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東方変形葉

作者:月の部屋
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変化と不変の入り乱れ
  東方変形葉10話「夜雀の屋台」

 
前書き
咲夜「そういえば、お嬢様。」
レミリア「なに?」
咲夜「彼に吸血鬼の弱点を変化させてほしいとなぜ言わなかったのですか?」
レミリア「私の弱点がなくなるということは、つまり吸血鬼を捨てたということになってしまうわ。私は吸血鬼に誇りを持っているからね。」
咲夜「なるほど。」
パチュリー「レミィ~?私の図書館に鮒寿司を放り込まないでくれる?」
レミリア「だって門番もいらないっていうんだもん。だからあなたの魔法の研究に役に立つかと思って。」
パチュリー「立つわけないでしょ。でも、小悪魔が勇気を出して食べたら、おいしいと言っていたわ。」
レミリア「そう。だったらあの子を珍味処理係にしましょ。」
パチュリー「・・・で、図書館にまだあの臭いが残っているんだけど、どうすればいい?」
レミリア「この前、あのメガネ男の店に消臭剤が売っていたから、なんとなく買ってみたの。それを使いなさい。」
パチュリー「あの人の品物にそんなまともなものがあるなんて知らなかったわ。」
レミリア「なんでも、平安時代に作られたらしいけど・・・」
パチュリー「むきゅ~っ腐ってるわよそんなもの!!」
 

 
スキマに入り、家に帰った。・・・のはいいのだが、家にはあまり食料が残っていないことに気が付いた。あれ?少しだけ減ってるような・・・あ、霊夢か。
「・・・どうしようか。」
仕方ない、どこかに食べに出かけよう。


しばらく歩いていると、屋台があった。よし、そこで夕飯を食べよう。
「いらっしゃい~・・・って人間?というかこのまえの・・・」
「あれ、この前の異変で戦った夜雀さんじゃないか。」
結構物騒なことを言っていた子だ。しかし、姿はちょっぴり幼いが、しかし大人びた雰囲気を出していた。
「まあ、人間であろうと客だから、ちゃんと料理を出すわよ。なにがいい?」
メニューを広げてくれた。
「ん~、・・・じゃあ豚肉定食。」
俺は鶏肉が一番好きなのだが、さすがに鳥の妖怪にそれを頼むわけにはいかない。うっかり頼みそうになった。
「この前も思ったんだけど、あなたここら辺では見たことのない顔ね。もしかして外来人?」
「ああ。2か月ぐらい前に幻想郷に連れてこられたんだよ。おかげでここでは外の世界にいた時よりも楽に過ごせるね。」
「・・・妖怪や幽霊がわんさかいるこの幻想郷で、楽に過ごせるなんて言う人間は初めてよ。」
うん、俺もおもった。自分で言っておきながらだけど。
「まあそうだろうね。ふふふ。」
おもわず笑いがこぼれる。
「くすくす、変な人間ね。でも気に入ったわ。あら、私の友達が来たわ。」
友達?
「あたい!さんじょう!!」
「ふつ~に入りなよ、チルノ。」
「そーなのかー」
「おじゃましま~す。」
この前の異変で倒した氷みたいに冷たい妖精と、その妖精に突っ込みを入れている触覚付きの若干濃い緑の髪の子と、金髪で黒い服を着て、ひらひらのリボンをつけた子と、緑の髪で、青い服を着ているポニーテールの子がやってきた。
「あ!!このまえのにんげん!!」
「あれ、初めて見る顔だね・・・って、チルノは会ったことがあるの?」
「ええ。このさいきょーのあたいをまかしたにんげんよ。」
・・・うん、まあ、言っちゃ悪いけど、勝負は1分もかかっていなかったような気が。
「そーなのかー」
なんだろう、心を読んだかのようにそーなのかーと言ってきた。
「こんにちは、人間さん。」
「ああ、こんにちは。」
「ねーねー。」
「何?」
金髪の子が聞いた。
「あなたは食べられる人類?」
「残念ながら、俺は不味いぞ。」
きっと灰汁出放題だ。
「そーなのかー」
「はい、できたよ。豚肉定食。」
そうこう話している間に、注文の料理が出てきた。
「ああ、ありがとう。いただきます・・・おっ、すごい美味しい。」
「それは良かったわ。」
「みすち~、あたいにもなにかつくって~」
氷の妖精の子が体を乗り出して言った。
「お金を持っていたらなんでも作ってあげるわよ。」
「ぼくはもってるよ。」
「私ももってるのかー。」
「私ももっているよ。」
「・・・あたいはないな、どうしよう。」
まあ、困ってるみたいだし別にいいか。
「じゃあ、この前の撃墜したお詫びみたいなので、なにかおごるよ。妖精さん。」
「やったあ!!わーいわーい!!」
「えっいいんですか?チルノちゃんのために・・・」
ポニーテールの子が丁寧に言った。
「ただのお詫びだよ。別にかまわないさ。」
「お兄さん、優しいんだね。」
鳥の女将さんが言った。
「よかったなあ、チルノ。」
「おにーさん美味しそうだけど、やっぱり気に入ったから食べない!」
「いや、それほどでも。」
すこし照れてしまう。
「一杯いかが?いいお酒が手に入ったのよ。」
女将さんが言った。しかし、俺は未成年。まだ飲めない。
「あ、俺は未成年だからまだ飲める歳じゃないんだ。」
「みせーねん?」
「20歳になっていない人のことだよ。え~っと・・・」
「あ、私はルーミアだよ。」
ルーミアは両手を広げた。
「相変わらず人間は堅苦しいね、というかお兄さんは何歳なの?」
女将さんが聞いた。
「15歳。」
「へえ~、よくみるとそんな感じね。」
触覚の子が言った。
「ふう、ごちそうさま。美味しかったよ。じゃあ俺はこれで。」
「ありがとう、いつでもいらっしゃい。」
「「「ばいばーい。」」」
「さようなら、優しい人間さん。」
ポニーテールの子は、少し大人びた感じで3人とは少しちがう挨拶をした。
「あ、そういえば君たちの名前を聞いていなかったね。1人しか。」
「ああ、私は~・・・」



ミスティアの屋台はよく見ると人里から離れたところにあった。家に帰り、仕事の人形作りを終え、風呂の準備をし、布団に潜る。そして明日の予定を立てる。
「そうだ、明日は人里に行こう。そうしよう。」


こうして少年は、幻想郷に馴染んでいくのであった。
 
 

 
後書き
10話書き終えました。9話の補足みたいなものなので、結構文が短いです。では!! 
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