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久遠の神話

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第百六話 決戦の前にその十

「やっぱり動かないとな」
「駄目ですね」
「まあとはいってもな」
「とはいっても?」
「あまり動かない奴もいるよ」
 剣道をしていて、というのだ。
「あの俺が懲らしめた暴力教師はそうした生徒を罵り倒してたらしいな」
「言葉の暴力も酷かったんですね」
「拳とか足以外にもな」
「何処までも酷い奴だったんですね」
「学校の先公ってのは暴力振るっても外に話が出にくいんだよ」
 部活にしても体育館等閉鎖された空間で行われたりすればわかりにくい、トイレに連れ込んで殴ればな尚更である。
「ばれてもな」
「それでもですね」
「職員室で話が止まるとかな」
「普通なんですね」
「庇われるんだよ」
 教師の間で、というのだ。
「そうした不祥事は」
「学校の不祥事になるからですか」
「校長とかの失点にもなるしな」
「だから学校の先生の暴力は表に出ないんですね」
「表に出ないからな」
 だからこそ、というのだった。中田も。
「余計に酷くなるんだよ」
「ばれないと怖いものなしですからね」
「腐った奴にとってはな」
「じゃあ学校の先生の世界は」
「あれだよ、密閉された林檎や蜜柑の箱だよ」
 そうした世界だというのだ。
「腐った果物が取り出されない、な」
「じゃあその腐った果物は」
「そうした果物は取り出さないと駄目だろ」
「はい、絶対に」
「どうしてもな、どんないい林檎や蜜柑の箱にもな」
 腐ったものはある、どんな素晴らしい林檎達の中でも箱に一個は必ず腐ったものが混ざっているとも言われている。
「混ざってるからな」
「だからですね」
「そうした腐ったのは取り出さないとな」
「他の果物も腐らせますね」
「学校の先公の世界はな」
「その腐ったものが出されないんですね」
「ああ、そうだよ」
 まさにだ、そうなるというのだ。
「だからまずいんだよ」
「そういうことですね」
「腐った奴はどんどん腐ってな」
「取り出されないからですね」
「他の人も腐らせていくんだよ」
「先生の世界もとんでもないですね」
「公立なら尚更らしいな」
 公立学校の教師は公務員扱いになる、暴力をどれだけ振るっても問題ならないある意味ヤクザ者よりも暴力常習者にとっては素晴らしい仕事だ。
「日教組もあってな」
「あの組織も酷いんですよね」
「北朝鮮の教育が理想だったらしいしな」
「あの国の、ですか」
「しかも先公の不祥事を徹底して隠すな」
「そうした先生の為の組織ですね」
「それが日教組なんだよ」
 そうした組織の力もあって、というのだ。
「先公の世界は腐ってくんだよ」
「何かどうしようもないですね」
「だからあんな奴がのさばってたんだよ」
 ならず者そのままの教師が、というのだ。
「生徒を自分の出世の駒としか思ってない様な奴がな」
「生徒は駒ですか」
「部活が強くなると育てた奴の功績になるだろ」
「その功績で、ですね」
「ああ、評価も上がって出世するからな」
「だからなんですか」
「そうした先公は生徒に出鱈目なことをするんだよ」
 自分の意のままではない、つまり強くないからだ。
「駒としか思ってないからな」
「本当に酷い話ですね」
「俺はあいつの人生を潰したことは悪いって思ってないからな」
 それも全く、というのだ。 
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