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MUVLUVにチート転生者あらわる!?

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第九話

 
前書き
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悠斗side



俺は今太平洋の上空を、ガルダ級空母アウドムラに乗って飛行しています。目的地は日本帝国厚木基地。12・5事件の時に陥落して、クーデター軍に航空戦力を奪われた基地だ。今現在、日本で数少ないガルダ級空母を着陸させることの出来る滑走路がある基地だ。まだ、この時代には白陵基地はそこまで大きくないので、厚木基地に着陸する事になった。今回日本帝国を、訪れるのはMSXOSの教導がメインだからである。ちなみに、教導官は黒い三連星。ガイア大尉。マッシュ大尉。オルテガ大尉の三人に、ソロモンの悪夢。アナベル・ガトー少佐。ケリィ・レズナー大尉。カリウス少尉。シーマ・ガラハウ中佐。真紅の稲妻。ジョニー・ライデン少佐。白狼。シン・マツナガ少佐。の方々になっています。まあ、教導官が有名なエースパイロットだから、俺はやること無いんだけどね。そんなことを考えていると、ガイア大尉が俺の目の前に座った。

「不動准将。我々が教導する事になっている帝国をの衛士達の腕前は、どんなもんですか?」

「そうだな。筋は悪くないだろうが、新型OSにどのくらい慣れているかは、見てみないとわからんな」

実際この世界の衛士達は、動作行動を一回づつ入力するのが当たり前になっているから、多分先行入力やキャンセルそれにコンボの使い方は、分かっていないと思うんだよな。それだと、学徒動員の新兵より弱いと思うな。

「余り弱いと、教導にすらなりませんよ?」

「そうですな。弱いのなら、弱いのなりに気骨の有るものでなければなりません」

ガイア大尉の横にいつの間にか座ったシン・マツナガ少佐も、頷いていた。てか、いつの間に来ていたんですか?気付かなかったんですが?

「しかし、気骨が有っても腕前が無ければ、機体の性能を生かせぬまま死んでいくだけです」

「確かにな。まあ、可愛女の子が居れば俺は文句ないぜ」

アナベル・ガトー少佐にジョニー・ライデン少佐がマツナガ少佐の隣に座った。対面に座ってるのが男ばっかりで残念です。ジョニー・ライデン少佐、貴方はそんなに軽い男でしたっけ?

「大丈夫だよ悠斗。私が居るから。必要なら海兵隊式の訓練でも叩きこんでやるよ」

俺の左隣の席に座り足を組んでいるシーマ・ガラハウ中佐。扇子を優雅に扇いでコーヒーを飲んでます。

「不動准将。コーヒーですよ」

普通にコーヒーを皆さんに出しているイルマ中尉。何ら違和感が無いのが不思議です。

「いいなー。准将ばっかり女にモテて。俺にも分けてくださいよ」

「ライデン少佐。俺は別にモテてなんかいないぞ」

「不動准将。本気で言ってるんですか?」

ん?なんか、変な事を言ったか?周りの男性陣からは、「鈍感だな」とか「鉄壁だ」等と聞こえる。また、シーマ中佐はため息をイルマ中尉は落胆とした表情になっていた。

「不動閣下。もう少し女心を勉強した方が宜しいかと」

ガトー少佐が苦笑いしながら言ってきた。

「ん?まあ、いつか必要になったら勉強しよう」

「不動准将。それじゃあ結婚できませんよ?若いんですから、もっと積極的に恋愛した方が良いですよ」

「ガイア大尉。まだ俺は結婚する気はないよ。俺が結婚を考えられるのは、オリジナルハイヴを落とした後さ」

まあ、白銀武が来れば良いんだけどね。そうすれば、桜花作戦までは確実に進むから、オリジナルハイブは落とせるんだけど、白銀ハーレムのヒロイン達は誰も死なせないからな。ゲームの時には死んでいくんだけど、そうすると武が報われないから嫌なんだよね。まあ、個人的な考えだけどね。

「まあ、不動准将にその様な決意があればこそ、我々が頑張って行かなくてはいきませんな」

「そうだな。マツナガ少佐の言う通りだな。まあ、俺は帝国の可愛女の子をナンパするけどな」

ライデン少佐。貴方はそんなに黄色い声援が欲しいのかい?なんなら、幾らでも呼び出してあげるよ?まあ、人それぞれだからな。

「不動准将。我々の乗る機体は、何を使うのですか?」

「おお!そうだったな。伝えるのを忘れていたな。ガイア大尉達は、ザクⅠ(黒い三連星仕様に、チートチューンアップ済)だ」

この機体は、機動戦士ガンダム~めぐりあい宇宙~の外伝黒い三連星のルートの中で出来た機体だ。まあ、チート仕様になっているせいで、第三世代戦術機位では、相手にならないんだけどね。まあ、教導と言う事なので造ってみたんだ。

「ザクⅠですか。懐かしい機体ですな。まあ、教導ならそれくらいで丁度良いでしょうな」

「なに、黒い三連星が1個師団に相当すると思ってるから、あえて古い機体にしてみたんだ。必要ならザクⅡRー1型も持ってきてあるから、乗り換えても構わないぞ」

「大丈夫です。そこまで言われて乗り換えたら、軍人の恥じですわ」

やはり、ジオン公国時代キシリア・ザビの下で戦果を上げ続けた一流の戦士だけはある。旧式の機体に何一つ文句を言わない辺りが、一流だな。

「俺が乗る機体はなんですか?」

「ライデン少佐は、三日前に授与したばかりの新型ザクⅡRー2型に乗ってもらう。僚機は、シン・マツナガ少佐と一般兵だ。マツナガ少佐はザクⅡRー1型。一般兵はザクⅡF2型だ」

「俺は新型ですか?まあ、俺は構いませんが良いんですか?新型を周りの連中に見せても?」

まあ、普通新型の御披露目は世界に発信してからなんだけど、今回俺はもう一機新型を御披露目するつもりだ。

「まあ、Rー2型に関しては四機しか、生産する気はないから問題ない。大体コストが掛かりすぎて、確実な腕のパイロットにしか渡せないよ」

実際は、ガンダムの世界でも四機しか生産されなかったから、合わせただけなんだけどね。

「そうすると、ガトー少佐達はザクⅡRー1型ですか?」

「そうだよ。イルマ中尉はCP将校(コマンドポストオフィサー)を担当してもらう。シーマ中佐は俺の護衛をしてもらう」

「「了解(だよ)」」


「操縦席から、機内の人員へ間もなく本艦は帝国厚木基地に着陸します。各種搭乗員は、座席に座りシートベルトを着用してください。繰り返します」

そうこうしているうちに日本帝国についたようだ。アウドムラが着陸体勢に入る。イルマ中尉も俺の隣に座りシートベルトを着用する。ゆっくりとアウドムラの速度が落ちて滑走路に進入していき、キキーと音が響き少しして機体が止まる。無事に着陸出来たようだ。

「当機は、日本帝国厚木基地に到着致しました。またのご利用、お待ちしています」

なんだか、民間の飛行機に乗って旅行に来たみたいな。まあ、沖縄なら行きたいけどな。今の時期だと、本州寒いし。なら秘密基地のある気候に近い沖縄がいいな。

「不動准将。外の準備が出来ております。出る準備が済しだい、出口に来てください」

マツナガ少佐が外の確認を行い、準備が完了した事を伝える。

「分かった。直ぐに出るぞ。皆、準備は出来てるな?」

俺の問いかけに皆が頷く。其を確認すると、俺は立ち上がり身なりを整えて出口の前に立つ。ドアが開いているので、そこから外に出ると、将兵達が左右一列に並び俺に敬礼した。俺は階段を降りる。地面には、赤い絨毯が敷かれていた。その上を歩いて進むと、俺の出迎えに来た日本帝国の人達が待っていた。一人は帝国軍の将官の制服を着ていた。恐らく厚木基地の司令官だろう。その後にいるのは、帝国軍の制服に身を包んだ巌谷榮二中佐だ。更にその後には、TEのメインヒロインでこの世界の俺の幼なじみの篁唯依中尉が居た。

「どうも初めまして。
この度帝国軍にて教導をする事になりました、国連事務総長直轄部隊メビウス所属不動悠斗准将であります。よろしくお願いいたします」

「これはこれは、私は厚木基地司令官の井上大佐と申します」

井上大佐が、握手を求めて来たので笑顔で握手する。まあ、モブキャラの貴方はどうでも良いです。井上大佐と握手を交わし、その後ろに居る巌谷中佐の方に進む。

「お久しぶり振りです、巌谷中佐。八年前に送り出して頂いた以来ですね」

「久しぶりですな、不動准将。この度は、教導に来ていただき感謝しています」

巌谷中佐とも握手を交わす。すると、巌谷中佐の横に篁中尉が来る。

「久しぶりだね、唯依ちゃん」

「不動准将、幾ら幼なじみでも任務中にその様な呼び方は、遠慮していただきたい」

相変わらずお堅い性格の様ですね。まあ、彼女はオルタの世界では非常に真面目な軍人だったから、しょうがないけどね。

「相変わらずお堅いね。そんなに肩肘張る必要は、ないよ。出来ればもっとフレンドリーに接してくれると、嬉しいけどね」

「ですが、不動准将は上級将校です。失礼な態度をしないのが普通かと」

流石軍人の鏡だね。だが、今の台詞は駄目だね。この世界の設定だと、幼なじみだから人目が無いところなら、フレンドリーに話してくれることを、期待するしかないな。クソーなかなか大変だぜ。

「まあ、こんな所で立ち話も何だから、基地の中でゆっくり話そうじゃないか」

「そうですね。此処では少々風が冷たいですから、女性達が風邪を引いたら大変ですからね」

俺は、巌谷中佐に勧めらるまま厚木基地の中に入って行った。イルマ中尉達は違う入口から、基地に入って行く姿が見えたので、同じ基地内にはいるようだ。
巌谷中佐に、案内された部屋に入る。ソファーに座るよう勧められたので腰掛ける。俺の前に巌谷中佐と篁中尉が座る。

「まずは、久しぶりだね悠斗君。八年前に軍に君を送り出す時に会った以来だね」

にこやかに、笑う巌谷さん。顔の傷が無ければかなりのダンディーな人なんだけどな。

「久しぶりです巌谷さん。相変わらず元気そうで、何よりです」

「なーに、今は俺に話す事よりも、違う人に言うことがあるだろう?」

ニヤニヤしなが、俺を見る。この人俺で遊ぶきだな?

「そうでしたね。唯依ちゃん。久しぶり会ったけど、元気そうで良かったよ」

笑顔で篁中尉の方を見ると、なにやら頬を赤くした篁中尉がいた。

「いえ、私の方こそ久しぶりです。最後に手紙をもらってから一月以上経ちましたが、忙しかったのですか?」

おい!この世界の俺は、篁中尉と手紙のやり取りをしていたんですか?流石に知らなかったな。適当に話を合わせよう。

「ゴメン。
MSX関係の仕事で時間が取れなく、本当なら日本に帰ってくる前に手紙を出して置けば良かったね」

頭を座げる。誠意を込めて謝る。何が有ったとしても、自分が悪いと言わなけれならないのが男だ。

「ゆ、悠君!頭をあげてよ」

アワアワと、慌てる篁中尉。中々レアなシーンだなぁと考えていた。取り敢えず頭を上げる。少し顔の赤さが増した篁中尉が居た。何だか、可愛いなと思った。てか、悠君て言ったよな?つまり、この世界俺は悠君と呼ばれていたんだな。なら、此れからはそう呼んで貰いますか。ニヤリと笑ってしまった。下手すると悪人顔をしてるんじゃないか俺?「悠君?」いかん、やっと篁中尉にそう呼んで貰えたんだ、このチャンスを逃がす訳にはいかない。

「やっと、昔みたいに呼んでくれたね唯衣ちゃん。八年振りに会ったけど、凄く綺麗な美人の女性になったね」

カァーと顔が赤くなるなり、俯いてしまった。なんか変な事を言ったか?

「フハハハ!相変わらず、自覚がないようだな?」

「巌谷さん。何の話ですか?」

「本当に気がつかないのは、ズジ金いや鋼入りの様だね」

やれやれと、言った感じの表情をする巌谷中佐。なにが鋼入りなんだ?

「そ、そうだ!悠君は、どれくらいの間、日本に居られるの?」

いきなり復活した、篁中尉が尋ねてきた。

「俺かい?そうだな、MSXの教導に来たとは言え、そんなに長くは日本に居ないな。精々二週間位かな?」

あんまり長くは日本に居られないよな。秘密基地に戻って、来るべきBETAの日本進行に備えたいし。俺が社長の民間の会社が有るしそこに、MSXの流通事業だけでなく、一般的な物にも事業展開していきたいんだよな。幾ら表向きには、メビウスが開発と製造しているとはいえ、輸送や販売は民間の会社にやらせているのさ。軍が民需を潰してはいけない。だからわざわざ、民間の会社を設立したんだからな。ちなみに、従業員は全員創造の力で呼んだ、ジオン公国の諜報員達(ギレンの野望より)だから、凄い優秀だよ。あの広い地球連邦の基地や作戦やらを全部調べてくる位だから、この世界のありとあらゆる情報が、入ってくる。彼等の強みは、民間人の振りをして調べるから、民需の状態を調べるなんて訳がないのさ。

「そうですか。では、その間で暇な日はありますか?」

「うん?まだ、分からないけど唯依ちゃんからのお誘いなら必ず行くから大丈夫だよ」

此処で仲良くなっておけば、アラスカ行ってからも唯依ちゃん一人で、孤立する事はないだろう。ユウヤ・ブリッジスは、日本嫌いで最初の頃は、激しくぶつかるだろうし、大変な事になるだろうから、俺がクッションがわりになれると良いんだけどな。

「そうなの。ありがとう。出来たら一緒にお墓前りに行って欲しいと思ってね。悠君の事を両親に報告したいから」

そう言えば、篁中尉の両親は既に鬼籍に入ってるんだったな。忘れていたぜ。

「分かった。時間を調節しておくよ」

「うん。よろしくね」

ハニカミながらの笑顔をくれた篁中尉。正直めっちゃくちゃ可愛いです。だから、ついつい頭を撫でてしまいました。

「やっぱり、唯依ちゃんは笑顔が似合うよ。真面目な顔も凛々しいけど、笑顔は凄く綺麗だからね」

やっぱり、篁中尉の笑顔は最高です。やっぱり、ユウヤ・ブリッジスには、勿体無いよな。まあ、唯依ちゃんの心を掴めるかは、彼しだいなんだけどね。そんな事を考えながら篁中尉の頭を撫でる。顔が真っ赤なトマトみたいになっていた。

「ゆ、悠君!?う、嬉しいんだけど、は、恥ずかしいから出来れば止めてくれると助かるのだけれど」

そう言われて、手を離す「あ!」と言う声が聞こえたが、よほど恥ずかしかったのだろうか、耳まで真っ赤になっていた。

「ゴメン。ついつい、撫でたくなっちゃってさ。嫌なら、もうしないからさ」

「い、嫌じゃないよ!ただ、恥ずかしかっただけだから」

どうやら恥ずかしかっただけらしい。しかし、なんで俺に撫で癖が有るんだ?この世界の俺は撫で癖があったのか?よくわからないのであった。

「いやはや、二人とも熱いことで。これなら、俺は早い内に孫の顔が見れるかな?」

「い、巌谷中佐!何を、言っておられるのですか!」

「いや、二人の空間を作っていたから、早い内に孫の顔が見れると思ってな。なーに、唯依ちゃんだって、まんざらじゃないんだろ?」

何だか、しどろもどろになっている篁中尉。孫の顔がどうとか、言っているがまだ篁中尉は結婚する気はないんだろ?また、巌谷中佐の暴走か?

「巌谷さん。余り唯依ちゃんをからかわない方が良いですよ。唯依ちゃんだって、結婚するかはまだ分からないでしょうに」

何故か、ため息をする巌谷中佐。更に俯く篁中尉。

「唯依ちゃん。相手は鉄壁だよ。要塞攻略は難しいぞ」

「はい巌谷中佐。かなり大変だと、思いますって!違います!まだ私は「あーと、俺は他の仕事があったんだ。後は唯依ちゃんに任せた!じゃあ悠斗君後は宜しく頼むよ。唯依ちゃんをよろしく頼む」って、巌谷中佐!」

そう言って、巌谷中佐は白い歯をキラリと輝やかせ、スタッと立ち上がり風の様に部屋を出ていった。ぶっちゃけ、どうしろと?取り敢えず、篁中尉を落ち着かせるか。

「唯依ちゃん、取り敢えず落ち着いてくれ」

今にも、巌谷中佐を追いかけて行きそうな篁中尉を止める。まあ、追いかけもらっても良いんだか、巌谷さんが大変なことになりそうなので、止めとく。

「あ、はい。すいませんでした」

慌てて、俺に謝る篁中尉。いや、本当なら追いかけてもらっても構わないんだけど、まだ明日の演習の打ち合わせしてないから、流石に居なくなると困るな。

「いや、落ち着いてくれたなら構わない。明日の演習の件何だが打ち合わせしてないから、したいんだけと良いかな?」

「あっ!そうでしたね。その件なんですが、本当ならこの厚木基地の演習場で行う予定だったんですが、急遽変更になりまして富士第一基地にて行う事になりました」

富士第一基地と言うと、富士教導隊がいる基地ですね。何か作為的な物を感じるな。

「そうか。遠くになるが問題ないないな。そうすると、戦うのは富士教導隊かな?」

「はい。それと帝都防衛第1師団第1戦術機甲連隊の沙霧尚哉中尉の率いる第1中隊です」

な!沙霧かよ!マジか?誰が仕組んだんだよ?この面子は、クーデターを起こした連中じゃないか。裏で動いているのは、アメリカか!やってくれるじゃないか。今は、国連事務総長直轄部隊に格下げになっている、俺に対する嫌がらせか!これは、ハマーン・カーン事務総長に相談する必要があるな。最悪の事態も考えてをく必要があるな。其から幾つかの打ち合わせをして、お開きになった。




悠斗sideout



唯依side



私は不動准将との打ち合わせを終えて、厚木基地にて用意された部屋で休んでいた。八年振りに再開した彼は、八年間と言う時間を感じさせないくらい昔の様に接してくれた。彼はこの八年で大きく成長し、並々ならぬ実力で若くして国連軍准将と言う立場まで上がった。対して私は、斯衛軍中尉止まりだ。比べる必要もないくらい、差がある。家の身分は同じ山吹でありながら此処まで差がついてしまった。幾ら幼なじみでも、軍と言う組織の中に入ってしまえば、階級がものを言う社会だ。本来なら、任務中であればあれほど馴れ馴れしく話してはいけない。でも、悠君は違った。幾ら階級が上でも身内だけになったら昔の様に名前で呼んでくれた。しかも、綺麗だと言ってくれたのだ。

「悠君」

彼の名前を呼ぶたびに、心の奥の方が暖かくなる。目を閉じると、彼の笑顔が浮かぶ。笑っていた顔は凄く魅力的だった。彼が日本に居られるのは、二週間程だ。出来ることなら、もう少しお話出来ると言う良いな。等と考えている内に私の意識は、闇へと落ちていった。



唯依sideout
 
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