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ダブルアクション

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第三章

「続けるんだ」
「わかりました、じゃあ」
「頑張ってみます」
「大会目指してみるか?」
 津山は二人にこうも言った。
「そうしてみるか」
「大会をですか」
「それを」
「確かに今はまだまだだ」
 このことは津山も否定しなかった。
「技術的にもな」
「それでもですか」
「大会を」
「そうだ、目指してみるか」 
 それをというのだ。
「二人共それぞれシングルを持っているけれどな」
「あれですよね、ペアを選んだ時は」
 淳が津山にだ、二人で一緒に大会に出る場合のことを言った。
「シングルは」
「ああ、どっちかに専念すべきだからな」
「だからですね」
「その時はな」
「はい、ペアに専念するんですね」
「そうした方がいいな」
「どっちか、ですか」
 淳は津山の話を聞いてから麻友に顔を向けた、そのうえで言うのだった。
「一人か二人か」
「両方出ることも出来るがな」
 それは可能と言えば可能だ、だがだった。
 それでもだとだ、津山は淳だけでなく麻友にも忠告した。
「それは難しいな、それもかなりな」
「そうですよね、だから出るのならどっちかですね」
「それがベストだな」
「わかりました、じゃあ」
「よく考えるんだ、その辺りは」
 どちらに出るかはというのだ。
「二人でな」
「はい、そうさせてもらいます」
「私達で話し合ってみます」
 淳だけでなく麻友も津山に答えた。
「そうしてです」
「よく考えさせてもらいます」
「そういうことでな」
 津山は二人に話してだ、そしてだった。
 淳と麻友は二人で実際に話し合った、部活の後でマクドナルドに入った。二人共制服で麻友はスカートの丈の短いブレザーを可愛く着こなしている。淳は青い詰襟の服を着てそのうえで麻友の向かい側に座っている。
 その彼にだ、麻友はバニラシェイクを手に言った。
「どっちかよね」
「そう、シングルかペアか」
「どっちに出るかよね」
「俺達がね」
 淳はティーを前にして応えた。
「どっちかにするかだよ」
「そうよね、どうしようかしら」
「麻友ちゃんはどう思う?」
 淳はまずは麻友の考えを尋ねた。
「どっちに出たいのかな」
「私は」
「そう、どっちかな」
「ううん、そう言われるとね」
 麻友は淳の問いに難しい顔で応えた。
「難しいわね」
「そう言うのね」
「ええ、どうもね」
「やっぱり答えが」
「ちょっと出ないわ」
「俺もだよ、どうもね」
「どっちかって言われるとね」
 麻友はまた淳に言った。 
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