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オズのモジャボロ

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第四幕その九

「アメリカも変わったわね」
「相当変わったと思います」
 実際にそうだとです、ジョージはお肉とお豆腐を食べつつドロシーにまた答えました。
「テレビもインターネットもありますから」
「そうよね、オズの国にもあるけれど」
「何かオズの国ってどんどん新しいものが入ってきますよね」
「この国はそうした国なのよ」
 それがオズの国だというのです。
「次から次に新しいものが生まれ出て来るのよ」
「そうした国なんですね」
「潜水艦もあるわよ」
「それもですか」
「魔法と科学が一緒になっているところがあるね」
 こう言ったのはモジャボロです、それがオズの国なのです。
「オズの国はね」
「そうですよね、オズの国は」
 神宝がモジャボロに応えます。茸達を食べつつ。
「魔法と科学の区別はあまり、ですね」
「そもそも魔法と科学は一緒だったんだよ」
 このこともお話するモジャボロでした。
「錬金術の中にあってね」
「錬金術ですか」
「オズの国にもあってね、そこから魔法が生まれたからね」
 それで科学もだというのです。
「オズの国には科学めいたものもあるんだよ」
「それもオズマやグリンダが使っているのよ」
 ドロシーはこのこともお話しました。
「ただ、魔法と違って簡単な科学は誰もが使っていいけれど」
「魔法とは違ってですか」
「科学はそうなんですね」
「潜水艦位はね」
 誰でも使っていいというのです。
「いいのよ」
「何時か潜水艦に乗ってみたいですね」
 カルロスは目を輝かせてこう言いました。
「それでお水の中を見てみたいですね」
「ええ、じゃあ今度一緒に乗りましょう」
「それでお水の中を見ようね」
 モジャボロも言ってきます。
「潜水艦からね」
「はい、楽しみにしています」
「科学も魔法もいいことに使ってこそだよ」
「役に立ちますね」
「そうだよ、だからね」
 それでだというのです。
「潜水艦でお池や河の中を見ようね」
「今度にでも」
「そうしよう、機会があれば」
「思えばオズの国も私が最初に来た時と比べて変わったわ」
 ドロシーの口調がしみじみとしたものになっています。
「カドリングだってね」
「カドリングは最初拓けていなかったんだよ」
 トトがここで五人にこのことをお話してきました。
「このことは皆も知ってるよね」
「そうそう、今よりもね」
「ずっと拓けていなくてね」
「色々な種族がオズマ姫のことを知らないで暮らしていて」
「人も少なくて」
「そうだよ、けれどカドリングもかなり変わったよ」
 凄くだというのです、トトは自分のお椀にドロシーに入れてもらったお肉等を食べつつお話します。
「最初に来た時と比べたら」
「オズの国も常に変わっていくのよ」
 ドロシーは笑顔でこのことを五人に言いました。
「だからテレビもインターネットもあるのよ」
「オズの国の外には情報は出ないですよね」
「それはないわ」
 インターネットでもだというのです、オズの国にあるものはあくまでオズの国だけのことです。それがこの国なのです。 
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