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東方魔法録~Witches fell in love with him.

作者:枝瀬 景
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25 潜伏~You are probably being tricked.

- The start day / morning -


僕の名前はクレイ。特殊な鉱石が取れる村の村人さ。特殊な鉱石が取れると言っても俺は未成年の人間だからまだ仕事とかしている訳ではなく、色々な人の手伝いをしている。鉱山は危ないから子供は近付くなだとさ。

「あ、おはよう。お父さん」
「おう!おはようクレイ」

この人はお父さんのハータン。筋肉ムキムキの鉱山掘り。何時もランニングシャツ一枚と青色の作業ズボンをはいている。寒くないのかな…?

「クレイー?御飯配ってきて頂戴ー」
「はーいお母さん」

今のはお母さんのアズ。この村で食事を作っているアラフォゲフンゲフン。
僕のお母さんでもあるが、この村全員のお母さん的な存在でもある。

この村では御飯を作るのはお母さんとトウキお姉さんに少しだけど僕達にしかしか作れないから、こうして御飯を作って皆の家に配って回っている。

だけど、トウキお姉さんは朝が苦手みたいで朝食はお母さんに任せっきりだ。……僕も朝は苦手でさっき起きたばかり。



家を出てまずはトウキお姉さんの家に向かう。お姉さんと言っても血が繋がっているわけではないんだ。僕が勝手にお姉さんと呼んでるだけ。

コンコンとドアをノックするがいつもの通り返事がない。まだ寝ているんだろう。しょうがないね。

僕はドアを開けてトウキお姉さんの家に入り、朝食をテーブルの上に並べてベットに寝ているトウキお姉さんを起こしに向かう。

「トウキお姉さん、朝ですよ。ほら起きて」
「ん…ふぅん……」

僕はトウキお姉さんの肩をゆさゆさと揺さぶって起こそうとする。その度にお姉さんのいい匂いがして揺れる胸を拝むことが出来るのは役得以外の何物でもない。トウキお姉さんに僕が好意を寄せているのは秘密だ。

「ふぁ…おはよう…むにゃ…」
「おはようございます。御飯はテーブルの上にありますからね」
「ふぅん…わかっ…た…」
「二度寝しちゃダメですよ。僕は他の人に御飯配ってきますね」

もうちょっとトウキお姉さんを見ていたいけど他の人達に御飯を配らないといけないからしぶしぶ次の家に向かった。



次はトラドお爺さんのところだ。トラドお爺さんは鉱山を掘るために引っ越してきた僕たちと違って昔からこの村にすんでいる。なんかこの村に伝わる伝承について何時もブツブツ呟いている。

トラドお爺さんの家のドアをノックする。トラドお爺さんは早起きなので一回目のノックで出てきた。

「クレイか…」
「はい、おはようございます。はい、御飯です」

俺は御飯を手渡しする。え?トウキお姉さんの時と扱いが違うだって?そりゃねぇ。トウキお姉さんには特別だよ。

「クレイ…。今日は何の日か…知ってるかの?」
「夜に住まうものがこの村に紛れてこの村に滅びをもたらす、だったっけ?」

何時もブツブツ呟いているから覚えてしまった。それに覚えてないとグチグチうるさいのだ。僕は老人だからという理由とか抜きでこの人が苦手。

「そうじゃ…ああっ…明日生きておればいいのじゃが…」

それは死亡フラグ。

「はいはい、僕は他の人達に御飯を配ってくるね」

逃げるようにしてトラドお爺さんの家を去った。



次はこの村の村長で鉱山の持ち主のソンチョさん。名前がまんまなのは気にしてはいけない。
鉱山の持ち主なのでこの村にいる鉱山掘りの雇い主ということだ。
ソンチョさんの家にはノックは不要で僕はそのまま入る。

「おはようございますソンチョさん。御飯を持ってきましたー」
「おお、クレイ君。ありがとう」

ソンチョさんは優しくて皆のことをよく考えてくれる良き村長で雇い主だ。人格者は慕われるを体現したような人で、そのため皆にとても人気がある。

「今日もお仕事頑張ってくださいね」
「クレイ君も皆のお手伝いを頑張るんだぞ」
「はい!それじゃ僕は他の人達に御飯配ってきます」
「気を付けてな」

ソンチョさんの言葉が心に染みる。マジRESPECTっす!よーし!今日も頑張るぞ!



次に宿舎。ここには雇われ鉱山掘りや鉱石が直接鉱石を買い求めに来た人達がが泊まる宿舎。この村は絶壁に囲まれたところにあり、とても日帰りで通える場所ではないのでこう言った設備があるのだ。

宿舎と言っても小さな一軒家の集まりをまとめてそう読んでるだけだが。

「ワールさん、レノさん、イケさん、キョウさんおはようございます」
「「「「おはよう!」」」」

四人は雇われた鉱山掘りで朝から作業着に着替えていて、御飯を食べたらすぐにでも働きにいけるように集まっていた。

「急いで食べてまた喉に詰まらせないでくださいね」
「わかってるって」

ひとつだけ忠告して早く次の人に御飯を配りにいく。この人たちも早く鉱山で働きたいから僕が長居すると邪魔だろうから早めに立ち去った。



次の人はここの鉱石を買い求め宿舎に泊まっている明希・へ、ヘル…ヘルニア?・水原さんのところだ。なんとも彼女さんが鉱石を欲しがっているからここまで買いに来たみたい。

若干ノロケが入っていたのが少しパルしい…あれ?電波を受信してしまったようだ。まあ、いいや。彼女さんは住んでる家に籠っているからここにはいない。

ここらでは珍しいことに明希さんの髪の色は黒い。確か極東の方にいる人達は皆髪が黒いって聞いたことがある。もしかしたら極東出身なのかもね。

ドアをノックする事5分。ようやく現れた。その手には何故か日焼け止めが握られている。まさか塗ってたから出るのが遅くなったとか?

「いま…寝たばかりなのに…どうした…」
「寝惚けてないでちゃんと起きてください。ほら御飯ですよ」
「おお…悪い…ふうぁ~」

明希さんは大きなあくびをした。
どうやら寝惚けて近くの日焼け止めを手にしたとかそんなところみたい。

明希さんは昨日の夜遅くにこの村にやって来た。その時は皆がベットに入ろうとする時間だったので、明日…つまり今日に鉱石を売るから泊まっていったらいいということになったのだ。

明希さん昨日寝るのが遅かったのかな?……もしかして本当にさっき寝始めたばかりだったりして。そんなわけないか。



最後に同じく鉱石を買い求め宿舎に泊まっているアリス・マーガトロイドさん。彼女は昨日の夕方にここにやって来て、その時鉱石を買うことは出来たのだがこの村からアリスさんの家まで距離が長いらしく、今から返ると家に着くまでに日が暮れてしまうから泊まって貰おうと僕が提案した。

夜中にこんなに綺麗な女性が1人歩いて変えるのは危険だ。もし悪い男に襲われたらいけない。アリスさんは最初は遠慮していたが、僕の説得が成功したようで、苦笑ながらもこの村に泊まることになった。

アリスさんは人形の骨格にここの鉱石を使ってみたいらしい。アリスさんは人形を素材から作ってるというから驚きだよ。

「アリスさんおはようございます。御飯を持ってきました」
「おはよう。わざわざありがとうね?」
「いえいえ、これも僕の仕事のうちですから」

よし!これで全員に配り終った!
全員に食事を配り終えたので僕も御飯を食べるために家に戻ろう。 
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