オズのモジャボロ
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第五幕その八
キッチンランドを後にしました、今度向かう場所はといいますと。
「次は兎の国ですね」
「あの国ですね」
「うん、いよいよだよ」
モジャボロが五人に答えます、黄色い煉瓦の道を歩きながらの言葉です。
「あの国に行くよ」
「大きな兎ですよね」
「僕達と同じ位の」
「そうだよ、あそこもまた面白い国だよ」
兎の国もだというのです。
「楽しみにしておいてね」
「はい、それじゃあ」
「あの国に行くことも楽しませてもらいます」
「最近兎達はね」
ここで、です。モジャボロはこうしたことを言いました。
「色々食べているね」
「兎といえば人参ですよね」
カルロスが言いました、兎といえばやっぱり人参だというのです。
「あれですよね」
「いやいや、最近はね」
「違うんですか」
「あの国では人参や草以外に食べるものが増えたんだよ」
「っていいますと」
「キャベツやレタスも食べる様になってね」
それにというのです。
「お豆も食べる様になったよ」
「へえ、色々食べる様になったんですね」
「そうなんだ、後はね」
「後は?」
「何か変わった白いものも食べているね」
「あれ何なのかしら」
ドロシーもここで首を傾げさせて言うのでした。
「一体」
「僕もわからないんだよ。ムシノスケ博士なら知っているだろうけれど」
オズの国きっての豊富な知識の持ち主ならというのです。
「けれど今博士はここにはいないからね」
「だからね」
「あの白いものが何か僕達は知らないんだ」
「残念だけれどね」
「白いもの?」
「何かな、それって」
ジョージと神宝はそう聞いても全くわかりませんでした、それで二人共首を傾げさせてそのうえで言うのでした。
「食べるものっていうけれど」
「何かな」
「チーズ?それともヨーグルトかな」
「兎はそうしたもの食べないんじゃないかな」
乳製品はというのです。
「じゃあ何かな」
「白いものって」
「兎が食べるもので白いものね」
ナターシャも首を傾げさせてです、考えるお顔で言いました。右手の人差し指を自分の右頬に当てての言葉です。
「何かしらね」
「私も。ちょっと」
恵梨香も首を傾げさせて言います。
「わからないわ」
「あれ本当に何なのかな」
トトも知らないのでした、それが何か。
「白い。何かパサパサした粉の集まりみたいで」
「小麦粉?」
「また違うんだ」
トトは恵梨香の問いに彼女に顔を向けて見上げた姿勢で答えました。
「それが」
「小麦粉じゃないの」
「かといってお米でもないよ」
それでもないというのです、白くても。
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