オズのモジャボロ
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第八幕その十
「だからだよ」
「お肉やお魚じゃないといいんですね」
「今の我々はそうだよ」
「草だけじゃなくて」
「そう、野菜や穀物なら何でもいいんだよ」
そうなったというのです。
「我々の食生活も変わったんだよ」
「煮豆も凄く美味しそうですね
カルロスはこのご馳走に注目しています。
「食べることが楽しみです」
「それではね」
「はい、いただきます」
こうしてでした、一行は驢馬の国でもご馳走を頂くのでした。どのお野菜も素晴らしい素材でしかもシェフの腕もよくて。
楽しめました、ドロシーは野菜ジュースを飲んで言いました。
「お肉もいいけれどね」
「お野菜もですね」
「とても美味しいですね」
「そう、どの食べものもバランスよく食べてこそよ」
身体にいいとです、五人にお話するのです。
「そうしたら健康になれるのよ」
「オズの国でも健康ってあるんですね」
「病気にはならないけれど」
老いることも死ぬこともありません、そして病気になることもです。
しかしです、それでもなのです。
「身体の調子が悪くなるから」
「だからですね」
「バランスのいい食事はオズの国でも大事なんですね」
「この国でも」
「そう、だから私もね」
ドロシーにしてもだというのです。
「ちゃんといつも気をつけてるの」
「そうなんですね」
「バランスよく食べてこそですね」
「オズの国でも楽しく生きられる」
「そういうことですね」
「お野菜美味しいでしょ」
ドロシーは野菜ジュースを飲みながらにこにことして皆にお話します。
「だからお野菜も食べるべきなのよ」
「ですね、じゃあ驢馬の国の他の場所でも」
「お野菜頂きますね」
「これまでもお野菜は食べているけれどね」
実はそうだったりします、ドロシーも五人もこれまでオズの国のお野菜もかなり食べています。けれどこれからもだというのです。
「食べるのよ」
「はい、それじゃあ」
「これからも」
「うん、野菜はいいものだよ」
王様もここで五人に言いました。
「楽しく食べるに値するものだよ
「そうですね、本当に」
「楽しく食べましょう」
「この時だけでなく」
五人は王様のお言葉に笑顔で応えてなのでした、野菜のご馳走達を堪能しました。そうしてその楽しい宴の後で。
驢馬の国を後にして次の場所に向かうことにしました、王様は一行を国の門のところまで送ってからこう言いました。
「では都で」
「はい、お会いしましょう」
「次はあそこで」
「別れは次に会うまでのお別れだよ」
こうも言った王様でした、この場で。
「だから明るくね」
「笑顔で、ですね」
「別れないと駄目ですね」
「そうだよ、ではまた会おう」
「エメラルドの都で」
「楽しく」
こうお話してでした、そのうえで。
一行と王様は仲良く別れの挨拶をしました、そうしてでした。
一行は今度はミュージッカーのところに向かいました。その途中にトトが皆にこうしたことを言ったのでした。
「一つ気になることがあるけれど」
「どうしたの、トト」
「うん、ミュジッカーさんのことを考えて思い出したんだ」
その思い出したことは何かといいますと。
「ほら、つぎはぎ娘さんと一緒に蓄音機がいたじゃない」
「あの考えを持っている蓄音機ね」
「あの蓄音機さんどうなったのかな」
「確か今もマンチキンの国にいるわよ」
「生きているんだ」
「ええ、オズの国では誰も死なないからね」
だからだというのです。
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