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ジャガイモ

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第四章

「飲んでくれよ」
「そうか、サービスならな」
「こっちもな」
 喜んでだとだ、マッチェネッリとメイオッティはそれぞれぞれ答えてだった。
 そのうえでだ、二人の前にソーセージにジャガイモに。
 それに大ジョッキにたっぷりと入ったビールも来た、勿論ザワークラフトやアイスバインも。親父は二人にそういったものを山盛りで出してから言った。
「じゃあ食ってくれ」
「ジャガイモをか」
「こいつをだな」
 二人の前にはとりわけだった、茹でられて上にバターを乗せているジャガイモにパンケーキ、それに団子にしたものに潰したものがあった。 
 そのジャガイモ料理、何種類もあるそれを見て二人は言った。
「さて、じゃあな」
「今から食うか」
「ビールと一緒にな」
「ドイツ人らしく」
「ああ、遠慮はいらないからな」
 親父もカウンターの中から二人に言ってくる。
「食ってくれよ」
「よし、わかった」
「食わせてもらうな」
 二人も応えてだ、そしてだった。
 ここで実際にそのジャガイモ達を食べてみる。二人共今でもジャガイモはイタリア人には相応しくない等と考えていた、そのうえで。
 口に入れてみる、その瞬間だった。
 二人はまずは目を瞠った、そうして。 
 すぐにもう一口入れた、同時に。
 そうしてがつがつとさえして食べながらだ、黒ビールも飲んでから言った。
「美味いな」
「ああ、美味いよ」
「何だよ、この味」
「かなりいいじゃないか」
「これがドイツのジャガイモか」
「ジャガイモ料理なのか」
「どうだい?ドイツの味は」
 ジャガイモ料理をどんどん食べる二人にだ、親父は会心の笑顔で問うてきた。
「いいだろ」
「ああ、凄いよ」
「こんな美味いんだな、ドイツのジャガイモは」
「ビールと最高に合うな」
「抜群の味だよ」
「イタリアのパスタとワインにも負けていないよな」
 この組み合わせにもだというのだ。 
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