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魔法科高校の有能な劣等生

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ナンバーズ落ち

 
前書き
前回の続きです。
気になる事、脱字が有りましたらコメント下さい 

 
「それで貴様らはあそこで何をやっていた?」

「別にた、大した事は
や、やってませんよ。少し、ほんの少し確かめたい事が有って演習室を借りたんですけど。」

「無断でか?」

「ギック!?」

その言葉を聞いた瞬間、演習室を勝手に使い
そしてその演習室をボロボロにした二人は冷や汗をかきながら動揺する。
結局、無月と歳月の演習は中途半端で終わってしまった。
だが、無月は何かをやらかした、何をやらかしてああなったかは不明、
何らかの魔法が発動され、爆発の様な物が起き演習室は破損した。

外でも相当な音が出たらしくすぐさま人が駆け付け、
そこで無月と歳月と一条は重要参考人の様な感じに連れていかれ事情聴取が行われていた。

「むしろ今、聞きたいのは無断で演習室を使った事では無い。
貴様らはあそこで何をしていた?
あそこがあんな壊れ方するとは、相当の事だぞ。」

目の前にいる風紀委員らしき女子生徒は真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。
そんな目で見つめないで、言いたげな目をしてもこの現状は変わらないが
ただ、目付きが怖い真剣過ぎて逆にあれは鬼の様な目になっている。

「特に何もしてはいませんよ。」

そこで無月は動いた、何事も無かったかのようにただ何時もの通常状態の無月より紳士ポク
なってはいるが、何故かその言葉は頼もしく聞こえる。

「確かに無断で演習室は使わせて頂きました。
ここは自分の落ち度です。
ですが、自分達二課生のそれもウィードが演習室を壊せると思いますか?
しかも自分は実技は些か苦手で魔法もそんな強力な物は使えません。」

嘘をついている様で真実の様な言葉を無月は何の躊躇いも無く言う。
まるで自分は何も知らないし何もやっていない。
そう軽々しく言い張るかのように

「貴様、名前は?」

「無月 零」

そこで無月は少し小さく笑う。
笑った理由は解らない、それでも何故かにこやかに

「無月?
何処かで聞いた事の有る様な、、、、、、、、、」

事情聴取の筈なのに質問するのを一旦辞め、無月と言う名が何処が聞いた事のある名前なのか
思い出すべく頭を悩ませている。
そこでとあるウィードが口を開いた。

「無月、ナンバーズ落ちですね。」

今まで黙っていた一年らしき生徒は口から無月の正体を知っている様な口ぶりで
答える。

「ナンバーズ落ち?」

歳月は聞いた事の無い言葉に思わず口に出す。
知っていなくても不思議では無い、むしろ知っている方が不思議と言える。

「へぇ、まだその言葉を知っている方がいるとは
そう言われるのは久しぶりだ。」

無月はクスクスと笑い、言うが
それには笑いと言うより悲しい笑いと言う方が正しいかもしれない。
まるで悲しんでいる時にあえて笑い、悲しさを吹き飛ばす
それが今の無月から感じられる。

「まさかこの魔法科高校に入学していたとは、よく学校側が許可したものだ。」

「その言葉、入学してはいけなかった。
そう聞こえるが?」

「いえ、そうとは言いません。
ですが、少々意外とは思っています。」

同じ一年なのに何故か敬語で話し合い睨み合う。
まるでお互いが心を読み合っている、そう思える程の重々しい空気
その中で同じウィード同士が笑いながら続ける。

「まて、司波
ナンバーズ落ちとは一体なんだ?」

ナンバーズ落ちと言う言葉が気になり事情聴取では無くなっている事に
気付いていないのか、それともこれが事情聴取と言う事すら頭から消えているのか
そもそもそれすらもう消えているのかはあえて言わずその司波と言うウィードは言う。

「かつてはナンバーズと同等の力を持った家系ですよ。
身に黒いサイオンの光を纏い自身に魔法の起動式を展開させ周囲に存在する魔法の術式、起動式を全て打ち消す。
本来ならそんな事は有り得ませんが、無月の家系は生まれつき特殊な力を持って産まれてくる様で
今の科学の力を持っても解析不能、まさに生まれつきの天才とも言えますね。」

無表情でウィードは語るがそれを聞いた無月は無表情では無く
何となく悲しい顔をしていた、だが、それを噛み締め無月は動く。
 
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