ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第12話 =決着=
=47層=【称号・抜刀騎士】
本当に俺たちが予想してきたとおりに出てきたなこいつら…
今回はこのオレンジギルドの皆様をおびき出すために歩いてきたけど、安全策として転移結晶使ったらどうしたんだろうな?
「え、でも……だって……ロザリアさんは……グリーンですよ…」
「オレンジギルドって言っても全員がオレンジプレイヤーなわけじゃないの…
グリーンの人が獲物を品定めして待ち伏せポイントに誘導…
多分、昨日盗み聞きしたって人もあの人たちの仲間だよ…」
サチが後ろのシリカに説明してくれている。
まさかの説明をされたシリカは愕然としながらロザリアを見ていた。
「じゃ……じゃあ、この二週間、パーティに居たのも」
恐怖を抱いたシリカの顔に満足気で、そして毒々しい笑みをロザリアは浮かべている…気持ち悪い…
シリカの続きの言葉をユカが引き継いだ。
「えぇ…シリカちゃんの入っていたギルドに狙いを定めていたから…」
「そして今ここにいるのはシリカが『プネウマの花』を採りに行くから、というのを聞き
それを狩る為にいま、ここで待ち伏せをしていた…そうだろ、リーダーさん?」
俺たちの推理に先ほどよりも毒々しい笑みを浮かべ「よくできました」といわんばかりだ。
「でも…そこの子たちもそこまで分かってながらノコノコその子に付き合うとか…馬鹿?男の子に関しては本当に体でたらしこまれちゃったの?」
「…馬鹿はあってるかもしれないわね…『リクヤは』だけど」
「おいお前、なんで俺の名前だけ強調した!?」
横で見下すみたいな目で俺を見ているユカがいる。
こ、このやろう…俺よりか勉強できるからって…いつか仕返ししてやる…
「アンタの予想ははずれだよ。俺、ロリコンじゃないからな。
…ただ単に、俺たちもあんたたちを探してたんだよ…≪タイタンズハンド≫の皆さん?」
「……どういうことかしら?」
俺はそこから≪シルバーフラグス≫のリーダーに敵討ちを依頼されたことを話した。
あの人が前線で泣きながら頼んでいる姿を思い出しながら…
「リーダーは俺たちに『殺してくれ』とは言わなかった。『黒鉄球の牢獄』にぶち込んでくれ…これだけだ。アンタにあの人の気持ちがわかるか?」
「解んないわよ。マジんなっちゃって馬鹿じゃないの?本当に死ぬなんて証拠あるわけないし現実に戻っても罪にならないわよ。
大体、戻れるかさえ怪しいのにさ。こんな世界で正義、法律を振りかざすやつが大っ嫌い」
「ならあなたは、現実でも法がなかったらここと同じ生活をするんですか!?」
サチが敵…ロザリオに向かって叫ぶ。が、ロザリオはそれをためらう様子もなく肯定した。
「…人間じゃ…ないよ…そんなの…」
「ふーん、関係ないわよ…で、アンタ等その死に損ないの言う事真に受けて、アタシらを探してたわけだ。ヒマな人だねー。ま、あんたのまいた餌にまんまと釣られちゃったのは認めるけどさぁ、たった4人でどうにかなるとでも思ってんのかしら?」
ロザリアは唇に嗜虐的な笑みを浮かべながら、右手を掲げて素早く二度宙を扇いだ。
途端に向こう岸の両脇の木立が激しく揺れ、茂みの中から次々に人影が俺たちの前のロザリアの後ろに現れる。ゲームならではのその人に表示されるカーソルは紛れも無い禍々しいオレンジ色だ。その数……10
絶対にないが、もし気がつかなければ俺たちはリンチにあって花をとられ、最悪死んでいただろう。
だが、その10人のオレンジ色の中にグリーンが1人いた。おそらくこいつが盗み聞きした張本人なのだろう。
「ひっ…」
「大丈夫だよ、シリカちゃん」
その10人は現実の漫画でよく見るチンピラを代表したような格好をしていてシリカは拒絶反応を起こしたのか声を上げている。
それをサチがなだめ、自分の後ろに隠し棍を構えなおす。
「み、皆さん…逃げましょう…数が…多いですよ!」
「サチ。棍をしまって転移結晶を一応用意してくれ。シリカとユカも。
でも俺が使うなって言うまではもったいないから使うなよ」
転移結晶は意外と高いからな。
本当にピンチのときじゃないと使うに使えないんだよな…って思っているのは俺だけだろうか?
「かっこつける気?…ま、いいけど」
「うっさいな……さて、行きますか」
そうつぶやきながら俺は背中の真ん中くらいに横向きで装着した鞘から大剣を抜きダランと構える。
「リクヤさん!」
何もそんな泣きそうな声を出さなくても…
だが相手のほうにシリカが俺の名前を言ったことで反応したやつがいた。
「片手の大剣使い…その白い格好…『破壊神』…?」
急激にその男の顔が白くなり数歩後ずさった。
だから俺、その2つ名…嫌いなんだけどな…守りたいって思ってるから硬さもあるこの称号にしてるのに破壊してどうするんだよ…
「や、やばいよ、ロザリアさん。こいつ…こ、攻略組だ…」
一応攻略に参加しているその2つ名の持ち主は俺であってるよ?
後ろを少し見るとシリカも驚きの眼差しでこちらを見ているな~これも含めて謝らないと…
「こ、攻略組みがこんなところにいるわけないじゃない!!どうせ名前かたってびびらせようってコスプレ野郎に決まってる!!
もし当人だとしてもこの人数なら余裕だわよ!!」
この世界でコスプレしたって意味ないだろ…2つ名がつくって事は顔も知られてるんだし…
でもこいつら単純だなー…リーダーの発言にやる気出しなおしてる。それをほかのところに使えっての。
「そうだ!攻略組みならすごいアイテム持ってるに決まってる!!美味しい獲物じゃねぇか!!」
さらに副リーダーのような男が便乗してさらにやる気?を出させている。
そしてそのまま抜剣するオレンジたち。
「り、リクヤさぁん…」
「大丈夫だよ、シリカちゃん…リクヤは強いから!」
サチの期待の声が聞こえるな。こりゃかっこ悪いところは見せられないな!
と、思っている間にも男等の一人が俺に切りかかってくる。もちろん斬られるエフェクトはつくけど…
男が結構な数群がってくるのは気持ち悪いな…
でもダメージ食らっても一向に俺のHPは減っていない。
後ろで早く殺せ、というロザリアの声が上がりさらに攻撃が増す。
だが異常なほどおれのHPは上がらない。それに反応したかのように男が悲鳴に似た声を上げる。
「ユカ?10秒で俺に与えたダメージは何くらいだった?」
「え?…えっと…400と少し…ね…」
「おっけ。さて、あんたらも気づいてるかもしれないけど俺のHPは減ってないよ。
この種明かしでもしようか…俺のレベルは67。HPはどうせ減らないから教えないんだけど戦闘時回復スキルの自動回復が10秒で500。
さて、何時間かければ倒せるからな?ちなみにお前らをここから通す気もないから」
俺の種明かしに男等全員が後ずさる。
「むちゃくちゃじゃねぇか…そんなもん!!」
「当たり前だろ、そんなことは…レベル差が圧倒的に下の人が上の人に勝てたらレベルなんて関係ないだろ…
これが数字があがるだけで差がつくレベル性のゲームの恐ろしさなんだよ…」
その言葉と同時に俺は前へと歩き出す。
すると、俺の前にいた男等はどんどん後ろへ下がっていく。
「チッ…転移…」
「…させないわよ!『シューティング』!!」
ロザリアは転移結晶を手に持ち掲げながら転移しようとするがユカがソードスキルを発動させ転移結晶だけを打ちぬき中断させる。
…『シューティング』は1本限定で発動後硬直が大きい代わりに尋常じゃないスピードで投剣を投げることができるスキルだ。
「…たく、手を出すなっていったろ?助かったけどな」
ちょっとまさかの出来事だったからユカに助けられたな。
速さがないのは大剣士であるものにまとわりつく絶対的な弱点だな。
俺はそんなことを思いながらロザリアの襟首をガッとつかむ。
「な、何するんだよ…!放せよど畜生!!」
「放せといわれて放す人はいないだろ…さて、あんた等にはこの【回廊結晶】で牢獄にいってもらう!
あとは軍のやつ等に面倒は任せるけどな」
「…もし、嫌だといったら?」
「無理やりにでも投げる」
その答えにロザリアあきれたような、でも恐怖を感じているような表情を浮かべた。
さすがに幼馴染と、友達が死んだ…俺が殺したも当然な仲間、小さな女の子の前で殺しはしたくないな。
「コリドー・オープン!っと」
俺が牢獄までの道を開くとどんどんオレンジが入っていく。
いろいろ言ってくるけど犯罪者にそんなこといわれる筋合いはないな~
男最後のグリーンはほかの男に続き最後に残ったのは赤毛の盗賊…ロザリアだった。
「やりたきゃやってみなよ…グリーンのあたしを傷つけたら今度はアンタがオレンジに…」
「お姉さん?大剣を片手で持つところ見てなかった?多分軽くアンタを投げれるくらいの筋力値はあるよ?」
その表情は完全に恐怖で硬直していた。
大剣は軽くても片手で持てる片手剣の数倍の重さがある。
そして俺のはボスドロップのブルードザオガー、1層ボスのものだとしてもここ以上まで通用する武器だ。
最初は俺も片手では持てなかったからな…
「ちょっと、やめて、やめてよ!許してよ、ねぇ!!…そ、そうだアンタとアタシで組まない?
あんたの腕があればどんなギ「いいお誘いだとも思わないし、俺はそんな理性の書けた行動とりたくないからな、人間として。」
そういいながら放り投げる。ロザリアが入った直後ここと牢獄を繋いだ回廊結晶でできた光の渦も消滅した。
あのサチの問いかけにも普通に肯定したやつなんかと行動なんて一緒したくないな。
「リ、リクヤさん…」
「シリカちょっといいたいことがあるんだけど…いいか?」
「これ…いいんだよね…しなきゃいけないんだ…」
「えぇ…あとは…」
俺とサチ、ユカはシリカにふり返る。
そして…
「「「ごめん!」」」
「え、え、えぇ!?」
突然謝られたシリカはうろたえている。…なんか毎回毎回うろたえてる気がするのは気のせいか?
「実は私たち、シリカちゃんがあいつ等に狙われてるって知ってたの…」
「うん…それでおびき出すための囮って言ったら失礼だけど…ううん、囮にしちゃった…」
「本当にごめん!!全然本当のこと言えなくて…」
俺たちの謝罪にもシリカはずっと首を横に振っている。
俺には何を考えているのかはまったくわからない…もしかしたら拒絶されてるのかも…
「あの、さ…街まで送ってくよ」
「は、はい…ありがとうございます…」
俺が手を伸ばし、シリカがそれをつかむ…
手を握るのも嫌だ!ってほど拒絶はされて内容で少し安心した。
でも街の俺たちが泊まった部屋に着くまで誰一人言葉を発することはなかった。
=35層 宿屋『風見鶏亭』=
「…あ、あの!!」
部屋についてすぐ、シリカが声を上げた。
「…どうした?」
「えっと…いまからピナを生き返らせるんですけど…一緒にいてくれませんか?」
「…うん、私もピナとあってみたい」
「…シリカちゃんがいいのなら…私も賛成よ」
先ほどの告白からシリカの意見がわからないのでよそよそしくなっている俺たち。
「あ、あと…さっきはありがとうございます!
さっき囮って言ったけど私はきにしてませんから!ピナを生き返らせれるのもリクヤさんたちのおかげですし!」
「そっか。ありがとな、シリカ。」
俺は無意識にシリカの頭に手を載せてなでていた。
顔を赤らめていたのは気のせいだろう。サチたちはその言葉をきいて少しだけど涙目になっていた。
「グスッ…さて、はやくピナを生き返らせよ!」
「えぇ…そうね!シリカちゃん、心アイテムに花のしずくを振りかけてあげて」
「はい!」
シリカはそういいストレージからまずピナの心を机に置きプネウマの花を取り出しこの中のしずくをかけた。
すると、しずくが一滴当たった瞬間心が光だした。その光はどんどん大きくなり竜の形に変わってゆく。そしてその光が晴れた場所には水色の竜がそこにはいた。
「キュル!」
「「「…やったぁ!!」」」
「おかえり…ピナ!」
シリカは生き返ったピナに抱きつき涙を流した。きっと今まで溜まっていたもの、そしてうれしさで涙が流れ出たのだろう。
3人で喜んでいたが、その光景を見て微笑ましくおれたちは静かになっていった。
後書き
涙「そんなの絶対おかしいよ」
リ「ぶるらじ見たからって感化されるなよ」
涙「声優さんについては普通の人よりか知識あると思ったけど…」
リ「まさか悠木さんが…な…」
涙「いや、有名なんだろうけど…あそこまで反応してるなんて…」
リ「なんどもプラチナがホモォに変身してたからな…そして画力の無駄遣いとも言われてたし」
涙「でも、好きだ!」
リ「でも…一番すきなのは?」
涙「かな恵さん!!これだけは譲れない!SAOのきっかけもこの人!!」
リ「もう駄目だ、手遅れだ」
ページ上へ戻る