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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十三章
  二条館へ向けて出陣

俺は休息を終えて、陣地に行こうとしたらケータイが鳴ったので電話に出た。

「どうした?」

「反応が薄いのですが、ゲート反応がありました」

「ゲート反応だと!まさかドウターが来るとでもいうのか?」

「はい。その可能性はあります。確か随分前に別のこの外史にてドウターによってその世界は破滅になって消滅しましたよね」

「ああ。そこにいた本来の主人公である新田剣丞と好意がある武将全員を、トレミーに乗せた後に脱出して、新田剣丞がいた世界にいる北郷一刀のところに送ったのは、よく覚えているが。この世界でもありうるという事か」

「まだ反応は薄いですが、ゲート反応があったのは京の上に反応があり、まだゲートは開いてません」

「分かった。とりあえずゲートが出現する5分前に通信機で教えろ。その時は戦闘中だからな」

「了解しました」

と言って切った。さっきの奴は全ての外史を監視している奴らで。月中基地本部にいる者。特に俺がその世界の外史に行っている間に、ゲート反応とかがあると教えてくれる者達だ。とりあえずメールでトレミークルー全員に送った。内容はドウターゲートの反応有りで、戦闘中に出てくる可能性大。俺はドウターより今の任務が集中だと思い陣地に戻った。

「お頭!一真隊出陣準備完了しましたよ!」

「ありがとよ。陣容は?」

「連れてきた一真隊の内、半分の百名と明智衆からの寄騎、鎧を外し、軽装にて待機しております」

「その内、鉄砲隊は五十程で、明智衆鉄砲隊の寄騎を入れて、合計で六十人となりますわ」

「他に長柄が三十、荷駄が十、工作組が十となります。荷駄はご命令通り、ほぼ玉薬となりますが・・・・本当に良いのでしょうか?」

「それで大丈夫だ。二条館には食料があるだろう。いくら金がないって言っても、あの幽がその辺りは抜かる事ないだろうし、少数での防衛となる。食料より火力が大切だ。それと黒鮫隊だが、二条館で合流となった。その後の隊員の位置とかは、戦闘の時になったらな。あと黒鮫隊でも食料はあるから腹が減ったら言え」

「はいっ!頑張りますぅ」

「頼む。・・・・長柄組はころ、鉄砲隊は梅に指揮を頼もう。なお、鉄砲隊の中に我ら黒鮫隊もいるからな。二人ともやれるな?」

「お任せあれ」

「ハニーの期待に応えてみせますわ」

「それでいい。明智衆の指揮はエーリカに任せる。あとは小波、先行して手薄な道を見つけてほしい」

「承知」

「頼む。今回の任務は非常に危険な任務だと思え。だが、決して無理はするな」

「・・・・はっ」

「二条館で会おう。・・・・頼むぞ」

「・・・・(コクッ)」

「よし。これで準備は完了だ。皆の準備はいいか?」

元気よく返事をした。が、心無しか震えているのがよく分かる。俺は平気だが、二条館に行ったら三好衆なのか鬼なのかは分からない。それに三好衆は三千人。対してこちらは数百人。それも敵の真っ直中のところだ。本来なら無謀だがこちらには、現代兵器を持っている黒鮫隊と神である俺がいる事だ。それに、俺自身が気になる事はドウターゲートの反応があったからだ。あの反応は、拠点があるところでは反応が無くなった。今度はこっちか?と思うくらいだ。

「だが、この戦いによって未来が見えるかもしれない。怖いかもしれない、だが、俺はそうならないために来たんだ。だったら俺はそうならないように戦うが、一人では何も出来んが仲間がいてこそやれば出来る事だ」

この戦は5割以上が鬼と戦う事になる。だけど、鬼を駆逐するためには皆の力が必要だ。なので俺は、協力してくれる仲間一人一人の顔を見つめる。俺の言葉が届いたのか、仲間達は黙っていたが、力強い頷いてくれる。

「出陣する!」

一方小波は既に京に入っていた。

「・・・・任務完了。侵入経路は確保は出来た。あとは皆を先導するだけで、無事に二条館につけるはず。・・・・あの人は一体何を考えているのだろう?田楽狭間に舞い降りた神様。そして織田信長の恋人。・・・・私などからすれば、眩いばかりの身分であるのに。なぜ、ああも気さくなのだろう?なぜ、ああも気楽なのだろう?私如きを気遣う言葉を、どうしてああも簡単に出せるのであろう。あの人は一体何なのだろう?・・・・いや。所詮、私には縁遠い人だ。私が気にしても仕方がない。なのになぜだ?この胸の中に蟠る、もやもやとして感情は。私は一体、どうなればいいと思っているんだ。私は。私は。もしかしたら、私・・・・」

一方俺達は京に入った。

「一真様。ただいま小波が句伝無量にて、潜入路を確保できたとの報告がありました」

「そうか。道順は分かるか?」

「小波が先導してくれるそうです」

「よし、なら安心だ。・・・・では、諸君。きつい行軍になるが、二条館まで一気に行くぞ!」

「応!」

洛外に待機してた俺達は、小波の連絡を受けて隠れていた場所から飛び出した。そのまま小波の先導を頼りに、一真隊は一塊になって京の町を駆け抜ける。途中犬に吠えられたりしたがも、何とか三好衆に遭遇せずに二条館に到着したのであった。先導してくれた小波には、周囲を探ってこいと言ってから、再び夜の町に消えたけど。 
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