ロックマンX~朱の戦士~
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第三十二話 俺を造った博士は人類最強でしたⅡ
前書き
三つを攻略したエックス達が過去の大戦の話をすることに。
ハンターベースの休憩室でようやく身体が万全の状態となったルインはエックスの方を見遣ると尋ねる。
ルイン「そういえばエックスは前にライト博士に波動拳を教えてもらったよね?」
ソニア[はどーけん?]
エックス「ああ、そうだけど…」
ソニア[ねえ、はどーけんって何?]
ルイン「もしかして他にも技を教えてもらったりした?」
ソニア[はどーけーん]
エックス「あ、ああ…あれはカウンターハンター事件の時の話で戦いも終盤を迎えていた時。」
エックスはカウンターハンター事件終盤の時の記憶を思い浮かべた。
あれはカウンターハンター基地でバイオレン、サーゲスを下し、最後のカウンターハンターであるアジールとの戦いを控えていた時。
エックス『ん?』
何かに引き寄せられるように向かうエックス。
そこには胴着姿のライト博士の姿があった。
ライト『エックス。とうとうここまで来たか。このカプセルに入れば、波動拳同様、厳しい修業によって一部の人間だけが習得出来た必殺技を放てるようになる。人に近い心を持つお前なら、きっと使いこなせるはずじゃ。その名も昇竜拳!!空中の敵に対して絶大な威力を発揮するのじゃ。エックス、後少し…頑張るのじゃぞ…昇竜拳!!』
ライト博士は腕に炎を纏い、強烈なアッパーカットを放ち、消えた。
エックス『どうやら今度は前みたいに危険な技じゃないようだな』
安堵の息を吐くエックス。
もし波動拳のような技ならどうしようかと思った。
カプセルの中に入り、昇竜拳を習得したエックス。
そして辺りを見回して気づく。
練習しようにも場所も敵もいないことを。
エックス『本番で試すしかないか…』
微妙に心配そうに拳を見つめるエックス。
そして更に進み、奥の扉をこじ開けると、最後のカウンターハンター・アジールがパワーアップした姿。
アジールフライヤーが真上にいた。
顔だけ残し他はドラム缶を横にしたような空中浮遊型の機械に改造されているという、なんとも無残な姿になっている。
アジフライ『よく来ましたねエックス…ここがあなたの墓b』
入ってきたエックスに対して、意気揚々と挑むアジールフライヤー……。
次の瞬間、信じられないことが起こった……。
エックス『昇竜拳!!』
エックスが右腕に炎を纏い、アッパーカットを放ってきた。
たった一瞬で撃破されたアジフライ。
アジフライ『(あ……ありのまま起こったことを話します……扉が開いたと思ったら……エックスが突然、他ゲームの技を使ってきたのです……)まさか…こんなはずでは……ぐはあああああああ!!!!?』
哀れアジフライ。
台詞すら言い切れないまま、戦闘開始から一瞬の内に一撃でその生涯を終えた……。
それを聞いたルイン達は沈黙するしかなかった。
またとんでもない技を教えてくれたものだ。
アジフライの一番の不幸はアジフライ戦直前にエックスがチート技を入手してしまったことにある……。
アジフライはその形状から、昇龍拳の絶好の練習台なのである。
多くのプレイヤーが直前に入手した新技の試験運用代わりにアジフライを一撃必殺していった。
もはや、アジフライの存在自体が昇龍拳を試すためと言っても過言では無い。
エックス「流石にあの後は自重してくれたのか、ドップラー博士の反乱の時は強化チップだったよ」
ルイン「ええ!?た、竜巻旋風脚は!!?」
アイリス「竜巻旋風脚?」
ゼロ「竜巻旋風脚?何だそれは?」
ルイン「波動拳、昇竜拳に次ぐ必殺技だよ!!ねえ、エックス。竜巻旋風脚は!!?」
エックス「えっと…あの戦いは強化チップだけだよ」
強いて言うならゼロのZセイバーとルインのZXコンポジットだろうか?
ルイン「そ、そんなあ…私、楽しみにしてたのに…ライト博士の馬鹿あああああ!!!!」
明るい夢を無惨に打ち砕かれたルインの悲痛な叫びがハンターベースに響き渡った。
大丈夫、竜巻旋風脚は遥か未来でゼロが使ってくれる。
後、昇竜拳もゼロと再びエックスが使ってくれる。
ルイン「ゆ、許さない…今度ライト博士に会ったら文句言ってやる…」
エックス「いや、何もそこまでしなくても…」
ルイン「私の気がすまないの!!覚悟しててよライト博士!!レプリロイドに明るい未来を!!」
アイリス「ルイン、その台詞は何かやばいわ」
アカルイミライヲーーーーーーッ!!!!!!
ゼロ「…何だ今の声は?」
ルイン「アカルイミライヲーーーーッ!!!!!」
アカルイミライヲーーーーーーーーーーーッ!!!!!!
アイリス「ど、何処!?何処から出てくるのこの声!?」
エックス「…呪われているんじゃないだろうな…このハンターベース…」
ダブル「た、大変デシ!!」
ダブルが慌てた様子で入ってきた。
エックス「ダブル?どうしたんだ?」
ダブル「エ、エアフォースがシティ・アーベルに空爆を!!」
エックス「何だと!?」
即座に立ち上がるエックス達。
しかしそれだけではない。
ダブル「そ、それにディザイア先輩が飛行艇で独断でエアフォースに向かったデシ!!」
ルイン「ディザイアが!?どうして…」
ゼロ「アイリス、奴の乗った飛行艇に通信を繋げられるか?」
アイリス「やってみるわ」
アイリスがキーを素早く打ち込み、ディザイアが操縦している飛行艇に通信を繋げた。
エックス「ディザイア!!お前は何をしているんだ!!早く戻ってこい!!」
ディザイア『エックス隊長、あなたは非道な行いをしているイレギュラーを見過ごせと?』
エックス「そ、それは…」
ゼロ「…お前1人で何が出来る。今すぐハンターベースに戻ってこい」
ディザイア『これはこれはゼロ隊長…私はスパイダスとの戦い以後、更に力をつけました。フクロウルのようにただ後方で指揮するような臆病者には負けませんよ』
ルイン「でもディザイア、君だけで挑むなんて無謀だよ」
ディザイア『ふ、副隊長…』
アイリス「そうです!!フクロウル参謀長は知略だけの方ではありません!!兄やジェネラル将軍が一目置くほどの…」
ディザイア『うるさい!!』
アイリス「っ!!」
ルイン「ディザイア…?」
ディザイアの怒声にアイリスは震え上がり、ルインは目を見開いた。
それを見たディザイアはバツが悪そうな表情を浮かべる。
ディザイア『失礼しましたアイリスさん。でも…少しは、私の言うことも聞いてください。私も…副隊長や皆のこと…ちゃんと 考えているつもりなんだ。それなのに…大丈夫です…全て…上手くいきます…もしフクロウルを倒せれば副隊長…私は…私はあなたに…』
通信が届かない高度に到達したのだろう。
モニターにノイズが走り、通信が途絶えた。
ゼロ「……まずいことになったな…」
ゼロはディザイアの実力がどの程度なのかは知らないが、フクロウルには絶対に勝てないと確信出来た。
伊達にフクロウルは戦闘のプロ集団であるレプリフォースの参謀ではない。
事実、カーネルでさえフクロウルに一目置く時点でそれに見合った実力があるのだ。
エックス「ダブル、飛行艇の用意を!!俺が追い掛ける!!ゼロとルインはハンターベースを頼む!!」
ゼロ「分かった」
ルイン「エックス、ディザイアを…彼をお願い」
エックス「…分かっている」
エックスはディザイアを追い掛けるべく、ダブルに用意させた飛行艇に乗り込み、エアフォースに向かうのだった。
後書き
昇竜拳とアジフライ話です
ちなみに、アジフライとの戦いで昇龍拳を打った場合は高確率でトゲに落ちますが、落ちる前にアジフライを撃破すれば、その後トゲに落ちても即死せずにステージクリアとなる 。
スタッフの悪意をこれでもかと感じた瞬間である。
まあ、とにかく。
エックス達にアカルイミライヲーーーーーーッ!!!!!!!!
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