艦隊これくしょん!平和な鎮守府の日常?
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提督、手紙を見る
「HEY提督!ユーゴットメール!」
「おっありがと金剛」
本日の秘書艦は金剛型戦艦一番艦の金剛。提督ラヴの筆頭とも言われている艦娘である。
「でもLOVELETTERは許さないからネ!」
「はいはい」
今日もこの鎮守府宛に送られてきた手紙のチェックを始める。この鎮守府宛には様々な手紙が届く、友人から、家族から、はたまた海軍の本部基地からの書類なども来る事がある。そんな手紙のチェックは提督のひそかな楽しみでもある。
「これはあいつからか、それでこっちは厨二病末期患者からで、これは………あっ」
手紙を表紙などを見て自分宛送られてきたもの、鎮守府に送られてきたものを分けていると一通の写真があるのに気づいた。それを見つけると微笑んで手紙の封を切った。
「What?如何したねー提督?」
「ん?いやね、姉からの手紙だったんだ」
「なんですとー!?BIG sisterがいたのですカ!?」
「まあね」
提督の姉、イギリス人とのハーフである自分の姉。正確には義姉になるのだが、こうして軍に身を置くまでは良く彼女に頼っていたものだ。姉と寝る前には良くキスをしていた記憶がある。まあそれ以上の事はしていなかったが姉弟以上恋人未満な関係性であったのは内緒である。そんな色んな思いがある姉からの手紙を開くとピンク色の可愛らしい便箋に文字は書かれていた。
『ハァア~イ♪弟君元気~?私は元気よ、貴方がいなくて家が少し広く感じて少し寂しいわ。たまには帰って来ても良いのよ?私も久しぶりに一緒に貴方とお話を一杯したいのよ?たまには姉弟水入らずで過ごしましょうね。あ~、なんだか書きたいことが一杯ありすぎて困ってきたわ。まあとりあえず今回の手紙はここまであります大佐殿!ではまた後日お会いしましょう!
貴方を愛して止まない貴方のお姉ちゃんより』
最後にはキスマークがある。恐らく本人のものだろう。
「全く姉さんときたら……」
言葉では呆れているが顔では笑っていた、どうやら変わってはいないようだ。何時も元気で陽気で面白い姉、彼女と一緒にいれば悩み事など馬鹿馬鹿しくなって消えてしまう。さてこれは自分の引き出しに大切にしまっておこう。
「Very interestingな方ですネ!」
「君には負けると思うけどな金剛?」
「What!?どー言う意味ですカー!?」
自分の胸に聞いてみなと受け流してまた手紙に目を通す。その中に一通、他とは何か違うものを感じさせる。差出人の名は無い。だが確かに自分に差し向けられたものなのだと直感的に感じるものが何処かにあった。
「あれ?それ差出人のnameがありませんネ~?何かあったら大変、提督ーそれをPass me!」
「否、これは解る。安全なものだ」
金剛の静止の言葉を無視してそのまま封を切った提督、中を出すとそれも手紙のようだった。だが便箋に刻まれている文字は、今までの文字とは何か別次元の物を感じるしかなかった。
『大佐殿、お元気でしょうか。お久しぶりにお手紙を遅らせていただきます。こちらも色々な事がありながらも無事にやっています、出来れば私の私情まみれの文章にしようと思ったのですが今回は違う物にしようと思います。貴方は何時まで大佐という椅子に座っているつもりなのですか?貴方は今の地位でいるべき人間ではありません。貴方の上官として、そして私だからこそ言います
私のところに来て下さい』
その手紙を読み終わった提督は、顔から笑顔が消え、あっという間に仕事を終わらせてなんの感情も無い視線を海の向こう側に投げ続けていた。
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