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転生とらぶる

作者:青竹
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コードギアスR2
  0608話

「スレイ、準備は?」
「問題無い。シャドウの機動性ならすぐにでも洛陽に到着するさ」

 夜の闇に包まれるようにして通信機越しに聞こえて来るスレイの声は自信に満ちている。
 まぁ、KMFとシャドウの性能差は圧倒的だし無理も無いが。

「メギロートのコントロールもそっちに任せるから、こっちの合図があったら基地に襲撃を開始してくれ」
「了解した。……アクセル、私がいないからといって無理はするなよ」
「そこまで心配されるような覚えは無いんだがな」

 苦笑しつつ、そう返す。
 これから行う作戦自体はそれ程複雑じゃない。基地に侵入して、星刻の組織に協力する事になった軍人と合流。その軍人の命令でロンダンとターロンダンの中にいる者達を外に出し、空間倉庫に格納。それだけだとあからさまに目立って脱出しにくい為、メギロートをメインにしてこの基地に奇襲を仕掛ける。そのドサクサに紛れて脱出という流れだ。
 中華連邦の地上戦艦を複数ゲットしつつ、中華連邦の中でも最大級の規模を誇る基地をメギロートで奇襲をするという、ある意味で一石二鳥の作戦な訳だ。
 どのみちここの戦力は、まず間違い無く俺達が新国家を建設すれば敵になる。その為、今のうちに少しでも戦力を減らしておくのはそう悪くないだろう。
 もっとも、ガン・ルゥは性能の低さと引き替えにして生産性が高いから、ここで破壊してもそう遠くないうちにまた補充されるだろうが。
 それでも限界がある筈だし、星刻の組織が着々と俺達が切り取ろうとしている地域の街や良識ある軍人達を説得して味方を増やしていっている。エリア11の方でもそろそろ次の動きがある頃だから、こちらが動くのはそう遠くないだろう。
 ちなみに、地方の軍人達は結構な数が星刻の組織に協力している。考えてみれば明らかなんだが、地方の基地という事はつまり閑職なんだよな。その基地に勤めている兵士達もまた、奔流を外れた者が多いし。
 もちろん全員が全員という訳じゃない。どの基地にしろ、例外なく司令官は大宦官の手の者なのは変わらないし、No.2、3辺りも同様だ。
 ただ、これがNo.4以降になってくるとそれなりに良識ある軍人の数も増えてきており、このレベルの人材は多少ではあるが星刻の組織に協力する者もいるらしい。
 地方の街に至っては、中央からの搾取が酷くて餓死者が出る事も少なくないらしいので基本的にはこっちに協力するのが殆どだ。
 ……だが、それでも当然全部の街がこちらに協力する訳でも無い。街の住民よりも自分の権力や財産が大事だという大宦官と似たようなのもいるから、そういう奴等は時が来たら処理しないといけないだろう。

「さて、じゃあ行くか」

 呟き、夜の闇に紛れるようにして影のゲートを作成。そこへと沈み込んでいく。





 姿を現したのは、洛陽から最も近い位置にある軍事基地の一画だった。
 対象との待ち合わせ場所である、基地の外れに存在している訓練場の入り口。そこに人影があるのを確認してから歩いて近付いていく。
 ビクリ。
 俺が歩いている音に気が付いたのだろう。一瞬身体を硬直させたかと思うと、どこか疑うような視線を俺へと向けてくる男が1人。

「アクセルだ。繁だな?」
「……ふぅ。ああ、繁だ。待っていたよ」

 俺が約束の人物だと知り、ようやく安心したのだろう。深く溜息を吐いてから改めて俺へと視線を向けてくる。 
 その視線を受けながら、俺もまた繁がどのような男なのかを観察する。
 年齢で言えば俺よりも多少上。20代半ばから後半といったところか。身体付きは軍人らしく鍛えられており、身長は俺よりも若干小さいくらい。だがその目つきは鋭く、俺をしっかりと見据えている。
 俺が観察するように、向こうもまた俺を観察しているのだろう。

「で、どうだ? 見極めは済んだか?」
「お互いにな」

 からかうように尋ねると返ってくる言葉。意外に頭の回転も早いらしい。

「それはとにかくだ。時間が無いからさっさと行動に移りたいんだが?」
「ああ。俺としても早くこの基地から脱出したい。あんた達に協力した以上は、それが周囲に……特に大宦官派の奴等に知られると、嬉しくない出来事になるのは間違いないからな。こっちだ、付いてきてくれ」

 男の言葉に従い、後を付いていく。
 夜の闇に微かな月明かり。静寂に包まれる中を俺と繁は歩き続けてやがて巨大な格納庫と思しき場所へと到着する。

「繁少将!? こんな時間にどうしましたか?」

 敬礼をしながら尋ねてくる歩哨に、小さく頷いて口を開く。

「軍機故に詳しくは教えられんが、内部にちょっと用事があってな」

 呟き、懐から取り出した何らかの書類を掲示する繁。
 恐らく今回のために前もって準備しておいたのだろう。
 歩哨が、明らかに西洋人の容姿をしている俺に向けて疑うような視線を向けてくるが、すぐにその書類へと目を通すと納得したように頷く。

「分かりました。基地司令が直接発行した許可証がある以上は問題ありません」

 敬礼をする警備兵を一瞥し、繁と俺は格納庫の中へと入っていく。

「……基地指令が直接発行した許可証とか、どうやって手に入れたんだ?」

 格納庫の中に入り進んで行く中で、周囲に誰も話を聞いている者がいないのを確認して繁へと尋ねる。
 だが、繁から返ってきた言葉は酷く単純だった。

「偽造」

 その一言だけで繁が許可証を手に入れた方法を知る事が出来た俺は、思わず苦笑する。

「無茶をするな」
「何、どのみち今日で俺はこの基地から消えるんだ。今更1つや2つ追われる理由が出来たところで脱走の罪に化粧を添えるだけだ。それよりも、見えてきたぞ」

 繁の示す方向からはかなりの喧噪が聞こえて来る。視界に入ってきたのは大勢の整備員やパイロットといった面々だった。あるいは近くには護衛なのか、ロンダンに積み込む予定のものなのか、ガン・ルゥの姿も結構ある。そしてそれらの近くには巨大な陸上戦艦であるロンダンが5隻、旗艦のダーロンダンが1隻存在していた。

「結構多いな。ダーロンダンはともかく、ロンダンは3隻程度だと予想していたんだが」
「腐ってもここは中華連邦の首都だからそれなりの戦力が詰めているのは当然だ。……文字通りの意味で上が腐っているのは洒落にしかならんがな。それよりも始めてもいいか?」
「ああ、こっちの準備はいつでもいい」

 俺が頷いたのを見ると、繁は近くにある通信装置のスイッチを入れて口を開く。

「この放送が聞こえている者は、全員耳を傾けろ。私は繁少将だ」

 少将。この階級が効いたのだろう。喧噪で溢れかえっていた巨大な格納庫内にいた整備員達は黙り込んでその場で休めの姿勢を取る。聞こえて来るのは、ロンダンやダーロンダン内部から聞こえて来る機械の作動音くらいであり、恐らくその2隻の中でも整備員や軍人達は休めの姿勢を取って繁の話を黙って聞く体勢に入っているのだろう。

「諸君等には、これから一時的に格納庫を出て行って貰う事になる」

 ざわり。繁がそう告げた瞬間、その話を聞いていた整備員や軍人達がざわめく。
 まあ、無理も無い。突然格納庫を出て行けと一方的に命令されたのだから。

「突然このような事を言われて混乱するのは分かる。正直、私にも何故このような命令が下されたのかは分からない。だが軍人である以上、上からの命令は絶対だ。特にこの中華連邦の、それも首都洛陽を守る我々なのだから規律正しく動かなければならない。よって、皆すぐに格納庫を出て行って貰いたい。その後は各自それぞれの自室へと戻って新たな命令が降るのを待て。以上だ。全員、行動に移れ!」

 繁のその言葉を聞き、不思議そうな顔をしながらもそれぞれが格納庫を出て行く。
 ロンダンやダーロンダンからも続々と人員が降りてきては、他の者達同様に不思議そうな顔をしながら格納庫から出て行く。
 それを見送り、最後の整備員が出て行ってから数分。ロンダンやダーロンダンの動力炉も落とされた為か、格納庫の中が静寂に包まれる。

「……で、これからどうするんだ? 格納庫からは全員出したが、まさか俺達2人だけでこの戦艦の群れをどうにか出来る訳でもないだろう?」
「ん? 聞いてないのか?」
「ああ。俺が聞いているのはあんたがロンダンやダーロンダンをどうにかするってだけだよ。実際、動力炉に時限爆弾でも仕掛けるのか? どのみちあんな滅茶苦茶な言い訳、すぐに上に報告が行ってこの格納庫の中に戻って来るぞ。それも軍警察か何かを連れてな」
「だろうな。まぁ、見ていろ。……折角だから、残っているガン・ルゥも貰っていくか」

 呟き、近くにあるガン・ルゥへと触れて収納と小さく呟く。すると次の瞬間には俺の手が触れていたはずのKMFはその姿をこの世界から消していた。
 空間倉庫の中に収納されたのだ。

「なっ!?」

 目の前で消えたガン・ルゥに驚愕の目を向ける繁。その様子を横目に、手当たり次第にガン・ルゥを空間倉庫の中へと収納していく。そして30機程のガン・ルゥを空間倉庫の格納し終え、次にロンダンへと目を向け……その前に、繁へと視線を向ける。
 視線が合った瞬間にビクリとしたが、俺はそれを無視して指示を出す。

「格納庫の扉をロックして、簡単に開かないようにしておけ。一応念の為だがな」
「……分かった」

 唖然としつつも、このまま格納庫を自由に出入り出来るようにしておくのは危険だと理解したのだろう。扉のコンピュータを操作して……

「ああ、そうそう。コンピュータをどうこうするんじゃなくて、物理的に扉を塞いでくれ。KMF辺りを出してきてもそう簡単に入って来られないようにな」
「いや、待て。それじゃあ俺達はどうやってここから脱出するんだ?」
「問題無い、お前も俺の特殊な力を見ただろう? それでどうにでもするさ」
「……分かった。信じても、いいんだな?」
「ああ。俺は星刻の組織に協力しているというのは間違いの無い事実だ」

 その言葉で俺を信用したのか……いや、違うな。ここまでやってしまった以上は既に信用するしかないというのが正しいのか。
 そんな風に思いつつ、ロンダンへと触れてガン・ルゥと同様に次々と収納し、同時にダーロンダンをも収納していく。
 そして……

「おいっ、ここを開けろ! 中で何をしている!? 繁少将!」

 格納庫の中に扉を乱暴に叩く音と共に、そんな怒鳴り声が聞こえて来る。
 へぇ、もう来たのか。予想していたよりも大分早いな。腐っても首都防衛部隊ってところか。

「お、おいっ! どうするんだ!?」
「問題無い」

 呟き、空間倉庫から通信機を取り出してスレイへと通信を送る。

「スレイ、俺だ。準備はどうなっている?」
『問題無い。いつでも作戦行動を開始できる』
「そうか。なら、早速始めてくれ。こっちの目的はほぼ達成した。目標の陸上戦艦も無事に入手したしな。後は、奇襲攻撃に紛れて脱出する」
『了解した。アクセルに言うまでも無い事だが、くれぐれも気を付けてな』
「何だ、俺の心配をしてくれるのか?」
『と、当然だろう。お前はシャドウミラーを率いる立場にいるというのを、きちんと理解しろ!』
「おいっ、イチャつくのは後にして、この場をどうにかしてくれ! 向こうももう限界のようだぞ」

 俺とスレイの会話を聞いていた繁の声に、うっすらと耳を澄ませる。すると扉の向こうから『ガン・ルゥはまだか』『繁少将に多少の怪我をさせても構わないから扉を破れ』といった内容の話が聞こえて来る。
 全く、もう少しくらいは余裕を持って欲しいんだが。

「しょうがない。スレイ、頼む」
『任せろ。では早速今から始めるぞ。……とは言っても、基本的に前線に出るのはメギロートのみで、私とシャドウはその指示に専念する事になるんだがな。合流を楽しみにしているぞ』

 そう言い、通信装置のスイッチが切れる。

「繁、俺の側に」
「あ、ああ」

 急いで繁が俺の側まで移動してくるのを見ながら、流体サクラダイトか何かをブービートラップとして仕掛けておきたかったな、とふと思うのだった。

「さて、俺の身体から手を離すなよ」

 繁へとそう言い、何かを言い出すよりも前に足下に影のゲートを展開する。

「うっ、うわっ、うおぉぉっ!」

 影に沈み込んでいくという慣れない感触に戸惑いの声を上げる繁と共に、俺もまた沈み込んでいく。そして顔が沈み込む寸前に見たのは、格納庫の扉が外から銃撃を受けて吹き飛ぶ場面だった。





「……繁、もういいぞ」
「あ、ああ。……外?」

 格納庫から大分離れた位置にある基地の隅。そこで再び姿を現した俺はもの凄く騒がしくなっている基地を眺めながら、繁が落ち着くのを待つ。
 同時に、上空を数機のメギロートが飛んで行き基地施設に向かってリング状のサークル・レーザーを放っているのを見ながら、俺達はスレイと合流すべく移動を開始するのだった。
 尚、この基地は援軍も併せて10機近い数のメギロートによりかなり大きな被害を受ける事になり、メギロートに対しては1機も撃破出来ずに、かすり傷程度しか与えられなかった為、その責任を取らされて基地指令が更迭される事になる。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509 
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