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艦隊これくしょん!平和な鎮守府の日常?

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提督、体調を崩す

鎮守府食堂

夜も明けて明るく輝く朝の時間がやって来た。現在時刻は7:45、艦娘達は起床して朝食をとる為に食堂へと集まっていた。

「いっただきま~す!!」
「いただきます」
「あいも変わらずお前ら空母二人は良く食うなぁ」

空母コンビの加賀と赤城の席に同席している長門は思わずそう呟いた。それには電、ヲ級(愛称ヲッちゃん)、も首を縦に振って同意している。空母組みである二人は他の艦娘よりも多く資材を摂取したり多く食事をしたりしている。他の艦娘達と比べても一目瞭然で解るほどだ、約3倍といった所だろうか。

「(モグモグモグモグ)しょうがないじゃないですか。このぐらい食べらなければ動けないのですから」
「(パクパクパクパク)空母なんて皆多く食べますよ。まあ私は食べるの好きですけど」
「空母は皆、多く食べる……ねぇ?」

ちらりと目を横に向けると電に箸を使い方を習いながら一生懸命に御飯を食べているヲ級の姿があるが、彼女が食べている量は普通の艦娘達とほぼ同じだ。違うといえば、本人の好みなのか味噌汁が少し多めに入っている事位だ。それ以外は軽巡洋艦と同じ量を食している。長門は戦艦なので他よりも多めにとるが空母ほどではない。

「ヲッちゃんは天龍と同じぐらいだが?」
「「黙秘権を使います」」
「逃げたな」「逃げたのです」「逃ゲタ」

そんな三人の言葉を無視して加賀と赤木は食事を続ける。長門もやれやれと言葉を溢してから箸を取り、食事を始めた。今日も美味しくて何よりだ、だが何か違和感があった。

「………そう言えば提督の姿が見えないな」
「そう言えば、提督が見えないのです」
「ヲッ?(キョロキョロ)居ナイ」

そう、自分たちの提督の姿が見えないのだ。提督が来れば提督LOVE勢の艦娘達が挙って同じテーブルに着こうとするのだが今日はそれが起きていない。つまりまだ提督は食堂に来ていないという事になる。だが提督は何時も8:00になるまでには食堂に姿を現していた、自炊は出来ると言っていたがそれでも毎朝は艦娘達と食事をしたいので食堂へと足を運んでいる彼が姿を現さない。

「少し心配だな、今日の秘書艦は私だ。少し見てくる」
「ヲッ、私モ行ク」
「ああ、行こう」

食器を返却して食堂を出て提督の執務室へと向かう。提督は執務室の奥にある個人スペースで睡眠を取っている。一応執務室の扉をノックするが返答は無し。中に入るが何時も彼が座っている席には誰も座っていない。

「奥か?」

奥へと進み、もう一度ノックをしてから扉を開ける。そして見慣れた彼、提督が居た。

「て、提督!?大丈夫か!?」
「ヲヲッ!?大丈夫ナノ!?」

顔を真っ赤にし、荒々しく苦しげに呼吸をする提督の姿があった。長門は直ぐに駆け寄って彼を抱き起こす、額を触らなくても解ったのは彼の身体が凄い熱いという事だ。


「す、凄い熱だ!」
「な………長門……さんかい……?」

弱弱しく苦しげに、声を必死に絞り出すように喋る大佐。喋る事も満足出来ないほど苦しいようだ。

「大丈夫か!?しっかりしろ!!提督!!」
「だ、大丈夫だって………ちょっと、風邪を引いちゃっただけだからさ……薬でも飲んで寝てれば直ぐに………」
「馬鹿なことを言うな!こんな熱がすぐに直るものか!待ってろ今医務室に連れて行く!!」

大佐をお姫様抱っこをして運ぼうとする長門だが、提督の軽さに驚いた。

「(なっなんだこの軽さはっ!?確かに最近小食気味だと思ったが、男でこの軽さは可笑しすぎる!!)どうしてこんなに軽いのか気になるがそれは後だ!ヲッちゃん行くぞ!」
「ヲウッ!」

ヲッちゃんは既に扉を大きく開いてスタンバっていた、長門とヲッちゃんは共に執務室を飛び出して医務室へと大急ぎで走って向かう。医務室の扉を破壊するように飛び込むと、医務室に女医は驚いたようにコーヒーの入ったカップを落としそうになった。

「なにごとぉ!?長門ちゃんにヲッちゃん!?一体如何したのよぉ?吃驚したわぁ、それにドアは壊さないで欲しいわぁ」
「それについては謝る!扉も後でちゃんと修理する!でも今は提督を助けて欲しい!酷く苦しそうなんだ!!」

女医は苦しそうにする提督を見ると目の色を変えて彼をベットに寝かせるように言う。そして直ぐに医療道具を持って彼の診察を始めた。

「………これは詳しく検査しないと解らないけど全力を尽くすわ。二人も手伝ってくれるかしら」
「そ、それはいいが医学の知識は余り持ち合わせてはいないぞ」
「私モ」
「手伝ってくれるだけでいいのよ」
「「わ、解った!(解ッタ!)」」

この後、3人の必死の治療によって提督は落ち着きを取り戻した。そして彼が急性の肺炎である事がわかった。それは瞬く間に鎮守府中に広まり、皆提督の事を思い心配するのであった。 
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