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オズのモジャボロ

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第三幕その一

                  第三幕  ミス=チョッキンペット
 一行は一日歩きました、そしてその次の日です。
 カルロスはいよいよというお顔でモジャボロにこう尋ねました。
「そろそろですね」
「うん、もう少ししたらね」
 モジャボロもカルロスに笑顔で応えます。
「着くよ」
「チョッキンペットの村にですね」
「そうだよ、だからね」
 それでだというのです。
「あと少しだけ歩こうね」
「はい、わかりました」
「昨日はかなり歩いたけれど」
 本当によく歩きました、皆で。
「皆足は大丈夫かな」
「靴擦れはありません」
「豆も出来ていません」
 五人はモジャボロに笑顔で答えます。
「私達足は結構丈夫なんで」
「歩き慣れていますから」
 だから大丈夫だというのです。
「これ位でしたら」
「豆とか出来ません」
「それはいいね、やっぱり足が丈夫だとね」
 それならというのです。
「安心していいね」
「幾らでも歩けるからですね」
「安心していいですね」
「そうだよ、けれど皆沢山歩いたから」
 このことは確かです、だからだとも言うモジャボロでした。
「よく休むことも忘れないでね」
「沢山動いたら沢山休むですね」
 恵梨香がモジャボロに応えました。
「だからですね」
「そうだよ、沢山歩いたらね」
 それならとです、モジャボロは恵梨香にも答えます。
「沢山休むんだよ」
「夜はですね」
「ずっと動いているとよくないんだよ」
「足にですか」
「身体にも心にもだよ」
 足だけに限らないというのです。
「よくないからね」
「だから夜はですね」
「そう、休んでいるんだ」
 昨日も夜はじっくり休みました、そのうえでなのでした。
 暫く歩いているとです、その前に。
 町が見えてきました、とても小さな町です。ジョージはその町古風な十九世紀のヨーロッパのそれに似た町を見ながら言うのでした。
「あの村がだね」
「ええ、チョッキンペットの村ね」
 ナターシャがジョージに応えます。
「あの村が」
「そうだね、遂に来たね」
「さて、あの村に入ったらね」
 その時はとです、神宝が言うことは。
「気をつけないとね」
「あの村の人達は紙だから」 
 ドロシーがその神宝に答えます。
「そのことは知ってるわね」
「切り抜きで何人も横につながってますね」
「ミス=チョッキンペットが作った人なのよ」
 皆そうだというのです。
「どの人もね」
「そうですね、火の気に風は」
「禁物よ」
 このことはドロシーが一番よく知っています、何しろ前に来たことがあって迷惑もかけてしまったからです。
「このことは覚えておいてね」
「わかりました、そのことは」
「よく」 
 五人もドロシーの言葉に応えます、そしてトトもです。
 チョッキンペットの村を見つつです、ドロシーに言いました。
「あの村のことは注意しないとね」
「そうよ、トトもね」
「僕が少し駆けただけでね」
「風が起こってね」
「それで村の人達に迷惑をかけるから」
 だからだというのです。 
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