東方魔法録~Witches fell in love with him.
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39 愛想~She is very cute.
前書き
明希はキレてます。
「……………そうか」
俺は静かにレミリアの話を聞いていた。
「……ごめんなさい…あの時私がパチェを掴めていたら」
「いいよ、レミリアは悪くない」
悪いのは…人狼と…俺だ。人狼は言うまでもない。後で根絶やしにしてやる。
俺は…またパチュリーを守れなかった。誓っておきながら守ることすら出来なかった。
ふつふつと怒りが込み上げてくる。でもここで怒りを露にしてもレミリアを怖がらせるだけなので何とか抑えていた。
「何処に連れ去られたのかわからないの?」
「あの時は能力を使うので精一杯だったわ」
「能力?」
「パチェが暴行される運命をねじ曲げたのよ」
「…っ!!?」
そうだ…敵に捕まったのなら、連れ去られた先でパチュリーが暴力を振るわれる可能性だってあったんだ。でもそれだったら…
「言いたいことはわかるわ。何故捕まる運命を変えなかったのか、でしょ?」
「………」
「それは私の力が及ばなかったせいよ…。捕まる運命をねじ曲げるには消耗し過ぎていたし、時間の問題もあったのよ」
レミリアの運命操作能力は色々と制約があるらしい。条件はよくわからないけど捕まる運命を変えるよりも暴行される運命を変える方が簡単らしい。多分、運命を操作して、元の操作しなかった運命からどれだけ変わるのかで力の量が変化するのだろう。
それでレミリアはフラフラだったのか。敵に捕まっている間、無事になるのはありがたい。後でレミリアにはお礼をしないと。
「それに性暴力の可能性もなきにしもあらずでしたよー。まあ、この作品はR15までなので絶対にあり得ませんけどね」
「いたのか小悪魔」
いつの間にか小悪魔がいた。…小悪魔の言う通りに性暴力だってあったかもしれない。本当に、本当に良かった…。あと小悪魔メタいぞ。
「はい、レミリア御嬢様を追って。
ダメじゃないですかまだ寝ねてないと」
「そうね話も終わったし私は休憩させて貰うわね…。明希、人狼の居場所がわからない今、約束の四日後にここに行くしかないわ」
レミリアはそう言って俺に地図を渡した。
「一応受け取っとく。でも俺は四日も待たないし待てない」
「どうするつもり?私達には探す手段はないのだけれど…」
「場所を知ってそうな奴らを知ってる」
「…そう、無茶はしないでね。美鈴一緒に行きなさい」
「はい、わかりました」
「よし、月が出る前に早く行こう」
「今朝出ていったばかりですよね。忘れ物ですか?」
美鈴と一緒に知ってそうな奴らを訪ねにまたこの村に戻ってきた。そう、知ってそうな奴らとはこの村にいる人狼のことだ。同じ人狼なら何か知ってるのかと思ったのだ。
「二人を呼んでこい…」
「えっと…二人ってトウキお姉さんとワールさんですか…?」
「早く…!」
「は、はい~!」
クレイ君は走って二人を呼びに行った。
「明希様怒ってま…すよねすみません当たり前ですよね」
イライラが段々と表に出てきた。美鈴を少しばかり睨んでしまったのは申し訳ない。
あーでもほんっっっっとイライラする駄犬どもの分際で俺のパチュリーを拉致りやがってマジどう落とし前付けてくれようか圧殺暗殺縊殺殴殺鏖殺格殺確殺虐殺挟殺恐殺凶殺禁殺劇殺撃殺元殺減殺絞殺劫殺故殺誤殺紺殺恨殺惨殺斬殺残殺刺殺射殺週殺蹴殺愁殺呪殺銃殺重殺粛殺焼殺瀟殺俗殺族殺賊殺宅殺磔殺他殺畜殺中殺誅殺賃殺鴆殺的殺闘殺毒殺屠殺悩殺博殺漠殺爆殺必殺焚殺封殺併殺歩殺捕殺方殺砲殺忙殺謀殺暴殺撲殺抹殺密殺黙殺薬殺扼殺優殺誘殺要殺落殺歴殺轢殺炉殺と取り合えず思い付くだけ50音順に並べてみたけどどうしようか殺し方じゃない名前とかあったけど再現してやろうえ殺すのは確定なのかってそうだよ勿論殺すさ俺が赦すわけないだろパチュリー拉致ったしレミリアに美鈴と小悪魔まで傷付けてフランに狂気を助長するような真似をさせてパチュリー拉致って(大切なことなので二度と言いました)生きているなんて可笑しいだろ殺して当然なんで息しているんだ生きているだけでもおこがましいよって殺す本当イライラするイライライライラ………
「あの…連れてきましたよ」
クレイ君がトウキさんとワールさんを連れて戻ってきた。イライラしていた俺は反射的に凄んだ。
「あ゛ぁ?」
「ひぃ!?」
「明希様…キャラ変わってません?」
「来たか。おい犬。人狼が住みかにしているとか社会が築かれている場所とか知らないか?」
「犬じゃねえ誇り高き狼だ」
ワールが言った。
「はぁ?誇り?今朝の服従のポーズは忘れたとは言わせないぜ。お前らは忠犬じゃねぇのか。誇りなんて俺に売ったようなもんだろ?」
「た、確かにその通りだ。俺が悪かった殺さないでくれ…」
「………………………(美鈴はポカンと口を開けたまま固まっている)」
俺から漏れだすイライラと殺意に殺されると思ったワールさんは謝った。今まで温厚だった俺の急変ぶりに美鈴は驚いてポカーンと開いた口がふさがらなかった。
「一体、どうしたんですか…?」
声を掛けづらいのかトウキさんは初対面なのにも関わらず美鈴に事情を聞いた。
「え…はい…ええっとですね…」
少女説明中…
「そんなことが…」
クレイ君は狼狽えていた。
「人質なんて戦士のすることじゃ…ごめんなさい俺も貴方に誇りを売りました同じ穴のムジナです」
「心辺りがある…」
「本当か?」
「その地図貸して…」
俺はトウキさんに人狼が指定した場所が記された地図を渡した。
トウキさんは地図を見ること30秒。指定された場所のそこそこ近い場所を指差した。
「多分ここに彼女さんは監禁されていると思う…」
「そうか。なら案内しろワール」
「お、俺?そんな仲間を売るようなことは…」
「黙って従え犬」
「はい…」
案内役は一体で十分だろう。流石にこの村にクレイ君一人だけにするのは何だと思うからトウキさんは置いていくという建前にしておこう。俺は男女の仲を邪魔するような野暮なことはしない。
地図と犬特有の鼻の良さを生かして人狼の住みかを見つけたのは昼を少し過ぎた頃。そこは森の中で、一見すると普通の村だった。人狼は人間の姿に変身出来るから普通の人間が目にしても何もわからなくなっている。普通の人間にならば。
「こいつはくせえッー。家畜以下のにおいがプンプンするぜ」
魔法使い兼、吸血鬼の俺にとっては簡単に見分けることができた。
本当はエクスクラメーションマーク(!の名前)を付けたいところだが俺達は茂みに隠れて様子を伺っているので大きな声は出せない。
「ワール。何処かに人質を閉じ込めて置くような場所はわかるか?」
「あの洞窟辺りが怪しい。…虚言じゃないって」
「そうか。ならお前帰れ」
「え!?」
「声が大きい」
「す、すまん…。だがいいのか?」
「頼んだのは案内だけだ。早くクレイ君たちのところに帰ってやれ」
「…わかった」
そう言ってワールは帰って行った。
「三碧木星は直感力…五黄土星は砂漠を司る…サンドスパイ」
俺は魔法で砂を操り小さな目を作った。我〇羅みたいに砂と目の神経を繋げて遠くを視覚出来るようにする。チャクラの変わりに魔力をつかってるけど。当たり前か、チャクラとかないもん。
この目はあんまり遠くまで移動できないし、使っている間は俺自身が動けない。だが、こうして隠れて使うのには十分な効果を発揮する。
「いた…!!」
洞窟の深く、石の壁に囲まれて鉄格子が嵌められた牢屋の中で手足に鎖を付けられたパチュリーがいた。パチュリーは疲れているのか眠っている。
パチュリー…
俺は魔法を解除して美鈴に言った。
「美鈴。俺の後ろに隠れて」
「へ?」
「大技で奇襲をかける。前にいたら巻き込まれる」
「は、はい」
俺は小さな小さな、しかし眩い光を発する点を牢屋から離れた場所に飛ばしながら詠唱した。
「恒星は熱核を産み続け、やがて自らの平衡を維持出来なくなり爆発する…その輝きに何を思うのか
―スーパーノヴァ!」
「え?」
カッ!と点が先程よりも輝いて、爆発を起こした。
爆発は無音で起こり、白黒碧緑黄赤紫色が混ざった複雑な色の爆風が人間の姿のままの人狼を巻き込んで触れた傍から蒸発させる。
そして音が遅れてやって来た。
――チュドォォォォォォンン!!!
「…………………(美鈴、本日二度目の開いた口が塞がらない)」
「まだだ。超新星爆発は特異点を生み出し、光すら飲み込む闇となる…その先に何が広がっているのか
―ブラックホール!」
爆発の中心に黒い点が出来てそれを中心に空間が歪んだ。爆発の光と音で駆けつけた爆発の外にいた人狼を次々に引き寄せ飲み込んで行く。
「…………………あー、ははー…(美鈴以下略)」
「ふう、ざっとこんなものかな?おっとっと…」
今ので全魔力と妖力の8割使ってしまった。貧血みたいにフラっとした。いやぁ、怒りの衝動って恐ろしい。
さっきの二つの技はどちらも実際の数えきれない分の1を魔法で表現したものだ。本物はもっと大きいし、真空の宇宙でやってないからあくまで表現。勿論、洞窟には当たらないようにしている。大技で結構な魔力を消費するし、詠唱も止まって唱えないといけないし、狙いとか付けられないからあまり戦闘中に出せる技じゃない。今みたいに奇襲で使うと効果は絶大だ。
「それじゃ洞窟に行こうか」
残りの力が2割程度しか残っていないため、フラフラとした足取りで洞窟に向かう。
「あ、えっと…明希様。あの黒いのはどうされるのですか?」
美鈴は今もなお人狼を吸収し続ける極小ブラックホールを指差しながら言った。
「放って置けば容量がなくなってその内消えるよ」
「自然消滅!?で、飲み込まれた人狼は…?」
「俺が作った空間に送られる。美鈴なら飲み込まれても自力で脱出出来るんじゃない?まあ、月のない人狼には無理だと思うけど」
物凄い爆発音と衝撃で私は目を覚ました。手や足を動かす度にジャラジャラと鎖が音を立てる。
汗で全身がベタベタして埃がかかって最悪。髪が傷んでしまうじゃない。
「おい!なんだ今のは!?」
「俺見てくる」
二体の見張りの人狼のうち一体が様子を見に行った。
多分明希だと思う。相当怒っているに違いない。あぁ、明希。早く来て…。
………………………………………
……………………………………
…………………………………
「ちっ!誰も帰ってこないじゃねぇか」
先程様子を見に行った人狼が帰って来ないことにイラついた人狼はダラダラとした足取りで牢屋から離れて行った。
―バキメキドゴォ!
離れていった傍から人狼が向かった方向から体が破壊される音がした。
そしてやっと現れた私のダーリン。
「パチュリー!」
明希は持っていた剣で牢屋の鉄格子を切断して牢屋の中に入ってきて、抱擁した。
5日振りに感じる明希の温かさ。はぁ…満たされる…。抱き合うだけでは満足出来ず、お互いの存在を確かめ合うように激しく唇を貪った。
「はぁむ…!クチャ…じゅるっっ…ぷはぁ!」
「はぁはぁ…。さ、こんなとこにいないでさっさと紅魔館に帰ろう」
明希は鎖を切って私を自由にする。
「ん」
私は明希の首に手を回した。
「パチュリー?帰るよ?」
「……たくない」
「え?」
「離したくない。今日は絶対に離さない」
ぎゅっと腕の力を強くして引っ付く。
「あーっと嬉しいんだけどちょっと飛びづらいなーなんて…」
「や」
「ぐふぅ!?」
ぱちゅりーの あまえる こうげき!
あきは さらに めろめろになった!
あきの りせいは ほうかいすんぜんだ!
「あー!もう!可愛いなー!」
明希は私をぎゅっと抱き締め返してうりうりと頬を擦り寄せたあと、私を抱き締めたまま飛んで紅魔館に向かった。
「私はガン無視ですかそうですか仕方ありませんよね。でももう少し私の存在を気にしたっていいじゃないですかー!」
洞窟の中で美鈴の叫びが響いた。
二人と一人は紅魔館にたどり着き、レミリアと小悪魔とひとしきり無事を喜びあったのは夕方。
人狼の返り血と汗と埃のせいで明希とパチュリーの身なりが汚くなっていると言うことで着替えることになった。のだが…
「ちょっとの間我慢してよ。髪がベタつくのは嫌だろ?」
これから着替えるというのにパチュリーは何時までたっても明希を離す気配がない。
宣言通り、今日は明希を離さないつもりでいるらしい。
「ねぇ、明希…。私…もう我慢できないの…」
抱きついたまま、パチュリーは潤んだ瞳で明希を上目使いで見つめる。その目は何処か扇状的で熱を帯びていた。
「体は水の魔法を使ってここで洗えばいい。それに今日はもう服なんて要らないわ」
パチュリーは目をそのままトロンとさせて片足を明希の足に絡み付かせながら甘く、魅惑的な声でトドメの言葉を溢した。
「明希…シて?……きゃ!」
明希はその言葉を聞いた瞬間、パチュリーの服を素早く剥ぎ、自らの服も脱いで二人とも産まれたままの姿になると、明希は水の魔法を使って瞬時に体を洗った後にパチュリーをベッドに押し倒した。この間、わずか30秒。
「嬉しい…」
パチュリーはベッドに押し倒されたまま言った。
「ああ、今夜は寝かせないから覚悟しろよな」
「うん…♪」
「あれ?何してるんですか?これ以上覗いては駄目ですよ。パチュリー様と明希様に怒られてしまいます。前にパチュリー様は仰ってました。こう言う時は聞かなかったことにしろって。でも明日に『昨日はお楽しみでしたね』と言う定型句をいうのは辞めません。だって小悪魔ですから。閑話休題。それにここはR15までなんです。作者さんこれ以上描写するのを止めてくださいよ。今回はちょっと冒険し過ぎです!」
後書き
戦闘力ヒエラルキー。ただし、持久力を除く。喘息とかあるじゃん?(実践において。弾幕ごっこはまた別の話)
純粋な戦闘力
フラン>レミリア>明希=パチュリー>美鈴>越えられない壁>小悪魔
対多数の場合
明希=フラン>レミリア>パチュリー>>>>>美鈴>越えられない壁>小悪魔
1対1
フラン>レミリア≧美鈴>パチュリー>明希>越えられない壁>小悪魔
あくまでも目安です。細かく気にしないで下さい。
小悪魔「いくら私が戦闘に不向きでも扱い酷い!」
咲夜さん?まだです。次の章に出てきますって言うか今話で二章は終わりです。
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