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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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現状連絡

「早くやるってばよ!」

皆さんお早う。
冒頭の台詞は寝起きの俺への第一声。
ナルトからの修行したいぞの起床の知らせだ。

「お前………元気だねぇ」

「ユウジの兄ちゃんは元気が足りないってばよ!」

「はぁ…まぁやるか……」

「おう!」

ナルトと暮らしはじめてから約2週間。
大体3日後から修行がしたいと言い出し、
ちょっと指導をしてやったらこれだ。

日向の少女にたまに会いに行くときでもそばを離れないため、
あの家の使用人達からは異質な目で見られていたのも今では
薄くなってきている。

そんなナルトはと言えば、
最初は何をしていいのかも分からず、
外に出れば迫害されるため、家のなかをウロウロするだけだった。

修行を言い出してから、
俺自身がこの世界の戦闘を知らないため、
アカシックレコードで調べて今に至る。

「今日はヒナタも来るんだってば!
ちゃんとやってくれよ?」

何時もやってるだろうが…と
内心で呟く俺だが、やはりと言うか途中では投げ足せない。

「こんにちはー…」

「お、来たってばよ!」

「んー、上がってもらえ」

ナルトはバタバタと玄関へ走り、ヒナタ嬢を引っ張ってくる。

「ナ、ナルト君…///」

そのヒナタ嬢はなんだかんだナルトにご執心の様で、
ナルトを見るたびに顔を赤らめているのが現状だった。

こうして二人の修行を見ると言う、
俺の最近の日課が行われるのだった。


















「つ、疲れたってばよ…」

「うん………」

夕方。
疲れはてた二人の姿もまた何時も通り。

これから帰って風呂に入るのだが、今日は違ったようだった。

「二人は先に行っているといい。
俺はちょっと野暮用ができた」

「え?なんだってば?」

「大人の階段ってやつだ。
まぁ、直ぐに戻るから気にするな」

「分かったってばよ。
ヒナタ、行こーぜ!」

「う、うん!」

二人は元気に家へと走っていく。
俺はそんな二人を見送りながら、後ろを振り返った。

「もう良いんでないの?
さっさと出てこいコノヤロー」

俺の目の前に位置する一本の巨木。
その影から一人の老人が現れた。

「何故分かった?」

「いや、臭いで」

「臭い?
お主は犬塚の者か?」

「犬塚?
良く分からんが」

「お主は何者じゃ。
何故ナルトに近づく?」

「何だ?
お前さんはナルトを迫害するやつらの筆頭か?
だったら俺はお前さんを張り倒さなきゃならんのだが?」

「何を言っている。
ワシの質問に答えよ。
貴様は何者じゃ」

「人に名前を聞くときはまず自分から名乗るもんだぜ?」

「む?……木の葉の里、三代目火影、猿飛弦間じゃ」

「火影?火影って何だ?
まぁいいや、俺は赤志ユウジだ」

「火影を知らんのか?」

「悪いな。
この世界には最近来たばかりだからな」

「(最近来た?他の里の者か?
しかし火影を知らないはずはない。
それにこやつはただ者ではない……)」

「あー、なに考えてるかは知らんが、
これから夕飯作らなきゃいけないんだ。
用があるなら早くしてくれ」

「ぬ、…お主はナルトをどう思っておる?」

「は?………そうだな………家族?仲間?…んー……まぁ、
守護対象かねぇ」

「守護……敵ではないのだな?」

「話聞いてたか?
ま、そんなところだな」

「そうか……あの子は最近良く笑っている。
お主のお陰かもしれんな。
出来ることならば、あの子を頼みたいのだが…」

「そこらの面倒はさておき、
どう育つかはアイツの日常次第だ。
あんた自信が迫害するやつらの対処をするのなら、
いい方向へと向かうんじゃないのか?」

「………そうじゃな」

「ま、頑張ってくれや。
じゃあな」

「うむ」

そう言って背を向けて帰宅を開始。
後ろでは複雑そうな顔をするじいさんがいた。









夕食は終わり、ヒナタは帰った。
ナルトも眠りにつき、俺は一人で屋根に上って月を見る。

「……やることねぇな」

なら寝ろよ。
なんてツッコミが来る気がしたが、これからを思うと
あまり寝る気にはなれない。

「こんな面倒な依頼は初めてだぞ…。」

この世界に来た理由である依頼。
俺が選んだのは"救援"。
しかし救援以外に"救済"まで混じっているとは思わなかったのだ。

「はぁ…"ピピピッ"ん?蒼也?」

俺の懐から音がなり、それを取り出す。
なっているのはラクス。
俺のデバイスで有能な相棒でもある。

「繋いでくれ」

フォンッと音がなり、モニターが写し出された。
やはりと言うか、そこには蒼也が写っていた。

「何だ?もうギブアップなのか?」

『違うけど…ちょっと聞きたいことがあったんだよね』

「聞きたいこと?」

『あー、心を、と言わず毒を消し去る薬って作れないかな?』

は?毒って…

「何の毒かは知らんが、お前のいる世界では無理だろうな」

『そうなの?』

「その世界は恐らく毒に対する危機感がないんだろ。
どうせ魔法とかに思考が偏りすぎて治せるものも治せない状態なんだろ」

『あー、否定は出来ないよね…』

「大体、そこにいる眼鏡ッ子がお困りの相手だろうが、
薬にしか目線を向けていない時点で間違ってるがな」

『…どういう事』

「おーおー、まだまだ青いねぇ…髪だけに」

『…冗談はいらない。
貴方なら治せる、そう?』

何だよノリが悪いな。

「蒼也ー、頑張れー」

『まってー!切らないでー!』

何を必死そうにしてんだか。

「はぁ…やれやれ。
まぁ、治せるだろうな」

『お礼はする。お願い』

お礼…ね

「ま、暫くしたら喚んでみろ。
そんときに治してやる」

『ありがとう!良かったねタバサ』

「蒼也ー」

『ん?何?』

「元車椅子少女に言っといてやるからな」

『ちょっとーーー"ブッ"』

「ふっ……あ、この世界の事聞くの忘れてた。
まぁ良いか」

後日、俺は喚ばれる事になる。
まさかあんな事になるとは思ってなかったのだが、
ソレはまた別の機会に。 
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