オズのモジャボロ
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第二幕その六
「だから食べ終えたらね」
「はい、またですね」
「旅の再開ですね」
「楽しんでいこうね」
その旅をだというのです。
「いいね」
「はい、わかりました」
「食べることも楽しんで」
「食事も旅行も楽しむものだよ」
その両方をだというのです。
「だからいいね」
「はい、じゃあ」
「また食べて」
「そうしようね、今回も楽しい旅になるよ」
モジャボロは食べつつ言うのでした。
「例え何があってもね」
「いきなりノーム王が出て来るとか?」
カルロスは冗談混じりにこんなことを言いました。
「そんなことはないですよね」
「そういえばあのノーム王もね」
「そうよね」
ナターシャと恵梨香がまたお話をしました、その名前を聞いて。
「何度かオズの国やオズの人達に迷惑をかけようとして」
「困った人よね」
「全部忘れたり王様じゃなくなってもね」
「その都度悪くなってね」
「何かをしようとして」
「大変な人よね」
「今のところはね」
ドロシーがそのノーム王についてお話します、五人に。
「あの人はまた大人しくなってるから」
「だからですね」
「あの人のことはですね」
「安心していいわ」
今のところは、というのです。
「そうしていいわ」
「そうですか、今は」
「大丈夫なんですね」
「そう、気にしなくていいから」
こうお話するのでした。
「暫くの間はね」
「あの人もわからないね」
モジャボロは首を傾げさせました、野菜サンドを食べながら。
「悪いことを考えるよりいいことを考える方が幸せになれるのに」
「そういう人もいますよね」
「悪いことばかりを考える人が」
「あの人こそね」
ノーム王こそがです、悪いことばかりを考える人なのです。
「だからね」
「どうにかならないんでしょうか」
「何度気持ちが切り替わっても元通りになって」
「悪いことを企んで悪いことをしようとして」
「しょうがない人ですよね」
「困った人ですよ」
「うん、あれだけ心が切り替わる人だとね」
悪い方向にです。
「またそうなるかもね」
「また悪くなってですね」
「オズの国に迷惑をかけようとするんですね」
「そうするんじゃないかな。マボロシ族とかは心を入れ替えたけれど」
かつて多くの人に迷惑をかけた彼等はというのです。
「ノーム王だけはね」
「どうしてもですか」
「ああなんですね」
「うん、そうなんだよね」
モジャボロは困った顔で五人にお話します。
「そうした運命なのかなとも思うよ」
「あれだけ心が真っ白になってもね」
ドロシーも残念そうに言います。
「何度もね」
「それでもですね」
「その度に悪い心になってですね」
「オズの国に迷惑をかけようとしたんですね」
「何度も」
「下から穴を掘って攻めようとしたりね」
そうしたことをしようとしたこともありました。
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