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久遠の神話

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第九十九話 四人の決断その十一

「それで問題ないかと」
「そうですよね、ですから」
「一割は手に入れているのですね」
「その一割でも」
 どうかというのだ、割合的には僅かであるが。
「相当なもので。何億とあります」
「それだけ倒してきた敵が多く強大なものがいたのですね」
「特にラドンが大きかったです」
 中田と闘う前に闘ったこの怪物がというのだ。
「相当な強さだけはあって」
「相当な量だったのですね」
「はい、ラドンだけで何十億とありました」
 そしてそのうちの一割、数億を手に入れたというのだ。
「もう一生分のお金があります」
「それは何よりですね」
「これで将来安心して働けます」
 上城は微笑んでマガバーンに話した。
「もうこれで」
「働かれるのですか」
「そのつもりですが」
「一生安穏として過ごせるだけのお金があると思いますが」
「動いていることが好きなので」
 仕事もその中に入れての言葉だ。
「ですから」
「働かれますか」
「お金があればいざという時も安心出来ますね」
「はい、確かに」
 それはその通りだとだ、マガバーンも答えた。
「いざという時もお金があれば問題ありません」
「ですから。安心して」
「働けますか」
「だからです」
「そうですか、貴方は勤勉ですね」
「少なくとも自分ではこう考えています」
 上城はマガバーンにはっきりと答えた。
「僕は」
「そうですか、では将来もです」
「何かしらの仕事に就いて頑張ります」
「学生生活の後はですね」
「はい」
 社会に出てもだ、彼はそうするというのだ。そうした話をしてだった。
 今度は上城がだった、マガバーンに尋ねたのあった。
「あの、僕もかなりのお金を得ていますし」
「闇の剣士もですね」
「あの人もお仕事を持っておられますね」
「清掃業ですね」
 このことは加藤自身が言っている、それが自分の仕事だとだ。
「そうでしたね」
「そうです、持っておられます」
「何故かなりの収入を持っておられるのにお仕事を続けておられるのか」
「好きだからです」
 それが理由だというのだ。
「彼の仕事が」
「清掃業がですか」
「はい、彼の生きがいの一つです」
「お掃除が好きなんですね」
 上城はここで意外といった顔を見せて言った。
「あの人は」
「何か特別なものを聞いた様ですね」
「知ってはいましたけれど」
 加藤の仕事のことはというのだ、ここで言う仕事は生業のことだ。
「それでもいつも思います」
「彼が戦闘狂だからですか」
「はい、何か戦うことが好きであることと綺麗好きが」
 一緒にならないというのだ、上城の中では。
「どうにも」
「いえ、その二つはです」
「一緒になるんですか」
「はい、なります」
 マガバーンはその上城にこう話した。 
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