、サカキに言って休暇でも取らせてやろうと思ったんだが、こんな世界じゃ旅行などいける筈も無いか。それに神機関連となると人類の未来に直結しているからな、その辺りは頑張ってもらうしかない。
ほら、はちみつ酒には滋養強壮の効果もあったはずだし、それでも飲んで頑張ってくれ。
……それにしても、コトハは出会ったときから容姿が変わらないな。時々、俺やイザナミと同じじゃないのかと疑う時すらある。本人が言うなら適度な睡眠とバランスの取れた食事の賜物らしいが……限度があるんじゃないか?
しばらくしてカノンが帰って来た。
彼女には良さげなハンカチを渡した、正直こういった年頃の娘には一体何を贈ればいいのか皆目見当がつかなかったので、無難なところでハンカチにさせてもらった。
幸いにも喜んでもらえたようなので良かったのだが、今度は誰かに助言でも求めるようにしよう。髪飾りなどもあったんだが、どのような物が喜ばれるのか分からなかったからな……
今度はその辺りを贈るとしよう。
「マキナさんがいない間に第二部隊に配属されたんですよ、本当はマキナさんと同じ部隊が良かったんですけどね。でも、サカキ博士からもっと腕を上げたら入れるかもしれないって言われたんで、私頑張りますね!!」
あー……サカキ、グッジョブ。
いくら俺でも年中背中に気を付けて戦うのは正直キツイし、限度ってものがあるからな。
それと娘みたいなカノンのゼロ距離射撃は正直、親心に割とダメージを与えるんだ。せめて、誤射かゼロ距離射撃のどちらかが減ってからにして欲しい。
いや、本音としては一人の方が気が楽なんでこのままがいい。
「ところで、マキナさんの第八部隊ってマキナさん以外誰かいましたっけ?」
「いや、いないぞ」
「えっ……危なく、ないですか?」
「その心配はありがたいんだが、一応これでも俺はこの辺りのアラガミに負ける程弱くはないぞ?大体、俺の正体やらをカノンは知ってるだろ?」
「うーん……じゃあ、マキナさんの勝てないアラガミっているんですか?」
そんなもの考えるまでもない。
「イザナミ、あいつにはどうやっても無理だ。今まで一度だって勝てた事が無いんだ、それに相性的にも俺の勝ち目がない」
ん?カノンどうした急に俯いて?
調子でも悪いのか?
「そう……そっか、うん……そうすればいいんだ……」
……む、何だか嫌な予感がしてきたな。
後書き
すみません、毎日更新がキツくなってきたので不定期更新タグを付けます
基本的に毎日を目指しますが、二日に一度になる時もありますのでどうかご注意下さい
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